表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
49/271

治せない習性(勇者サイド)

シルビア「魔王様、とりあえず今日はこれで我慢して下さい。」


シルビアは、一番大きいサイズの白のショートパンツと、白のTシャツを買って持って来た。

ケンイチは、着替えるために食堂のトイレに行った。


ケンイチ「トイレで着替えるなんて、なんか女子高生みたいだなあ。」


服はかなりきつかったが、なんとか着れた。それから、魔王のビルを出て、シルビアの羽根アリバイクの後ろに乗せてもらい、天狗アリの昆虫人がいるオレンジの森へと向かった。ジョニーは、シルビアの荒い運転になんとか食らいつきながら、自分で飛んでいき、なんとかオレンジの森に着いた。オレンジの森の木々はオレンジ色で、300メートル程の茶色の天狗アリのコロニーが、何本か立ち並んでいた。夜になると、天狗アリのコロニーの表面に、シリモチピカリがへばりついて、天狗アリを食べるらしい。シリモチピカリは、蛍の昆虫人が成人になる前の反抗期の奴らだ。シルビアは、巨大白アリの肉を運んでいる、天狗アリの若い男に、社長の純一を呼んでくるように頼んだ。少しその場で待っていると、純一が、先程の若い天狗アリの男に連れられてやって来た。天狗アリの昆虫人は、頭に触覚、背中に羽根アリの羽根がある以外は、人と同じだ。純一は、黒髪で30代後半ぐらいのガッチリした男だが、実は50代で、ブルーのシャツに黄色のズボン、白のスーツを着ている。髪は染めて、若作りが趣味らしい。


純一「はあい、シルビアちゃん、俺と一緒にシリモチピカリを駆除して、それからデートしてほしいんだ。」


シルビア「駆除はいいんですけど、デートはちょっと。」


純一「かたい事いうなよセニョール、美味しい巨大白アリのステーキ奢ってあげるからさ。」


ケンイチ「以前にも似たようなことがあったが。」


純一「ペット?」


シルビア「魔王様です。」


純一「またまた。シルビアちゃん、ゴリラが魔王なわけないじゃない、シルビアちゃん、寂しいならいつでも言ってよ、こんなゴリラなんか飼わずに。」


ケンイチは、もう帰ろかなあ、こんな奴ら、蛍のヤンキーに食べられたらいいと思った。

なんとかシルビアの話で、ゴリラのケンイチが魔王だと理解してもらった。


純一「まあ、ここではなんだから、中に入ってお茶でも。」


ケンイチ達は少し歩き、純一のビルと思われるアリ塚のコロニーの中に入った。中に入ると、かなり大きな白アリに4人は乗り、最上階へと昇って行った。下を見ると、コオロギのおばちゃん達(顔がコオロギで体は人間)やショウリョウバッタのおばちゃん(顔がショウリョウバッタで体は人間)達が、荷物を押して歩いていた。


純一「このコロニーは、巨大白アリの肉を加工したり、パック詰めをする工場でね、若い奴らは、結婚するとすぐ、シリモチピカリに食われるから、最近では、バッタのパートのおばちゃんを雇ってるんだよ、それでも、人手不足なんだけどね。」


シルビア「ジョニー、雇ってもらえば?」


ジョニー「いやあ、ちょっと。」


純一「ジョニーさんは、キリギリスだろ?おばちゃんはともかく、バッタやコオロギの男は長続きしないんだよね、あまり、肉体労働をしたことないみたいだから、かなりきついみたい。アリの男は、長続きする人が多いから、男は、アリの昆虫人を採用するようにしてるんだ。」


ケンイチ「早い話が、若い奴らが、青かんを辞めれば済む話なんだよ。」


純一「そう思って、ラブホも建てたりしたんだけど、若い奴らはすぐ窓から外に出て、翔びながらエッチをしてしまうんだ、若気の至りって奴かな。これはもう習性だから、若い奴らを守るためにも、君達に、シリモチピカリを退治してもらわないとダメなんだよ。」


グラスランドシティは、巨大白アリの肉や、巨大白アリバイク、巨大白アリトラクターなどを世界各国に売って、生計を立てている者が多い。天狗アリは、白アリの飼育もしている。そのため、天狗アリの昆虫人とは、切っても切れない仲なのだ。しかし、天狗アリの青かん好きという性癖のために、シリモチピカリと闘うのはアホらしい。シリモチピカリには、シリモチピカリ専用のアリ塚を何個か与えているのだが、たまに大人になってないヤンキーのシリモチピカリ達が、刺激を求めて、天狗アリのカップルを襲うという事件が発生している。今回は特に酷いため、シルビアが出向くことになった。

4人は、最上階に着き、社長室に入った。

美人秘書の天狗アリが、すぐにお茶と、巨大白アリのステーキを持って来た。巨大白アリのステーキは、かなりおいしく、ついつい簡単に、ケンイチ達は依頼を引き受けてしまった。


純一「僕も手伝いたいんだけど、走光性で、ついつい光に向かっていってしまうから、下からシリモチピカリを弓で、撃ち落とすことにするよ。」


ケンイチ「羽根アリの羽根がほしいんだが、俺でも空に飛べるの、あるかな?」


純一「あるよ、確かに魔王君はでかいけど大丈夫、後で渡すよ。」


ジョニー「魔王君て・・・・。」


純一「シリモチピカリは、だいたい1コロニーに100人ぐらい付くから。」


ケンイチ「100人て、多すぎだろ。しょうがない、アイツを呼ぶか、俺の同期を。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ