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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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母との約束(魔王サイド)

魔王の母は、惣菜を皿に入れ換えて、たくさんのおにぎりと一緒に、リビングのテーブルの上に並べた。


魔王の母「たいした物じゃないけど、どうぞ召し上がって下さい。」


シリウス「いえいえ、ほんとにすいません。」


魔王、シリウス、セナ、ケンジャノツエは、遠慮しながらも食べ始めた。カマエルとの闘いの後で、お腹が思った以上に減っていた。


魔王の母「タケト、魔王は何人倒したの?ちゃんと勇者の仕事してるの?全然タケトの話、聞かないわよ。お父さんはタケトに甘いから、あまり言わないけど、あなたは勇者なんだから、みんなに語り継がれるような伝説を作らないとダメでしょ、もっと頑張りなさい!!」


タケト「ああ、分かってるよ。」


魔王の母「いいや、分かってない。お父さんは、今じゃあ、あんなんだけど、少し前までは、ハエは汚いからと言って、地獄で魔王のベルゼブブを追いかけ回して、三途の川に飛び込ませたの。そしたら大魔王ルシファーが、それは酷すぎるんじゃないかって怒ってきたから、お父さんは、ルシファーを持ち上げて三途の川に投げ捨てたのよ、タケトもそれぐらいしないと。」


魔王の父が、勇者を引退してて良かったと、シリウスとセナは思った。


魔王の母「で、今日は泊まっていくの?」


魔王の父「泊まっていけよ、タケト。」


タケト「いや、明日予定があるから、今日は帰るよ。」


魔王の母「そう、あんまりツエちゃんの回復に頼ってちゃダメよ、魔王達だって回復できないんだから、タケトも回復なしで、魔王達を打ち負かすようにならないとダメよ。」


魔王の父「おいおい母さん、もういいじゃないか、せっかくタケトが帰って来たんだし。それに、結婚した頃は、わしは、けっこう母さんに回復してもらってたじゃないか。」


魔王の母「旦那を死なすわけにはいかないでしょ、それに年齢的なものもあったし。タケトはまだ若いんだから、若いうちからツエちゃんに頼ってたら、大成しませんよ。」


魔王の父「いやいや、でも母さん、何も回復の禁止をするこ・・・・。」


魔王は、父と母の会話に割って入った。


魔王「分かった分かった、分かったよ。回復はもう、しないようにするよ、それに俺、もっと頑張るから。ご飯も食べたし、そろそろ帰るよ。」


魔王は思った、明日になれば、魔王に戻るから、回復なしの約束はできそうだな、勇者としての大成は、たぶん無理だけど・・・・と。

魔王は、みんなが、テーブルの上のおにぎりや惣菜を食べ終えたのを見た。


魔王「じゃあ、みんな帰ろう、ポチ、帰るよ。」


ポチ「くぅ~ん。」


魔王「ああ、帰りたくないんだな、分かるよ。」


魔王の母「ポチ、何言ってるの、さっさと帰りなさい、タケトを守るのが、あんたの仕事でしょ!!」


ポチは、渋々立ち上がり、玄関にいる魔王達の後ろに並んだ。


魔王「じゃあ、また。たまには帰ってくるよ。」


魔王の父「おう、気をつけてな。」


魔王の母「次帰るときは、前もって連絡しなさい。」


魔王「分かった。」


そう言って、魔王は玄関を出て、巨大な三途の川に飛び込んだ。


セナ「え、飛び込むんですか?」


シリウス「みたいだなあ。」


続いてケンジャノツエが飛び込み、躊躇しながら、シリウスとセナが目をつむって飛び込んだ。そして最後に、ポチが飛び込んだ。

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