表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

―judas復活編―  目覚めた軍人

この度、東北大震災を被災した方々には心からお見舞い申し上げます。

この章からユダが現代の世界に復活し、世界が混沌に包まれる。

フィクションの世界の中での破滅の世界になってしまいます。

若干タイムリーで不謹慎かとも思いましたが、この先、ユダとともに、

世界中の人間が立ち上がる物語として描こうと考えてる以上、

現実もこれから復興繁栄に向け進む力を持って欲しいと思い、

書かせていただこうと思います。日本、いや世界とともに皆でがんばりましょう。

・・・ザザーン・・・チャプン。


「うっ・・・」


波がぶつかり飛び散ってきたしずくがほほに当たり目が覚める。

男は起き上がらない。目を開き何かを考えている。焦点は定まってない。

ひざを立てようやく腰を上げる。男の眼前に広がるのは空母の残骸・・・。

海上に浮き沈む鉄の残骸は戦闘機や小型ボートの破片というのがかろうじて解かる。

男の寝ていたのは男が乗っていたであろう戦闘機の右翼だった。

「俺は・・・生きてるのか・・・?あの悪魔は・・・」

疑問が口からついて出るまま男は立ち上がろうと左手を立てた膝に乗せる。

「!」

男の動きが止まる。なにかおかしい。自分が無意識にいつものような立ち上がり方で

立とうとした。自分の体で。自分の手で。しかしこの手は・・・。この足は・・・。

「な、なんだこれは!!」

男の驚愕の叫びは自分の左手、いや肩から伸びた異常な色をした左腕、左足太ももの付け根から

伸びた異常ない色をした左足に向けられていた。

サイズはまるで自分の体の大きさ。腰を上げた際、まだぼーっとしていたのと

軍服の色がその色なのだろうという観念から意識はしていなかったが左手の違和感が

男の意識をはっきりさせた。両手を比べるように見る男。

右手、右腕はどうにもなっていない。が、無傷とはいえなかったようで所々流血していたのか

血の塊がこびりついている。不思議と傷は治っている。

男の手の指がゆっくり一本一本折れ曲がってゆく、それを確認する。

・・・自分の腕だ・・・。その色は内出血を起こしたときの肌の色をさらに濃くし、それが

全体に広がったような感じ。しかし肩から胸にかけてその色が溶け込むように消えている。

その付け根まで見て男はあることに気付く。

『この腕・・・あの時悪魔に・・・』     『やっと気付いたか・・・』

ズキっとくる軽めの頭痛で頭を押さえたと同時に頭の中から声が聞こえてきた。

とっさに立ち上がり周りを見渡す男。誰もいない。いるはずもない・・・。

男の頭の中に直接響く声は再び頭痛とともに語りかけてきた。

『もうだいたい思い出してきたろう?スミス・ホープ。』

「お、お前は!あのときの悪魔か!どこにいる!?」

『それも既に想像ついてるでしょ?頭に響く声などそうそう外からは聞こえないですからね』

「くっ!俺から離れろ!」

『離れたいのは山々なんですがあなたの体は私がいただくつもりで入りましたから』

「なんだと!?く、くそ!俺は悪魔に乗っ取られたのか!」

『・・・まぁ落ち着きなさい。あなたがね「なんてこった!殺せ!

このままお前に操られるくらいなら俺を殺せ!」

『・・・いや、あな「どうせ俺を乗っ取って俺になりすましていろいろやろうとしてるんだろ!」

「思い出したぞ!俺の故郷に行くとか言ってたな。俺の嫁や息子を殺すだと?

そんなこ『いい加減黙りなさい!』

熱くなった男は頭の中の声を聞かず夢中で叫びまくっていた。

まるで寝ていた間動かなかった体が歓喜するように。踊るように「生きている」ことを

男の魂とともに喜び合うように。らちがあかなくなった頭の声は強制的に男の体を

気をつけの姿勢のまま止めた。

「ぐ・・・く・・・そ!」  『ふう・・・意識から無事だったのを喜ぶ気持ちは嬉しい

でしょうが少し落ち着きなさい』

スミスも体が動けない事で心の中で言葉を思いはじめた。

スミス『嬉しいだと?お前は俺になりすますために俺を乗っ取ったんだろう?』

声『そのつもりでしたがあなたの意思があまりにも強く魂も体を離しませんでしてね。

入り込みはすれ出る事ができなくなりまして・・・我々の体は魔力そのものですが物理的には

なんていうんでしょうね?溶け込ませる物体と同じ成分になることができるんです。

あなたの体と同化させた段階から体の復元は私の魔力ではじめましてそうなると

止められないんですよね。やれやれ、たいした方ですよあなたは・・・』

スミス『ふっ!ははははは!俺を乗っ取ろうとしたのに逆に俺の体を治しただけとはな!

ざまぁないぜ!この色はお前の肌の色か!想像通り気持ち悪い色だな。この色は治せないのか?』

声『さっきも言いましたが魔力で復元はしましたが復元したのは魔力です。

体が物理的な成分になじめば体の遺伝子情報から体の色も元に戻ると思います』

スミス『そうか・・・そりゃよかった・・・ん?思います?』

声『あのまま私があなたの意識も取り込んでいれば全ての情報を私で把握管理できたのですが

あなたの精神力が強く途中で遮断されたので体組成分を把握できませんでした。

おそらく体の色は変わらないと思いますよ』

スミス『・・・』

声『?どうしました?』

スミスは声を聞きながらあの意識が途切れる最後の瞬間を思い出していた。

悪魔は耳元で俺の家族を俺の体で殺すと言った。しかしそれを止めるなら・・・

「死ぬな・・・生き延びてみろ!」確かにそう聞こえた。力強い声で。今聞くこの声で。

スミス『・・・なぁ・・・なんで俺を助けたんだ?』

声『え?』

スミス『お前は悪魔だ・・・。今見えるこの光景を作った。この海に俺の同僚、上司、仲間。

大事な・・・そうでもないのもいたがそれぞれの連中にも俺の家族みたいな大事な家族がいたんだ。

それを殺したお前がなんで俺だけ助けたんだ・・・?』

声『・・・たまたま、です。』

スミス『たまたま、だと?』

声『我々は悪魔。あなた方人間の負の感情が具現化し、今にあっては物理的に姿を

表せるようになった姿です。それには理由とともに目的がありました。

私は友人が重要な任務を進めるための護衛。』

スミス『あの核弾頭を持ってたヤツか・・・。・・・!!』「ちょっとまて!」

スミスは大事なことを思い出すように我に返って叫んだ。

あたりを見渡し陸地を探す。太平洋沖日本側といっても肉眼で捉えられないはずだが

彼の目は関東のある陸地を目にできていた。

スミス「・・・いない・・・。というよりなんともなってないような・・・」

スミスは頭上を見て考え込む。

『・・・出撃は1000(ひとまるまるまる)からだった・・・。

おい、あれから何日か経ってるのか?』

声『いや、時間の概念はよく解からないがそれはない。おそらくたいして時間は経ってないと思う』

スミス『なんで時間がわからないのにそう言いきれるんだ?』


「まだ裁きの時ではないからさ・・・人間・・・」


ズズン!

声がスミスの耳に届いた瞬間。凄まじい圧力がスミスの体に圧し掛かってきた。

頭に響いてきた声ではない。誰もいないはずだった自分の周りから突然右から聞こえてきた声。

スミスの体に重くのしかかる圧力は物理的にではなくスミスの命そのものを

押し潰さんばかりの圧力を加えているようだった。海上は穏やかな波をたたえている。

命への圧力であれスミスは体はおろか、顔を上げる事もできない。

スミス「・・・な、何者だ?どうして・・・いつからこ(こにいるんだ?)」

最後は声にならないまま膝をつくスミス。


聞こえてくる声「・・・そう、その姿勢だ。人が私にまみえる時はそれが正しい姿勢・・・」


『この声は・・・まさか、ここでやる気なのか・・・?』

スミス『おい、誰なんだ?』

『我々悪魔を具現化し、私に任務を与えた張本人だ・・・名は・・・』


声「メフィスト、だったな?あまりお前から出すな。興が削がれる』


メフィストとスミスの心の会話を遮られながらスミスへの圧力はより強くなる。

あまりの圧力にスミスは両手をついて平伏する姿勢になっている。


声「余が名乗る時はその姿勢で聞くがよい・・・ふふっある時代の信者にそう聞かせた

ことがあったな・・・。私からすればその時代も昨日のこと。といった感じなのだが・・・」


スミス『・・・こいつが・・・このイカてるようなのが・・・悪魔達を・・・!』


声「言葉の意味は解からないが・・・いい表現ではないだろうな・・・イカれてる。か・・・。

さて・・・あと10分か・・・。人間、悪魔の戯れに悪魔と同化した珍しい人間よ。

心無き悪魔に心を持たせたその行動に興味があってあえてここに現れてきた私も戯れてやろう。

裁きのときまであと10分。聞きたいことを聞いてこい。やるべきことがあらかた終わったからな。

気持ちが高ぶっている。こういう気分も忘れがたいものだな。

・・・それももうすぐ終わるのだが・・・」


スミスを平伏させる男。その男を囲むように世界の5つ都市にもうすぐ・・・

裁きの杭が突き立てられようとしている。

                                 続く

スミスが目覚めました。

その前に現れた男はあの男です。次の話は若干殺伐とした話になります。

文章が稚拙ですがご容赦ください。

フィクションでの星の意思の下す裁きはなんとなくわかりますが

天災はあくまで自然災害です。宮城に方々だけが受けた訳ではありませんが

被害が大きかったのは大変辛い事だろうと心を痛めます。

宮城の方々には無事立ち直って欲しいと願いつつ。次回も書かせていただきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ