エマニュエル貴婦人(キャバクラサイド)
ガーゴイルのセナとケルベロスのポチは、アーケード商店街から少し離れた裏通りで、レイコが手伝いに行っているキャバクラ、エマニュエル貴婦人を探していた。エマニュエル貴婦人は、24時間営業で、レイコとカオルは、主に朝のシフトに入っているとヒトミに聞いていた。しかし、シリウスが魔王砲を撃ちまくったため、街には粉塵が舞い、朝といえども誰一人、裏通りを歩いている者はいなかった。セナとポチは、ヒトミに書いてもらった手書きの地図を頼りに歩いていると、目印のコンビニを見つけた。
セナ「このコンビニの向かい側のビルらしいんだが・・・・。」
カイワレ大根のビルの小さな看板に、"5階エマニュエル貴婦人"と書かれていた。セナとポチは、カイワレ大根のビルの中に入り、緑色の液体の中に入って、5階のエマニュエル貴婦人に着いた。魔のオーラに守られているポチと一緒だったためか、セナとポチは、緑色の液体を弾いていた。セナは、ポチを店の前で待たせた。店は意外にも開いていて、何人かの羽根アリの昆虫人の客達と、レイコはダーツをして遊んでいた。
カオル「レイコ凄い、またど真ん中。」
レイコ「フフフッエルフの村で、子供のときに弓で狩りをしてたからね。」
店内は、大半が頭に触角、背中に羽根がある意外は、人間と変わらない羽根アリの昆虫人だった。
羽根アリの昆虫人の黒服「いらっしゃいませ、すいませんが、本日は魔王襲来により、まもなく閉店となります、申し訳ありませんが、またの機会に。」
セナ(そりゃそうだよなあ、むしろ、営業してるほうがおかしいよなあ。)
カオル「あら、セナさん、ちょっと、魔王に攻撃やめさせなさいよ、大大大大、大迷惑よ。」
羽根アリのかわいいホステス達も同調した。
「そうよそうよ、あなた達、デビルタウンで儲かってるんでしょ、なんでグラスランドシティーに攻めて来るのよ、私達が何かした?」
セナ(出たあ、女の言葉攻め、こいつは面倒だ。)
ポチが、客の食べているたこ焼きの匂いにつられて、店のドアを突き破って入って来た。
ホステス達「キャア、魔物が攻めて来た、食べられる!!」
ポチは、たこ焼きのところに行き、食べ始めた。
ホステス達「お腹が減ってるみたいね、ホステス達は、ツマミのポテトや枝豆を、ポチに投げた。ポチは3つの頭で全てキャッチして食べた。
ホステス達「キャア、凄い、さすが魔物ね、他に何かないの?」
誰かがスルメイカを投げた、ポチはキャッチして食べ、右の前足を挙げた、ガッツポーズのようだ。
セナ(いいよなあ、ポチは。それより、レイコさんを連れ出さないとな。)
なんとなく、セナのパワーストーンの店でバイトをしている、メグミに似た羽根アリのホステスが、セナに話しかけてきた。
「あと10分ぐらいだけど、飲んでく?安くしときますよ。」
セナ(うわっメグミさんに似ている、超超超超、超ストライクだぜ!!)
セナ「もちろん。」
羽根アリのホステスは、リナと名乗った。
セナ(リナちゃん、かわいいなあ、もしかして、メグミさん卒業できるかも。魔物が恋をしたらいけませんか?答えはノー、ああ、グラスランドシティーに住もうかな。)
セナが淡い想いをいだいていると、辺り一面が突然暗くなった。
客とホステス達は窓辺に行き、外を眺めると、夜になって空には満月が出ていた。レイコも窓辺から満月を見た。その瞬間、髪は青くなり、身長が伸びて、レイコは指をパチンと鳴らした。
どこからともなく、緑色のカクテルを持った若い黒服の男か現れた。
黒服「レイコ様、ミントライオンです。」
レイコはカクテルを少し飲んで、呪文を唱えた。
レイコ「ありがとう、輝け私、夜の神話になれ!!」
レイコは、ジャガードレオパ柄のシフォンベール付き、ミニロングドレスに衣裳チェンジした。




