13 はは
今回は過去です
「そうね話しましょうか。こっちにおいで」
「おいで」って言葉は至って普通の言葉なんだけどな?なんだろうこのゾクッとする感じは。まぁいい。何か大事な話っぽいから突っ込まないでおこう。
俺はドアを開け、ベランダに来た。
「それで話は?」
「貴方あの子を貰ってくれない?」
唐突の結婚して欲しいと言うお願いに少し動揺したが俺は早目に返事を返すことにした。
「まぁ確かにステフは可愛いぞ。性格も優しいし、何より助けに来た俺を逆に助けてくれた」
「じゃあ...」
「だが断る」
暫しの沈黙がこの空気をドッと重くする。
「一応何でか聞いていい?」
「それは当たり前だ。街長には泊まる場所とご飯を用意してくれて本当に助かってる。だけど俺とステフはあってまだ一日も経っていない。内容はとても濃いものではあったけど。それにステフは街長も超える変態だぞ?まぁその点に関しては俺はステフの長所として受け止めとく。何より...それは街長の決めることじゃない」
返って来た返事は無言の回答だった。きっと何を...どんな言葉を返して良いのか分からないんだろうな。
「そうだわね。ごめんなさい、今回の話は全部忘れてちょうだい」
「そうか。なら良かったよ」
俺が立ち去ろうとした瞬間。
「でもこの話はちゃんと聞いて欲しい」
俺は少しびっくりした。今までのオネェ口調とは一変して男らしい口調だっただった。いや違うな。口調だけでは無い。声色から何まで全てがまさに『漢』だった。
「なんだ?」
口から漏れそうになる動揺を押し殺し、混み込む。
「これは少し裕福な家庭に産まれた、女の子の物語」
『「ねー。お母さん!早く行こうよ!」
「そうだわね。でもその前に銀行に行かないとだめよ」
私は7歳。当時は近所の子と比べても背は大きかった。母はとても美人で、綺麗で、お淑やか。女として完璧な人だった。父もそう。男らしくて、とても強い。ギルドでは特に強いとされている人にだけ与えられる『二つな』を貰ってる。私はいい所に産まれて幸せ。
今日は7歳の誕生日として、王都にお買い物しに行くことになっていた。この世界では7歳と16歳に誕生日を祝う風習がある。何故この年かと言うと、それは『魔法』
『スキル』が大きく関係している。
『第一次覚醒』と言う言葉はご存知でしょうか?これは世界が人類と魔族、知性のある者に与えた贈り物。なぜ与えたのかは分からない。でもそのせいで魔物からの被害は格段に減ったらしい。世界は16歳に能力を目覚めるように設定した。
だけどこの世界には『求愛』と言われ、世界から愛された者がいる。この人たちは、自らの才能により能力を開花させる。一般的には『原初の力』『加護持ち』などと言われている。
『原初の力』と言うのは、読んで字のごとく、最初にない。この世界で初めての能力を持つもの。神や王など。
『加護持ち』と言うのは、『原初の力』を持つ者から認められ、高いか適正がないと慣れない。だが、その権能は『原初の力』を上回る事が多い。
だが戦って、どちらが勝つかは微妙な所だ。
私はの『求愛』は人類に適正が多いためそこまで有名にはならなかった。でも私には王になる素質はない。なので権能ではなくの魔法の部類に入る。
私は『加護持ち』に分類される。更に『速覚醒権能病』と言う珍しい病気にかかっていた。
この病気は、別に大したことない。ただ単に能力の覚醒が早いというだけだ。子供の頃は余り身体中の魔力が少ないため、魔力枯渇を起こして死ぬと言う場合が多々ある。
でも大丈夫だ。私は運がいい事に生れ付きの魔力が平均の大人と同じくらいで、枯渇を起こすことなく、毎日練習して、周りの人から良く「聖女様」と言われている。
私は人助けが好きだから、良く怪我していた子を治してあげたな。勿論お金は貰わない。治療でお金を稼ぐのは大人になってからと決めている。そこは譲れない。心が汚れて適性を失うと言うケースは稀にある。私はこの回復魔法が好きだ。失いたくない。
「ねぇーお父さん」
「ん?なんだ?ステファニー」
「私を産んでくれてありがとう!」
少し悩んだ表情をして聞いてきた。
「...幸せか?」
「うん!」
「なら良かった」
この言葉はお世辞何かじゃない。心から思ってる。
私の容姿はお父さんを全く受け継いでいない。でも私はこの髪が好きだ。ピンク色の透き通った髪。この髪は私がお母さんの子供だって言う証拠。
王都はここから少し離れている。歩いたら一日野宿しなければならないが、馬車を使えば半日だ。なので今日は早起きしている。
馬車と言うのはそれにしても揺れる。
「お父さん何か気持ち悪そうだよ?大丈夫?」
「うっ...だっ、大丈夫」
何故か顔を青くして、外の遠くを見ている。
「あれは乗り物酔いよ」
「乗り物酔い?」
「乗り物に乗ると気持ち悪くなる人がたまにいるのよ。『キュアヒール』なら私も使えるから治せるわよ」
「そうなの?お母さんはやっぱり物知りだね」
「そんなことないわよ。それで治してきてくれる?」
「うん!」
『キュアヒール』と言うのは、状態異常を治す魔法だ。怪我などの治療とは違って誰にでも出来る。でも私は治療関係の事なら何でもできる。
「『キュアヒール』」
「おっ!治った。ありがとうステファニー」
「うん」
そう。私がこの魔法が好きな理由はズバリこれである。お礼や感謝されると、こっちまで嬉しくなる。だから私は人助けが好きだ。
「うっ!やっぱり駄目だ」
また父が酔ってしまった。でもヒールし過ぎると魔力切れになるから、本当にやばそうだったら助けよう。
父が再び外を見始めた。
「おい御者さん。馬を止めてくれ!」
「へい」
お父さんの表情が凄かった。こんなにお父さんの真剣な顔を見たのは初めてだ。
「どうしたの?」
「あっちを見てみてくれ」
「ん?」
そこには全身マントの傷だらけの8人組がいた。
私達はすぐにその人達のもとへと向かった。
「どうしたんですか?」
「実は...」
どうやらこの人たちは冒険者でモンスター討伐に行く途中に盗賊に襲われたらしい。そのため冒険者カードは持って居なかった。
「『ヒール』これで終わりだね」
私は8人の治療が終わった後に感謝されると再び王都に行く事にした。
「それにしても大活躍だったな」
「うん。まぁおかげで魔力切れちゃったけどね」
「まっ、しょうが無いよ。もうこれ以上魔法は使うなよ」
「うん。分かった」
でもな〜私の王都で怪我した人を治療する計画が台無しだよ。まぁ価値はあったけど...。
「ステファニー。見えたぞ」
気持ち悪そうにしてるお父さんが外を指差した。
そこには城があった。
「あれが王都...」
王都に住むには商人になるか、貴族になるしかないのだ。一般人は住めないし、理由が無いと入れないらしい。今回は私が誕生日なので入れた。別に教会に行く訳では無いが。
今回私は杖を買うことにした。より正確に『ヒール』が出来て、消費魔力が激減出来る品物。
大人になっても使えるように今回は店でいちばん高級なのを買ってくれる見たいだ。
家は一般と比べると少し裕福な家庭だ。奮発してくれたらしい。ありがとう。
店に来ると、受付で杖を受け取った。どうやらもうお金は払ってるらしい。
「それじゃお昼食べるお金無いから銀行に行きましょうか」
「うん」
この時の私は知らなかった。これが私の人生を大きく変えるということを。
読みにくかったらごめんなさい




