明けない夜(キャバクラサイド)
魔王「10分間も暇すぎるわ。」
シリウス「魔王様、衛兵達がやって来てます。」
魔王「暇潰しができそうだな。」
やる気のない衛兵達が3人やって来た。
衛兵1「ゲッまだ魔王の奴、いやがる。」
衛兵2「本部が、別件で応援にいけるかどうか分からないんだと。魔王が相手だから、やばくなったら逃げてもいいって。」
衛兵3「まじで?うわっケルベロスまでいるぞ。」
シリウス「ブラックファイヤ!!」
シリウスが杖代わりにしているプラスティックの孫の手の先から、黒い火の玉が飛び出し、3人の衛兵達に当たった。
衛兵達は、黒い炎を消そうと転げ回ったが、黒い炎は消えず、あっという間に全裸になった。
シリウス「ブラックストーム!!」
シリウスの孫の手の先から、黒い霧が現れ、その霧は3人の衛兵達を包み込んだ。衛兵達は、両手で両膝を抱え込み、頭をうずめて丸くなった。
シリウス「魔王様、人間ボールが3個出来上がりました。」
魔王「ご苦労。よし、リフティング大会をしよう。」
魔王、セナ、シリウスは、人間ボールでリフティングをし始めた。
衛兵達は、痛い、やめてくれ、助けてくれ、などと叫んでいた。
セナ「よし、15回出来ましたよ!!」
魔王「なに?15回だと?」
シリウス「やっぱりセナは、サッカーが上手いなあ。」
魔王「ん?ポチ、暇そうだな、ちょっとキーパーしろ、この壁のあの線とこの線がゴールポストな。行くぞ、ゴリラドライブシュート!!」
衛兵2「グワッ」
ポチは横っ飛びでパンチングをして弾いた。
衛兵2の背中に、ポチの爪が少し刺さった。
魔王「さすがポチ、名キーパーだぜ!!」
セナ「じゃあ、ポチ、次は俺だ!!」
リームとキャバクラ店長、レイコ、ヒトミ、ポップマキ、ピナ、店内のカオル率いるキャバ嬢や客達は、魔王達のサッカーの様子を見ていた。
あいつら正気じゃない、魔物は残虐すぎる、やっぱり魔王は恐い、等の言葉が飛び交った。
キャバクラ店長「リームさん、どう?いけそうか?」
リーム「ああ、大丈夫だ。俺がなんとかしないと、あの衛兵達が死んでしまう。」
キャバクラ店長「魔王さん、試合再開しますよ。」
魔王「この人間ボール、もうダメだろ、これもダメそうだな。」
シリウス「こっちのもダメですね、もうサッカーできませんねえ。」
衛兵達は、生きてるのか死んでるのか分からず、目を閉じてぐったりしている。
キャバクラ店長「魔王さん、早く来て下さい。試合始めますよ。」
魔王「分かった分かった、すぐ行く。」
魔王「リームを今からぶちのめすから、あいつを人間ボールにしよう、いや、あいつはバッタだから、虫ボールとでも言うべきか。」
シリウス「そいつは名案ですな。ククククッ」
キャバクラ店長「それでは、第3ラウンド、残り2分半です、ファイト!!」
リームは体力が回復し、動きが良くなった。
しかし!!
リーム「な、なに?こいつ、ローキックを撃ってきやがる!!」
魔王のリーチの長いパンチとローキックのコンビネーションで、リームは防戦一方。
魔王「リーム、お前でサッカーしてやるぜ!!」
リーム「クソッ」
リームがローキックを放った瞬間、魔王のカウンターのゴリラストレートが、リームの顔面にもろ入った。
キャバクラ店長「ああ・・・・。」
リームはその場に倒れ、気を失った。魔王は、リームの足を持ち、ひきずって、シリウスの元へと歩いて行こうとした。
キャバクラ店長「ちょっとちょっと、魔王さん、リームさんをどうするつもりですか?まさか、リームさんでサッカーする気ですか?」
魔王「そうだ。」
キャバクラ店長「それはちょっと、勘弁してもらえませんか?うちの常連さんですし。レイコからもほら。」
魔王「うるさい!!」
魔王は、キャバクラ店長を殴った。店長はふっ飛んで気絶した。
魔王「おーい、新しいボールだ。シリウス、頼む。」
シリウスは、リームを虫ボールにした。
魔王「おお、さすがバッタの人間ボール、よく跳ねる!!」




