無力なセイジ(その3)キャバクラサイド
セイジは悔しかった。自分の弱さに腹が立った。
セイジ「助けてくれて、ありがとう。」
街の女1「助けたなんて、そんな。なかなか格好よかったよ。」
セイジ「負けてたけどね。」
街の女1「ううん、魔物と闘う勇気が凄いと思う。」
二人の、なんかいい感じの会話は続いた。
カマキリのキャバ嬢カオルは、レイコとその光景を見ていた。
カオル「セイジさん、モテてるわね。顔がいいから、みんなが助けてくれたのよ、特に女子に。あれがもしブ男だったら、今頃死んでるわ。」
レイコ「フフフ。あれで強かったら最高よね。」
カオル「でも、私は魔物がいいわ、あの躊躇なく人を殴るところがワイルドだわ、喧嘩っぱやいし強いし、魔物は最高。」
レイコ「じゃあ、魔王さんはカオルの超ストライクね。」
カオル「そうそう。殴るだけの闘いって最高!!魔法を使ったりする闘いは、なんか萎えるのよねえ、私的に。」
カオル「レイコはどんな人がいいの?」
レイコ「確かに強い人もいいけど、経済力もないとね。エルフって、質素な生活だから、それが嫌で、私は街に出て来たの。毎日、森で歌を歌って狩りをする生活なんてもうごめんだわ。」
カオル「経済力でいうと、金持ちバッタのリームさん。昆虫人だけどどう?」
レイコ「確かに金持ちで人柄がいいけど、顔が殿様バッタだから、ちょっと無理かな。」
カオル「結局、あんたも顔じゃん。」
レイコ「フフフ、まあね。」
久しぶりに若い女子と会話をし、少し元気をもらったセイジは明日からは強くなるために、ケンイチの後ろに隠れて闘うのはやめ、率先して魔物に闘いを挑もうと決意したのであった。