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知る者と知っている者

お久しぶりです。ちょっと進みました。いやはや、

独自主観で申し訳ありませんが自分は一番好きな宗教は

「キリスト教」です。まぁ布教なためにいろいろと

やってきてはいますが教義の根本理念は人類に最も

必要なものと思っています。

まぁこれも人それぞれではありますが不勉強ながらいろいろな宗教が

今後もいろいろ出てきます。でも決して侮辱するつもりはありません。

ただ混沌としていく世界をユダはどう乗り越えていくのか?

よかったらお付き合いください。

一陣の風。男を中心に吹き上がった風は周りの砂を動かすそよ風。

手を開き、上から下へ振り下ろすと風は起こる。

何かをしなければ起こらない。それが風。

男は叫んだだけである。しかしその男を中心に突然風が吹いてきた。

目の前の刀を持った男は考える。

男「今のは、魔力の風・・・。セラフの・・・?

いや、聖なる力はまるで感じなかった。この男の?

こいつは人間だ。転生してはいるが・・・転生?

こいつは地獄のコキュートスから出てきた・・・。

サタンの口に噛み砕かれて・・・!サタンか!

永くサタンに噛み砕かれていてそこから転生した。

本来なら転生されることはない。だがそこから出てきたことで

サタンの魔力をまとって・・・いや、それほどの魔力はなかった」

ユダ「あの・・・?」

まるで眠っているかのように押し黙ってしまった男を前に

ユダが問いかける。

それに気づき思考を止めるクルースニク。

クルースニクが問いかける。

「殺したのは人間。間違いではあるまい。だがその原因を作ったのは

官憲に居場所密告したお前じゃないのか?」

ユダ「私はイエスとの旅の説明を聞いてもらおうと詰所に趣いただけです」

クルースニク「だがそこにお前は戻らなかった。イエスが

捕らえられることは容易に予想できた。だから逃げたのだ!」

ユダは黙ってしまう。

核心をついた。と勝ち誇るクルースニクだが内心釈然としていなかった。

『この男、嘘を付けるような男には見えない。

人類最大の罪を犯しながらもその罪は虚偽や欺瞞ではない。

何故かそう思わせる。イエスはこいつに騙された?

いや、イエスほどのお方がこの男の本質を見抜けぬはずがない。

・・・ならば何故イエスはこの男を弟子に・・・?』

クルースニクは深く悩みだした。すると

「・・・あなたは・・・」

押し殺すような声が聞こえてきてクルースニクは気がついた。

「あなたはどれほどイエスや私のことを知っているというのだ!!」

再び吹きこむ魔力風。今度は少し強く吹いた。

いきなりの強い風に後ずさりしたクルースニク。

クルースニクの姿勢が止まる。ユダの顔を見た瞬間だった。

「あなたは我々の何を知っているというのだ!!」

裏切りのレッテルを貼られているとはいえ聖人君子と謳われる

キリストの12使徒の一人ユダの顔は憤怒の染まっていた。

「本性を現したなユダ!図星を突かれて怒るか!」

足を開き刀に手をかける。クルースニクが叫ぶ

「旅の説明どうこう言ったところでお前はにげたのだ!

イエスを売り自責の念に駆られ結局自殺した哀れな男!

イエスもこんな男を弟子にして結局は人の子・・・」

『・・・人の子・・・?主イエス・キリストは神の子とされ・・』

クルースニクの動きが止まる。しかしユダは止まらない。

「何年の時が経とうと!どれほどの人々が知ろうとも私とあの方は

私とあの方しか知らない絆を持っている!

我々の何かを知っているだけで!我々を知るふうなことを言うな!!」

今までで一番強い風が巻き起こる。周囲の人々もその風に煽られて

テトラポッドから落ちたりしている。周囲のテトラポッドの影響から

風は竜巻上になり上空に吹き上がる。

『我らの時代で知るイエスキリスト、ユダの事はキリスト教の様々な教義の中

いろいろな伝わり方をするなかで共通して 神の子 と 裏切り者 という事、

これは絶対的なことであって疑うべくもない。だが、なぜそうなった・・・?』

風に耐えながら姿勢を崩しかけながらクルースニクは考える。

『我々が知るのはキリストの旅の足跡のようなもの。

この男はキリストとの旅の記憶・・・。この男はイエスという「人間」を知る者・・・』

この差をクルースニクはとても重く受け止めていた。

ユダを殺し再び魔王の口に送り返す。この目的は変わらない。

だが今のこの混沌とした世界にユダを転生させた理由はこの中にある。

とクルースニクは思い始めていた。

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