4話 隠しスキルについて
「んで、なんなんだその格好」
「ん?寝巻きだが」
「寝巻きだよ」
夜になって俺の部屋に来た上杉さんと小鳥遊さんは、ネグリジェみたいな服を着ていた。とりあえずベットに2人を座らせ、俺は椅子に座った。
「男子高校生である俺にそんな姿を見せられたら色々困るんだが」
「ん?なにがた?」
「にしし〜、ミッチーて以外とスケベかな」
「誰でも2人のその姿を見たら意識しちまうよ」
「ふむ、やっと砕けたか」
「だね〜いつものミッチーだ」
「あんま変わらんと思うが?まぁしかたねーだろ、今はお前ら高嶺の華だからな、こんな地味でなんも取り柄のない俺がお前らとまともに関わってみろ、今以上にめんどくさ…酷い仕打ちがやってくる」
「まぁ確かにな」
「めんどくさいって流石ミッチー」
説明しよう俺こと天羽 三日月と上杉 葵、小鳥遊 雫は昔からの知り合いであり小学生まではよくつるんでいた中だ。
「それはそうと三日月、これからどうするのだ?」
「ミッチーのことだから、ここから出てくんじゃない」
「まぁ雫の言う通り、必要最低限生き残る力が手に入れば出て行くつもりだよ」
「やはりそうか」
「ミッチーらしいね」
「分かってんなら聞かなくていいだろう」
「まぁ確認みたいなものだ、しかし男子どもはアホだな、英理の意中の相手がわかるや否や攻撃するとは、逆効果だろうに」
「そうだね〜」
「ああ、全く阿呆らしい」
「ところでミッチーは英理ちゃんのことどう思ってるの?」
「どうって、可愛い子だとは思ってるぞ」
「んじゃ私たちは?」
「ん?葵と雫のことか?う〜ん、可愛い友達、かな」
「ちっ、友達か」
「友達か、友達ね、、異性としては見てくれないんだ」
「……仕方ないだろ、今までが今までなんだから」
「私はお前のことを異性として好きだぞ三日月」
「私もミッチーのこと異性としてだ〜〜い好き!」
「はぁ〜、そのうちな」
「「え?」」
「あん?なんだ、えって」
「あ、や、は、え、」
「え、そ、そのうちって…」
「考えといてやるってこと、お前らと何年一緒だと思ってんだ、お前らの気持ちなんてとうの昔に知ってたよ、でも日本じゃ1人しか選べなかったからなぁ〜お前らから切り出されたらどうしようか悩んでたんだ」
「「…………」」
「あん?おい、なんで固まってんだ」
「………」
「え、てことは、ミッチーは私たちのことを」
「…はぁ〜……ガキの頃から異性の女の子として見てたよ」
ボシュン!!!
2人の頭から煙が出た
「おい、俺も恥ずかしいからその反応やめてくれ!」
「ま、まさか三日月が私達のことを…」
「ミッチーが私達に告白してくれた…」
「お、おい、泣くことか」
2人して涙をポロポロと流し始めた
「だ、だって、三日月は私たちのことなんて異性としてみてないかど」
「ミッヂーがそんなこと思ってくれてたなんて、わだし、わたし嬉しくって」
「はぁ〜ハイハイ、キャラが壊れてるぞ葵、雫、可愛い顔が台無しだぞ」
俺は2人の頭に手を伸ばし2人が落ち着くまで撫でといた
やっと落ち着いた2人は
「よし!三日月!結婚式はいつやる!子供は何人欲しい!」
「フニャ〜ミッチーもっと撫でて〜」
「葵、また暴走してるぞ落ち着け、雫は頭撫でられるの好きだなぁ」
「は!す、すまん」
「頭撫でていい男子はミッチーだけだからね」
「ハイハイ、んで本題に入っても?」
「あ、ああそうだ三日月、なぜあんな腑抜けた剣さばきをしていたんだ?お前ならば私の家で習った剣術でどうにかなるだろうに」
「ん?そのことか、あんまり目立ちすぎるとめんどくさいことになるから、かな」
「実力を隠して、いざという時に発揮する、めんどくさがりやなミッチーらしいね」
「なるほど、それなら納得だ。」
「あっ、それとたまにだけどミッチーから魔力感じたんだけど、なんか隠してる?」
「……お前達になら話していいか」
俺は少し悩んだ後自分に隠しスキルがあったことを告げた
「なにそれすごい!なんでミッチーだけ〜ずるいよ〜」
「なるほど、だから怪我もそんなに酷くなかったのか」
「ああ、避けたり相殺したりしてたからな」
「ねぇねぇミッチー、私達にも隠しスキルとかないの?」
「始め見たときはなかったが、今見てみるか」
上杉 葵/人間 LV7
スキル
剣神
隠しスキル
一刀両断
称号
勇者 鳴神流剣術を極めた者 天羽 三日月LOVE
小鳥遊 雫/人間 LV7
スキル
魔法使い
隠しスキル
古代魔術
称号
勇者 アニマル 天羽 三日月LOVE
「………」
「お、おい、三日月、どうしたんだ」
「ミッチー?」
「はっ!あ、いやすまん、なんでもない」
「「あっ」」
「「みた?」」
「あ、ああ」
「まっ、いっかもう伝えてあるし」
「そ、そうだな」
「2人の気持ちはよくわかった、んで隠しスキルなんだけど」
「なに、なに、私たちにもあったの?隠しスキル」
「ああ、雫は『古代魔術』って言って、失われた魔法が使えるらしい、んで葵は『一刀両断』って言って何もかも切り裂いちゃうスキルらしいぞ」
「ほぇ〜古代魔術かぁ〜なにが使えるの?」
「わからん」
「え?」
「それは文献から探すしかないな」
「なるほどね〜、ミッチーの役に立てるようがんばろ」
「私の一刀両断はシンプルだな」
「まぁな、葵らしいな」
「だな」
「ん〜でもなんでミッチーだけが隠しスキルみれるの?」
「ん?自分たちじゃ見れないのか?」
「ああ、自分たちでみてもだな、隠しスキルというのは出てこないんだよ」
「鑑定のおかげってことか?」
「うう〜ん、私達、この世界で鑑定持ってる人に見てもらったんだけどそんなもの出なかったよ」
「そうなのか?」
「うん、だから不思議なんだよね〜なんでミッチーだけ隠しスキルなんて見れるのかって」
「俺だけが隠しスキルが見れる、でも初めの方は雫も葵も他の生徒達も隠しスキルなんてなかったぞ」
「レベルが上がったからとかではなさそうだな」
「まぁ可能性としてはあるかもな」
「ねぇねぇミッチー、自分の鑑定スキルに鑑定して見れば何かわかるんじゃない?」
「なるほど、ちょっとやってみるかな」
鑑定
見たいものの情報が見れる
「ほれ」
「普通ぽっいね」
「称号とかみてはどうだろうか」
「称号ね」
嫌われ者
嫌われ者
いじめられっ子
いじめられっ子
勇者?
成長補正、スキルに影響あり?
「なるほどね、クソ男子どものせいでミッチーに変な称号が付いちまったじゃねぇ〜か!」
「許さん、あのゴミども!」
「いや、落ち着け2人とも」
「「落ち着いていられるか!」」
「はぁ〜、雫、葵、俺のために怒ってくれてありがと、でも、大丈夫だから、な」
今にも飛び出していこうとする2人を落ち着かせるため2人に抱きついた
「「……………」」
ボシュン!!!
「いや、その反応とられると俺も恥ずかしいんだが!」
「う、うん!この、勇者の称号のおかげで隠しスキルが見えているとみていいぽいな」
「そうだね〜なんでミッチーだけが見れるのか納得だね」
落ち着いた2人は顔を赤らめながら話を進めた
「まぁ原因はわかったし、隠しスキルのことは伏せといてな」
「なんで?」
「馬鹿ども、ゴミどもに悪用されたくないからな」
「なるほど、わかった」
「さて、そろそろ戻ったほうがいいんじゃないか?」
「む、そうだな、また明日も早いし戻るとするか」
「む〜もうちょっと一緒にいたい〜」
「また明日な」
「ミッチー」
「ん?」
俺が2人を入り口まで見送って雫が振り向いたと思えば
チュ
おれの唇に柔らかくて温かいものが触れた
「えへへ〜また明日」
「お、おう」
おれが惚けていると、また柔らかくて温かいものが唇に触れた
「ま、また明日」
「お、おう」
2人は逃げ去るように去っていった
おれはそのあと数分そこで惚けていた
意識を取り戻しベットへダイブしニヤニヤが収まらなかった、嬉しすぎてほとんど寝れなかったのはいうまでもない。