激突(後編)キャバクラサイド
ケンイチ「おい。そこのゴリラ、森へ帰れ。お前にレイコは100年早いぜ。」
魔王「ん?俺に言ってるのか。」
ケンイチ「そうだよ、お前しかいないだろ、田舎者のゴリラは。」
魔王「いい度胸だ、お前の名は?」
ケンイチ「俺はケンイチ、勇者のケンイチだ。」
魔王「なんだと!!勇者がゴリラというのは本当だったのか。俺は魔王だ、俺の部下を何人もやりやがって!!表へ出ろ!!この野郎、ぶっ殺してやる!!」
ケンイチ「なに?お前が魔王なのか、魔王がゴリラというのは本当だったのか。デビルタウンに行く手間が省けたぜ、望むところだ!!ぶっ殺してやる!!」
レイコ「ちょっと、二人ともやめてよ。」
ケンイチ「女は黙ってろ。」
魔王「女は引っ込んでろ。」
そう言って、2匹のゴリラはキャバクラを出て、店の前の通りで殴り合いを始めた。
レイコは、2匹のゴリラに怒鳴られて腹が立ち、勝手にすればいいと思った。
通りを歩いている人、キャバクラにいる人、その近辺の店や住んでいる人みんなが、二人の喧嘩に夢中になり、さらに喧嘩をしているのが、勇者ケンイチと魔王というのを知って、さらに盛り上がった。
道端にギャラリーが増え、50人ぐらいの人だかりができた。セナとセイジも二人の喧嘩を見守っていた。
キャバクラの客1「さすが勇者と魔王の闘いだぜ、すごい迫力だ。」
キャバクラの客2「男が拳で語るっていうのは、こういうことを言うんだな。」
カオル「熱い、熱いわこいつら、本当に熱すぎる男達だわ。」
レイコ「みんな、何言ってるの?ただのゴリラの殴り合いじゃない。」
唯一、レイコだけが冷静だった。
二人は10分ぐらい殴り合い、強さは互角だった。
ケンイチ「さすが魔王だぜ、こんなに強い奴は初めてだ、次の一撃に全てをかける!!」
魔王「俺を本気にさせるとは。さすが勇者だな、次が最後の一撃だ、行くぞ!!」
ケンイチ「ゴリラパンチ!!」
魔王「ゴリラパンチ!!」
二人のパンチは互いの顔をとらえ、相討ちでダブルノックアウト、二人とも同時にその場に倒れた。