表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/19

プロローグ

本当に幼い時のことはよく覚えていない。

一緒に暮らしていたサミュエルおじいさんは、僕の両親は流行り病で死んだという。

サミュエルおじいさんは森の植物にも詳しかったし、熱を下げる薬の調合や、家畜の病気を防ぐまじないを村人からよく頼まれていたから、なぜ僕の両親を助けられなかったのか疑問に思ったことがある。

おじいさんにその疑問をぶつけると、おじいさんは寂しそうに笑って言った、それが運命(さだめ)というものだと。

その時は、村の子供たちから両親がいないことを理由に仲間外れにされていたから、煮え切らないおじいさんを腹立たしく思った。


それから4年ほど経ち、おじいさんの右腕として村の病人を訪ね、生死と隣り合わせの今なら分かる。

人を助けるということは万能ではない。

助けられない命もあるのだということを。

そして、自分が村の子供たちからいじめられていた理由は、村の大人たちが自分を疎んでいるからで、その理由が、自分が黒い髪、黒い瞳、褐色の肌をしているからだということも理解していた。

サミュエルおじいさんは明るい茶髪、緑色の瞳、白い肌をしている。

自分の髪の色や肌の色が違うのは母親がこの地の原住民だからだ。


"野蛮な原住民(あくま)"


そう、僕は悪魔の子供だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ