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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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勇者タケトVS魔王ケンイチ(魔王・勇者サイド)

勇者タケトになった魔王、魔王になった勇者ケンイチ、剣士コジロウ、魔法使いのヒミコは、呆然としていた。一番初めに声をあげたのは、勇者タケトだった。


勇者タケト「アースハンド!!」


魔王ケンイチは、本能的にとっさに空に向かって翔んだが、コジロウとヒミコは、毒沼から出てきた巨大な土の手に、握られてしまった。勇者タケトは、土の手に乗って、毒沼から脱出した。


勇者タケト「サンタクロース、カミング!!」


アーケード商店街の方角から、ゴーカードのような赤いソリに乗ったサンタクロースが、ドリフトをかましながらやって来た。


サンタクロース「ちょっと今日はソリが車検でね、だから今日は、代車のソリだ、クリスマスでもないのに、プレゼントを欲しがるとは、さすが勇者だ、ケンジャノツエ、降りな。グッドラック!!」


小柄で銀髪、ストライプスカートにデニムのジャケットを着たケンジャノツエが、荷台から降りて来た。サンタクロースは、アーケード商店街の方へ消え去った。


ケンジャノツエ「勇者さん、お久しぶりです。久しぶりの出会いに乾杯!!」


ケンジャノツエは魔法を唱え、勇者タケトは毒が消えて、マラソンの疲れもとれて元気になった。


コジロウ「おいおい、サンタクロースとかありかよ。」


ヒミコ「あれは勇者だけが使える召喚の魔法、あのゴリラの魔王は、勇者だったってこと?」


コジロウ「らしいな、しかもオマケに月人だ、ケンイチと全く逆だ。」


ヒミコ「逆?」


コジロウ「そう、ケンイチは魔王で、あいつも月人だ。」


ヒミコ「なにそれ、二人ともゴリラのくせに面倒くさいわね。」


コジロウ「確かに。」


ケンイチ「頼むぜ、剣に意思を!!」


ケンイチが魔法を唱えると、三日月刀が話し始めた。


三日月刀「よう、ケンイチ。久しぶりだな、俺に意思を与えてくれたお礼に、俺のスキルを教えてやるぜ!!俺のスキルは一度だけ、あらゆる魔法を解除できる、あとは、闘っているお前を励ますことぐらいかな、しょぼいスキルでごめんよ。」


ケンイチ「いいスキルを持ってるじゃないか、じゃあ早速、先生とヒミコさんを握っている土の手をなんとかしてくれ。」


ケンイチは上空で、三日月刀を右手でかかげ上げると、三日月刀は魔法を唱えた。


三日月刀「OK、魔法解除、月光!!」


三日月刀から、光の粒がコジロウとヒミコに降り注ぎ、土の手が消えて、二人は自由になった。ケンイチは、二人の側に降りて、光の味噌汁が入ったペットボトルを2本、コジロウに渡した。


ケンイチ「先生、ヒミコさんと二人で、これを魔王病院にいるシルビアとジョニーに渡して下さい、お願いします。」


コジロウ「分かった、ケンイチ、頑張れよ、ヤバくなったら逃げろよ。逃げても次勝てばいい、とにかく死ぬな!!」


ケンイチ「分かりました、病院は少し遠いですが、ここから真っ直ぐ行った所にあります。」


コジロウ「分かった、行くぞ、ヒミコ!!」


コジロウとヒミコは、魔王病院に向かった。


勇者タケト「話は終わったかい?じゃあ、そろそろ勇者の仕事、魔王退治をさせてもらうよ。」


魔王ケンイチ「望むところだ、いつだって勇者が勝つと思うなよ!!」


勇者タケトは、ぶかぶかのスーツのズボン、魔王ケンイチは、ぶかぶかの半ズボンを脱いだ。次に、勇者タケトはスーツの上着とカッターシャツ、アンダーシャツを、魔王ケンイチは、半袖のTシャツを脱いで、二人とも膝ぐらいまであるトランクス1枚になった。二人とも思った、今が冬じゃなくて良かったと。


ケンジャノツエ「ちょっと二人とも、服ぐらい着て闘って下さい、二人の闘いに乾杯!!」


ケンジャノツエが魔法を唱えると、勇者タケトは、白のフォーマルワンピース、魔王ケンイチは、黒のシフォンワンピースを着ていた。


勇者タケト「なんだこれ?」


魔王ケンイチ「パーティードレス?」


ケンジャノツエ「ごめんなさい、男の人の服とか分からなくて。」

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