ー序章1− 星の意志
新作(?)です。昔思いついた話ですが、あまりに長編になりそうなので挫折してましたが、せっかくならココで出そう!と思い、時期もクリスマスなのでいいかな?と思い書く決意をしました。この物語では様々な宗教が出てきますが、作者の取材不足や、不勉強のため、「これ違うぞ!」的なのも、ちらほらあるかも知れません。そこは単なる個人小説だから。ってことでご容赦ください。なお、それぞれの宗教観に対して決して侮蔑するようなことはございません。また、ユダが主人公ではありますが、キリスト教批判ではありません。重ねてご了承ください。
・・・旅・・・何時しか私は、それをそう呼び始めた・・・。幾度となく繰り返す旅の中で、人々は私を・・・帝王、聖人、預言者・・
そして・・・救世主、と呼んだ。その都度思う事がある。「人は何故学ばないのか・・・」
旅を終え、私は人に度々、試練も与えてきた・・・人はそれを`天災‘と呼んでいたが・・・しかし人は悉く、試練を乗り越えて
きた・・・。その都度思う事がある。「人は何故生き延びるのか・・・」だが、もうそれらを思慮することはない・・・。
わたしは・・・この時代に到って・・・ようやく結論を得た・・・。私は・・・星である私という存在は・・・
生きるべきではなかった・・・と・・・・・・・・。
私は星として・・・今日まで、ありとあらゆる命を見て来た・・・。何故私が私であるのか・・・そこに疑問はもたなかった・・・。
私がそこにある、という事実が全てだったからだ。ただ、その根本に、死にたくない。という、とても人間らしい意志が働いて
いたという事を今になって痛感している。命は初め、弱く儚い細胞だったが、ゆっくりとしかし着実に強く進化していった・・・。
私という星の中で、命は育まれてきた・・・命は私の中で生と死を繰り返し、わたしもまた命を糧に生き続けてきた・・・。
そして・・・人が生まれた・・・人は他の命に比べその期間は短いものの、他に類を見ない爆発力をみせた・・・それは・・・
文明である・・・。本能を越えた理性というものをもつ人は、欲望を強く持ち、それぞれの人種がそれぞれの文明をもち、
それぞれの国を築き、それぞれの争いを起こす・・・。争いそのものは命もつものの当然の本能である。だが、人は・・・
そのために私を傷つけ、挙句には私の命を削り始めた・・・。人は自らを生かすために自らの星たる私を死に至らしめよう
とする・・・私はそれが理解できなかった・・・。だから旅に出たのだ・・・そして結論が出た・・・。
私は・・・・・・・・・・・死ぬべきだったのだ。
私は人に危機を感じ幾度となく試練を与えてきた。しかしいつの間にか人はまた生まれていた・・・。そんな人に今度は
好奇心を持ち始め、そして自ら人の姿を借り人の世界に干渉してみた・・・今までの命と比べると、不思議に思えた・・・
本能とは別に理性を持つ人は、自分以上に何かに依存しようとする事が多く。それを模索し、また、そこに自らを置こうと
するもの、さまざまだった。しかし、そこに生じる不毛、不益な業を収めるべく、私は人に、命というものを、実践してみせた・・・
反発も少なくなく、いくつかの戦も余儀なくされた・・・。そして私が消え、人は、従うもの、反発するもの、関係しないもの・・・
様々に別れる・・・だが、一様にしてそれらは、歴史には残れど記憶からは消えていった・・・。「何故学ばないのか・・・」
私の疑問はそこから生まれた・・・。それらを繰り返しでた結論・・・。私は存在すべきではなかった・・・と。
私がなければ、人もまた在りはしなかったろう。無益に他を殺め、私すら傷つける事はなかったはずである。私は死ぬべき
なのだ・・・。だが、私は自らを殺める気はない。恐怖ではない、違うからだ。私は人の中に理性の根本であろう‘心‘という
ものをみつけた。それは、理性と同じく私が知らなかったものだ。そこには光と闇があり、多くは闇だ。そしてその闇の影響
によって 私が傷つけられている事を知った。その闇には何かが棲んでいた。私の知らない。私が生まない命・・・
悪魔というものだ。
私は、得た結論に沿った考えを発した。自らが生み出したものに、自らを傷つけられる事をおしえてやろうと・・・、私が
死ぬのはそれからでも遅くない・・・私は自らを終える為にも生み出したものにもけじめを着けねばならない。それが結論。
・・・これが最後の旅となろう・・・全ての命の幕を下ろす。その目的のために・・・・。
なんか全作品みたいな書き出しですが、しばらくストック上こんな感じです。ストックあるうちは更新が早いと思いますがすぐ切れますww。
ともかくよろしくお願いします。