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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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黄金の笹舟(キャバクラサイド)

踊りが終わり、休憩時間となった。残すは最後のイベント、笹舟流しだけだ。笹舟流しの優勝者には、幸せになれるという黄金の笹舟が与えられる。キミカ、レイコ、メグミは、エルフの男達に貰ったタマムシを、近くの森に捨てに行った。


キミカ「シーッあれ、族長じゃない?」


メグミ「ほんとだ。」


レイコ「何してるんだろう。」


レイコ達は、音を立てずに少し近づき、茂みに隠れて耳を澄ませた。族長は、50代半ばのちょっと色黒い、筋肉質の中背の男だ。

族長「今回の金のスプレーは、染まりが悪いなあ、まあ、こんなもんでいいか、水にも落ちないと書いてあるが、一応、保護魔法をかけておこう、カッパを捕まえてもいいですか?シールド!!」

族長は、金のラッカースプレーで塗った笹舟に、バリア魔法をかけた。バリアの効果時間は、1日ぐらいで、小さな衝撃程度なら耐えれるが、大きな衝撃には耐えられない。


族長「よし、黄金の笹舟の出来上がりだ!!待ってろよ、みんな。」


族長は、みんなが待っている、小川の笹舟のスタート地点へと向かった。


キミカ「うわっモロ見ちゃった。」


レイコ「噂では聞いたことあったけど、なんかショックです。」


メグミ「族長は、錬金術が使えると聞いていたのに。」


キミカ「とりあえず、タマムシを逃がしましょう。」


レイコ達は、虫籠からタマムシを取り出し、逃がし始めた。


キミカ「この手作りの虫籠って、なんかレアよね。」


最初にタマムシをくれる人に、虫籠がないからちょうだいというと、大抵の人はくれる。中には、くれない人もいるらしいが、レイコ達は、いまだにそんな人には会ったことがない。

タマムシを逃がし終えると、レイコ達は、笹舟流しの小川へと向かった。小川は、幅が1メートル程で、笹舟流しにはちょうどいい頃合いの流れだ。


族長「みんな、集まったようだな、見ろ、これが幸せになれるという黄金の笹舟だ、みんな、笹舟が欲しいか?幸せになりたいか?」


エルフ達「おう。」


キミカの父親「うおおお、もう、鰹節のパック詰めなんてごめんだ!!俺は今日、黄金の笹舟を手に入れて、幸せになるんだ!!」


エルフ達「ハハハハッ」


キミカの父親の、人一倍大きな声の願いは、エルフ達の間で笑いが起きた。


キミカ「お父さん・・・・恥ずかしい。」


レイコ「鰹節のパック詰めって、大変みたいですね。」


メグミ「ライン作業はね。」


キミカ、レイコ、メグミも笹舟を作り、一応、参加することにした。

族長「では、みんな、私がよーいドンと言ったら、笹舟を小川に入れて、流すんだぞ、はい、並んで。コラッそこのおっさん、あんた前すぎだ、私より前に出るな!!」


エルフ達の中で、また笑いが起きた。


キミカ「お父さん・・・・。」


族長「では、よーい、ドン!!おい、ちょっとストップストップ、みんな、笹舟を早く拾え!!おい、コラッおっさん、お前、投げてんじゃねえよ、早く拾って来い!!次、何かやったら失格だからな!!」


また、あのおっさんか、やりたい放題だなあ、そんなに鰹節のパック詰めが嫌なら、辞めればいいのに。

エルフ達の中で、様々な文句の声があがった。


キミカ「お父さん・・・・恥ずかしい、もう死にたい!!」


族長「では、仕切り直して、よーい、ドン!!」


こうして、最後のメインイベント、笹舟流しが始まった。

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