エルフの村、またね(キャバクラサイド)
やっぱり、金があるところに金は集まるもんだ。デーモン・ヤマシタは、金に好かれている。と、エルフ達は思った。
順位は、1位デーモン・ヤマシタ、2位キミカ、3位レイコ、4位シュン、5位オサムだった。
キミカの父親「チッ最後の最後に抜かれやがって!!だから、お前はダメなんだよ、一瞬でもお前に期待した俺が馬鹿だったよ、お前のせいで、また俺は明日から、鰹節のパック詰めに行かなきゃならない、この不良娘が!!晩御飯は、お前は枝豆だ!!」
キミカ「はあ?何よ、さっきまで、お前は俺の誇りだとか、お前のためなら死ねるとか言ってたくせに!!だから、お父さんは、いつまで経っても鰹節のパック詰めから、抜け出せないのよ、このパート親父!!」
キミカの父親「親に向かってなんだ、その口の聞き方は!!この不良娘が!!どつきまわして、その曲がった根性を叩き直してやる!!」
エルフの族長が、割って入った。
エルフの族長「まあまあ、せっかくのエルフ村の夏祭りなんだから、親子喧嘩はもうそのへんで。」
キミカは、デーモン・ヤマシタが嬉しそうに、黄金の笹舟を手にとって見ているのを見た。
キミカ(あれは、笹舟に金のスプレーを塗っただけなのに。族長も族長よね、よくまあ、平気な顔をしていられるわねえ。)
レイコとメグミが、キミカのところに歩いて来た。
レイコ「キミカさん、もう少しで優勝だったのに、残念でしたね、私達、ちょっと今から、実家に行って来ようと思いまして。」
キミカ「分かったわ、じゃあ、私、エルフの広場で待ってるから、行って来なよ。メグミちゃん、帰りはどうするの?送って行こうか?」
メグミ「いえ、私は帰りも魔法で。」
キミカ「さすがミス・エルフね、移動の魔法を使えるなんて、羨ましいわ。」
レイコは、笹舟流しの小川からエルフの広場へ戻り、そこから20分程歩いて、実家に着いた。エルフの家は、六角形の木造の建物が2つと、その建物同士を繋ぐ廊下が1本ある。例外として、貧乏なシュンの家は、大きな大木を、そのまま家として利用しており、木の太い枝の上で御飯を食べたり、寝たりして生活をしている。
レイコが家に入ると、両親が台所でお茶を飲みながら話をしていた。
レイコは、二人が大好きなハンバーガーとチーズバーガー、フィレオフィッシュバーガーを数個渡した。
レイコの父親「おお、レイコ、よく帰って来たなあ、どうだ、街の生活は慣れたか?」
レイコの母親「わあ、ハンバーガーありがと。エルフの村にもマックできないかしら。」
レイコ「街の生活は慣れて楽しいわ、いつでもマックが食べれるようになったら、お母さん、ハンバーガーに飽きるわよ。」
レイコの母親「夏祭りには行ったの?」
レイコ「うん、楽しかったわ。笹舟流しが3位で、黄金の笹舟まで、あと少しだったんだけどなあ。」
レイコの父親「ああ、あれは、族長が笹舟に金のスプレーを塗った笹舟だからなあ。」
レイコ「え?お父さんも知ってたの?私もモロ、族長が笹舟にスプレー塗ってるの、森で見ちゃった。」
レイコの父親「大人はみんな、知ってるさ、知らないとすれば、キミカさんのお父さんぐらいじゃないのか。」
レイコ「ハハハハッ納得。」
レイコは、両親としばらく話をして、また近々帰って来ると言って、家を出て、キミカの待つエルフの広場へと向かった。
エルフの広場に着くと、キミカがギンヤンマーバイクに、若いエルフの女子を乗せて、飛び回っていた。
キミカさん、次は俺を乗せて下さい、じゃあ、キミカさん、私は次の次に。何人かのエルフの若い男女が、ギンヤンマーバイクに乗るのを熱望していた。エルフのおばちゃん達は、笹舟流しの間に、夏祭りの片付けをかなり終わらせ、のんびりしながら、キミカが飛び回る様子を眺めていた。レイコは、キミカが若いエルフの男女を一通り乗せ終わるのを待った。
キミカ「ごめん、レイコ、お待たせ。じゃあ、そろそろ帰りましょう。」
レイコ「はい。」
キミカ「みんな、またね。」
キミカは、レイコをギンヤンマーバイクに乗せ、街に向かって飛び去って行った。
エルフのおばちゃん「また帰っておいで。」




