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裁きの幕開け 1

その街の名は信軸と言った。

その国最大の繁華街、人種男女問わず若くかつ生き生きとした命たちの集う場所。

その国の都市は国の規模こそ世界で小さいほうだが、

世界の中でももっとも高水準の都市と評されている。

その都市の中でも最も人が多い場所。信軸。その街の屋外のビジョンではその国の近くで起きた

べい空母の無残な姿がリアルタイムで報道されている。遠景なのでその奥の様子まではわからない。

「うわ~すげぇな・・・なにがあったってんだ?」

「戦争なんてよそでやれよ~全くべい軍は・・・」

多くの人間はそのビジョンを見上げながら足は進んでいる。

周りの人間を器用にかわしながら男女で笑いながら、複数で広がりながら・・・。

人としてその街を楽しみながらそれを日常として時を過ごしている。

『この辺、かな?』

一人の男がとある交差点で足を止めた。「うわ!」

体格のいい少し奇抜な格好をした男がぶつかった。「なんだてめぇ急に!」

止まった男は叫ぶ男より一回り小さい猫背の黒いジャージのような服に包まれた男。

黙って止まっている。

それにカチンときた男が「おい!おめぇこっち向けよ!人にぶつかっといて・・・」

ブツッビシュウッ!!

何が起こったのか・・・?その男の周りの空気が一気に赤く染まる

「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!」

「きゃあああアアアあああああああああああああああああああああ!!」

止まった時を動かしたのは叫んだ男の友人達だった。

叫んでいた男が止まった男の後ろから肩を掴み振り向かせ

その手と違う手で男のむなぐらを掴んだ瞬間、何かが下から掴んだ腕を通り過ぎたように見えた

と思ったら男の手はむなぐらを掴んだまま垂れ下がり叫んだ男の肩からの

腕から勢いよく真っ赤な血が噴射してきたのである。

噴射した血は止まった男と垂れ下がった腕に勢いよくかけられていた。

それでも男は血を浴びながら動かない。

あたりは絶叫の嵐。一様に男たちの回りから人が離れていく。

我先に逃げようとするもの。携帯電話のカメラを震える手で構えようとするもの。顔は引きつっている。

叫ぶ男の友人達は男を掴んで離れようとするが、ドサ、ドサドサッ。

男の体がまるで積み木のように頭、胸、腹、もも、と部分ごとに落ちていった。

女の友人が掴んでいた肩がきっかけだった。引っ張った拍子に首から頭が落ち、

ずれた肩から女に引き寄せられるように胸部分がズレ落ちる。女の手は離れないまま力なく・・・?

いや、掴んだ力はそのままで女が抜かした腰の膝もとに胸部分が落ちてきた。

女は放心状態でそれを見ていた。他の友人も同様だ。


「本当にきたんだ・・・」


その声は絶叫渦巻く信軸の街、止まった男の表情に初めて変化を与えた声だった。

声のした後ろに首だけ向ける男。目は向けていない。

血しぶきの上がった最大距離よりさらに先にもう人の姿はなかった。交差点の真ん中にもかかわらず

車すらその交差点に入ろうとしない。そのせいで先の道路のほうでは交通の混乱をきたしている。

血しぶき直前の車などから車を投げ出して逃げていたり様々なところから「逃げろ!逃げろ!」

と言う声。混乱は大きくなるばかりだ。しかしそこへ「おい!君どきなさい!そこの黒いお前!」

人のいなくなった交差点、円形の舞台のような人の広がりの真ん中に黒い男。

その後ろ側に一人の背広姿の男が立っている。さらにその後ろから警察官が5,6人やってきた。

背広姿の男をさげようとしながら前に出て総員拳銃を構える。

「無駄な抵抗をやめてこちらを向け!」一人の警官が叫ぶ。

「ひ、人質を開放しておとなしく投降しろ!」もう一人が回りこみながら銃口を男に向けたまま叫ぶ。

背広の男は少し下がりながら両手をなにかしらに組んでいる。

「・・・なるほど、陰陽師っていうやつか・・・」

黒い男が初めて口を開いた。「動くな!」

「やれやれ、こちらを向けといったじゃないか。何もしないからそう怖がるなよ」

男は両手を上に上げながらゆっくりと警官のほうを向こうとしている。

「あれは・・・!」背広の男が気付いたのは、振り向きながら手を上げる男の左手の

手のひらに線が浮き出てきてその線が口のように開いたと思ったらその口のような穴から

黒い棒状のようなものが伸びてきたのだ。

背広の男は一瞬考えてしまった。それが生死を分けたのかもしれない。

「あー・・・そこじゃもう手遅れだよ」

とっさに身を翻し人ごみに逃げようとする背広の男に声をかける男。

その左手が吐き出した棒状のものを上に上げた両手で構えながら男は笑った。

「て、抵抗するなあー!」回り込んでいた警官が思わず発砲した。

ブスッ!乾いた銃声より警官たちには体にめり込む銃弾の音がはっきり聞こえた。

それが人生最期に耳にした音として。「痛いな・・・」

男の両手が淡く光り、棒状のものを包んだと思った瞬間。ドガガガガガシャシガシャシャ!!

何もなかった空間にいきなり黒い物体が現れた。それは・・・あの核弾頭だった。

まるで急に現れたようにあらゆる物体を削ぎ潰すように核弾頭は伸びていく。

警官は上半身を消し飛ばされ背広の男も上半身が削れている。黒い男は・・・?


「ふ~・・・あまりに痛かったので立てることができなかったな・・・どうしよう?」


いつの間にか核弾頭の上に座っていた黒い男はぼやいている。

「撃たれたのはこれで二度目かな?ふふふっそういえばメフィストはどうしたろう・・・?」

そう言って男は懐から懐中時計を取り出しながら

「あと10分か・・・とりあえず立てていつでも起爆できるようにしておこう。

さっきの復元のショックで起爆していたらヤバかったな。

あの方から粛清を受けるとこだった。メフィストの言う通り凍結させて正解だったな」

立ち上がり核弾頭の先頭部分に向かう男。

近くまで来て男は片手を先頭に向けてその手を淡く光らせる。

男はまるで水中にでもいるように体が宙に浮き出す。その手は先頭部分を

掴んでいるような形になっている。核弾頭はゆっくりと持ち上がってきた。


混乱は収まりがつかない。棒状に開いた空間。

その周りにガレキや死体が詰まれるようにかたまっている。

周りの人間たちはもう混乱の中でうごめく虫の様な状態だった。

しかし人の減る様子はない・・・男がその虫達を逃がさないようにしているせいだった。

「これからこの街を訪れた皆さんに人類最期の花火を見て欲しいからな。

逃がさないようにしないと。命も多いほうがいいと言ってたしな」

直立した核弾頭それでもその高さを越えるビル郡のある街、信軸。

核弾頭の頂点で、黒い男、悪魔グラシアラボラスは

懐中時計を覗きながら決められた時、残り数分を下の混乱を楽しそうに眺めながら待つことにした。

お久しぶりです。ユダの続編ですがまーだ出てきません。

本当は取材とか言って詳しいディティールで表現したいんですが

まあ素人の小説ですしとりあえず進めていくつもりです。

一応いろいろな部分でモジったりごまかした表現を用いてみました。

こんな感じなんでよろしくお願いします。

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