さらば デビルタウン メリダ
プロ野球選手・サファリス「3連続ヒット!!どうやら、お前の魔力より、俺のプロの技の方が勝っているようだな。やはり、お前は魔法使いではなく、プロ野球選手になるべきだったんだ!!」
魔王・サファリス「魔力・・・・そうだ!!」
サファリスは、プリーツスカートの右ポケットから、魔王の証を取りだし、それを首にかけた。
魔王・サファリス「確か、魔王の証は魔力がかなり上がると、ケンイチさんが言っていた。魔王の証を作ってから、魔王になった人達は、剣士と忍者だけだ。だから、みんな、この魔王の証をポケットにしまっていたんだ。」
プロ野球選手・サファリス「そんなネックレスをしたところで、お前は俺を打ち捕ることはできない!!お前も太陽系も、ここで終わりだ!!」
魔王・サファリス「お前が終わりだ!!打てるものなら打ってみろ!!喰らえ!!超グラビティーボール!!」
サファリスはセットポジションから、さっきよりドス黒い、重そうな球を投げた。
プロ野球選手・サファリス「プロに同じ球は通用しない!!確かにさっきより球威があるが、もらった!!」
魔王・サファリス「なに!!俺の全力投球が!!」
打球は、ライト方向に勢いよく飛んで、広場を飛び出した。まさに、ホームランせいの当たりだった。
魔王・サファリス「終わった・・・・何もかも・・・・太陽系も地球も・・・・みんな、すまない・・・・俺が魔法使いなんかにならず、プロ野球選手になっておけば、こんなことにならなかったものを・・・・。」
プロ野球選手・サファリス「いや、お前の勝ちだ。今の当たりは、ライトのファインプレーからの、レーザービームでホームベースアウト。キャッチャー3塁送球アウトで、トリプルプレーだ。俺の完敗だ!!」
魔王・サファリス「は?お前、何言ってるんだ?今のは明らかに場外ホームランだろ。球が広場を飛び出て、道路に転がってるじゃないか。」
プロ野球選手・サファリス「まさか、ライトにあの伝説の51番が守っているとはな。素人のお前には見えないだろうが、プロの俺には見える!!51番が、横っ飛びで俺の打球を捕った姿が!!俺の完敗だ!!ナイス・ボール!!さすが、魔法使いの俺だ!!」
そう言って、プロ野球選手・サファリスは消えた。そして、地面にヒビが入り、神社が崩れ落ち始めた。
魔王・サファリス「なんだかよく分からないが、俺の勝ち?のようだな。」
そう言いながら、サファリスは時計台に乗って、神社を脱出した。崩れゆく神社を時計台から見ながら、サファリスは呟いた。
魔王・サファリス「さて、これからどうしたものか。もう地球にも戻れないし、このまま宇宙を漂流しながら、時計台の中で死ぬだけだ。食物もないし、自殺でもするか。」
サファリスは、自分自身にヘルファイアを唱えようとしたとき、魔王石から若い女の姿が現れ、話しかけて来た。
女「私はメリダ。シボラとキビラの妹よ。あなたのいる時計台の真下にいるわ。時計台を噴水広場の隣に着地させて。」
魔王・サファリス「妹?いったい何人兄弟なんだよ。で、なぜここに?」
メリダ「詳しい話は後で。とりあえず、時計台を着地させて。」
魔王・サファリス「分かった。」
サファリスは時計台をメリダに着地させ、それをメリダは確認すると、アプリ・モニカを起動させて、太陽系の月へ移動した。
巨大ブラックホールは消えてなくなり、太陽系は、カミノケ座銀河の一員として、銀河の中を周り続けることとなった。
メリダもまた、キビラから手紙を貰っており、アプリ・モニカでここまでやって来た。モニカから、シボラとキビラは消滅したことを聞き、帰ろうとしたが、メリダの部屋の魔王石達が煌々と光り騒ぎ、この場所に誘導させたらしい。
メリダは月で、シボラとキビラの少し後ろにある、メリダ専用の着地場所に着地した。
サファリスは、デビルタウンと同じ作りである、メリダの噴水広場からマンホールを降りて、メリダの部屋の中へ入って行った。そこには、若い長い茶髪の女のホログラフィーが立っていた。
メリダ「こんにちわ、素敵なネックレスね。そのルビーは、魔王石の中の魔王石。どうりで、私の部屋の魔王石達が騒ぐはずだわ。」
魔王・サファリス「あなたがメリダか。さっきはありがとう、助かった。早速で悪いんだが、月の街にいる皆を、地球へ連れて帰りたい。」
メリダ「分かったわ。じゃあ、今から月の地下街と私の地下街を繋げるから、あなたは、地球に帰りたい人を集めて。」
魔王・サファリス「分かった。」
サファリスは、時計台まで歩いて2階へ上がり、魔王石の前で放送を始めた。
魔王・サファリス「ピンポンパンポン!!ただいまから、約2時間後ぐらいに、地球へ帰ります。帰りたい人は、地下街を通って、時計台前か噴水広場に集合して下さい。遅れた人は、放って帰ります。みんな!!地球へ帰るぞ!!」




