俺の踊りを見ててくれ!!(キャバクラサイド)
エルフの広場では、夏祭りの準備が着々と出来ていた。
メグミは、広場にある大木でできたエルフキッチンで、野菜や肉を切らされ、エルフのおばちゃん達の指示を受けて、スープの味付けなどをさせられていた。
エルフのおばちゃんの1人が、叫んだ。
「キミカ、レイコ、こっちに来て手伝いな!!あんた達は、お客様じゃないんだからね!!」
キミカ「ゲロゲロ。」
レイコ「やっぱり、夏祭りなんか来るんじゃなかった。」
エルフの子供達ははしゃぎ、男達は、その場に座って話をしながら、料理ができるのを待っていた。
「レイコ、帰って来たんだね。」
レイコの元彼のシュンが、話かけてきた。
レイコ(うわっいきなり来た!!)
レイコ「あ・・・・ああ、うん、まあね。」
シュン「なんか、前よりもきれいになってる。」
レイコ「あ・・・・ありがとう。」
レイコ(あなたは変わってないわね、エルフ臭というか、嫌いじゃないけど草の匂いがするわ。)
シュン「レイコ、あのさ、」
エルフのおばちゃん「ちょっとレイコ、ジャガイモ小さく切りすぎ、あと、あんた邪魔、話は後にしてくれる?」
レイコ(おばちゃん、ナイスタイミング。)
エルフのおばちゃんは、シュンを押しのけた。シュンは、しぶしぶその場を去って行った。
作業を終えたキミカの周りには、若い男女のエルフ達が集まって、街での生活についていろいろ聞いていた。みんな、街で生活してみたいと思う一方、不安なので、やっぱりエルフの村に居ようかなあと悩んでいた。
キミカ「エルフの村なんて、いつでも帰って来れるじゃない、街においでよ、楽しいよ。」
若い男達は、キミカ、レイコ、メグミに釘付けになった。他の女のエルフ達に比べて3人の格好は、垢抜けていて綺麗だった。エルフの青年オサムは、これも時代の流れで、エルフの村の若い女が、街に出て行くのはしかたがないことだと思ったが、同時に危機感を感じていた。
オサム(街での生活に慣れれば、若い女のエルフ達は、おそらく夏祭りとかの行事があるときぐらいにしか、帰って来ない、いや、下手したら、もう永久的に帰って来なくなるかもしれない、エルフの村は、おばちゃんとババアだらけになってしまう。この現況を作ったのはキミカだ、というより、俺はキミカに夢中だ、キミカを俺の女にしたい、キミカが俺の女なら、俺の株も上がる、よし、俺の生命誕生の踊りで、キミカのハートを奪ってやる。)
オサムは、生命誕生の踊りで、今まで何人ものエルフの女を落としてきたと信じている。しかし、実はオサムは族長の長男なので、エルフの女達は断りにくく、しかたなしに付き合ったというのが本当のところだった。
エルフのおばちゃん「そこの不良娘達、料理を配るの手伝いな!!」
キミカ、レイコ、メグミは、男達に料理を配り、男達は料理を食べ始めた。エルフの女達も、料理を配り終わると、食べ始めた。オサムは、さっさと食べて、生命誕生の踊りをするための、ウォーミングアップを始めた。そして、ウォーミングアップをしながら、料理を食べているキミカに近づいた。
オサム「キミカ、俺の踊りを見ててくれ、今までで最高の生命誕生の踊りを、お前に見せてやる。」
キミカ「え?私に?フフフッありがとう、期待してるわ。」
オサム「よっしゃああああ!!」
オサムは、キミカに期待してると言われて嬉しかった、そして気合いを入れて、ウォーミングアップをしに、どこかへと消えた。
キミカ「ちょっと、今のなにあれ?あの人、族長の息子でしょ、女ったらしの、嫌だわ。」
レイコ「フフフッ生命誕生の踊りって、どんなのですかね。」
レイコのところにも、元彼のシュンがやって来た。
シュン「レイコ、もう一度、俺達やり直さないか?俺の燃え盛る地獄の洞窟の踊りを見て、もう一度、考え直してくれ。」
レイコ「え?」
シュン「返事は、踊りを見てからにしてくれ、じゃあ、また後で。」
シュンもまた、ウォーミングアップのためか、どこかへと消えて、いなくなった。
キミカ「ハハハッなに燃え盛る地獄の洞窟って?おかしくない?」
レイコ「おかしいですよ、絶対!!」
メグミ「二人とも、もてていいですね。」
キミカ「どこがよ、いい迷惑よ、全く。」
レイコ「そうそう、これだから、エルフの男はちょっとね。」
メグミ「さっき、タマムシいっぱい貰いました、こんなに貰ったの初めてです。」
レイコとキミカも、エルフの男達からタマムシをいっぱい貰った。
二人とも貰うときに、こんなもの要らないとは言えず、ついついありがとうと言って、貰ってしまった。
キミカ「後で、タマムシを捨てに行きましょ。」




