ケンジャノツエと過去(魔王サイド)
魔王「さっそくだけど、みんなを回復してもらえる?」
ケンジャノツエ「分かりました。」
ケンジャノツエは、右手を上げて、
「明るい未来に乾杯!!」
と、魔法を唱えた。ポチとセナが立ち上がり、家からシリウスが出てきた。
魔王「魔法の範囲が広いなあ、さすがケンジャノツエだ。」
セナ「おお、生きてたようだ、もう死んだかと思った。」
シリウス「往復ビンタは、ナーガにブルマをむりやり履かそうとして以来だな、今回のビンタは酷かった。それはそうと、お前ら誰だ?」
魔王「シリウス、俺だ、魔王だ。」
シリウス「はあ?」
魔王は、シリウスとセナに、満月を見て勇者に戻ったこと、大天使カマエルのこと、ケンジャノツエで、みんなを回復させたことなどを話した。
シリウスは、突然、ケンジャノツエのストライプスカートをめくった。
ケンジャノツエ「なにするんじゃ、クソジジイ!!玉手箱に乾杯!!」
シリウスは、白い煙に囲まれて、年老いた寝たきりのお爺さんになった。
魔王「おいおいシリウス、何やってんだよ。」
シリウス「以前、黒のブルマを履くと、魔力が上がるという噂を聞いたことがあります。だから、ケンジャノツエも、黒のブルマを履いてるんじゃないかと思い・・・・それに、さっき魔王様が、姿・形は人間だが、杖だと言いました。だから、大丈夫だと思って・・・・ああ苦しい、話すだけで、かなり苦しい。」
魔王「ツエちゃん、元に戻してやってもらえないかなあ、シリウスは、本気でそう思ったんじゃないかと・・・・。」
ケンジャノツエ「今回だけですよ、若者に乾杯!!」
シリウスは、元の年齢に戻り、立ち上がった。
シリウス「やはり、黒のブルマと魔力は関係なしか、それにしても、年を取る魔法を使うとは。」
セナ「魔王様が、勇者として魔王城に攻めて来たその夜、俺は勇者の魔王様に、さんざん魔法の土の手で殴られて、これは勝てないと思って逃げて、そのままデビルマリンタウンに飲みに行ったんですよ、そしたらぼったくられて、最悪でしたよ。」
シリウス「あの夜は、勇者の魔王様と以前の魔王様の闘いの最中に、泥棒する奴が多くてですなあ、私もその頃付き合ってたヴァンパイアの女に、魔王城の地下に一緒にお宝を盗みに行こうと誘われて行ったんですよ、で、まあ、宝箱1個持ち運んでたら、途中でヴァンパイアの女が血が欲しいとか言い出して、血を吸わしてやったら、そのまま貧血で倒れて、気がつけば宝箱がなくて、その女ともそれっきりですわ。」
魔王「そうそう、魔王を倒した後、魔王城の中をうろうろしたけど、あんまり宝箱がなかったよ、なんで?魔王だから金一杯持ってるんじゃないの?って思った。」
セナ「まさか、勇者の魔王様が、そのまま住み着いて、そのまま魔王になってしまうとは。まあ、おかげで、魔王城しかなかった魔物の村が、デビルタウンになったんですけど。」
魔王「いやいや、セナ、金がないからどこへも行けなかったんだよ、ポチと腹へって、魔王城をうろうろしてたら、オークのおばさんが、おにぎりをくれてなあ、魔物も悪くないじゃんって思ったのが、魔王になるきっかけだったかなあ、今思えば。」
シリウス「とりあえず、デビルタウンに帰りましょう。」
ケンジャノツエ「では、私が。デビルタウンに乾杯!!」
魔王、シリウス、セナ、ポチ、ケンジャノツエは、薄緑色の光に包まれ、デビルタウンへ着いた。




