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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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さらば デビルタウン  自分との闘い

サファリスは、時計台の2階の窓際から、要塞都市・イスの無数の砲台を呆然と立ち尽くして見ていた。


魔王・サファリス「デビルタウンが消滅してしまった・・・・もう、俺は地球には帰れない・・・・でも、太陽系を守らなくては!!地球を、みんなを守らなくては!!」


サファリスは、要塞都市・イスを見ながら、ミジンコやゾウリムシを想像した。要塞都市・イスは変形をし始めた。


魔王・サファリス「よし。あの厳つい街が変形し始めたぞ。ミジンコかゾウリムシのどちらかになるに違いない!!時計台で踏み潰してやる。」


要塞都市・イスは変形を終え、サファリスの見覚えのある小さな神社になった。


魔王・サファリス「この神社は、俺が子供の頃によく、野球をしていた神社だ。しかし、なぜ神社に変化したんだ?俺はミジンコやゾウリムシの事しか考えてなかったのに!!この神社に、ミジンコかゾウリムシがいるってことか?」


サファリスは、時計台の2階へ上がり、魔王石を操作して神社に向かった。

神社に時計台を着陸させ、外に出ると、青空が広がっており、神社の入口に駒犬が2匹、赤い鳥居の両端に据えられていた。子供の頃見た景色と全く同じだった。神社の隣には広場があり、この広場でサファリスはよく野球をしていた。バットはプラスチックで、ボールは庭球というグローブがいらない野球をしていた。


サファリスは、早速、ミジンコやゾウリムシを探し始めた。


魔王・サファリス「ミジンコやゾウリムシは、いったいどこにいるんだ!!早く踏み潰さなければ、太陽系がブラックホールに呑み込まれてしまう!!」


神社にはいそうもなかったので、広場に行って探していると、甲冑を着て、プラスチックのバットと庭球を持ったサファリスが現れた。


魔王・サファリス「お、俺?なんで俺がここにいるんだ?」


サファリス「お前は幼少期にここで野球をし、その時ピッチャーをしていた。ツーアウトランナー満塁。お前は、まさかの押し出しフォアボールで負け投手となり、責任を感じてそれ以来、野球を辞めたんだ。お前はそれまで、プロ野球選手になるのが夢だったんだが、その日から、魔法使いになると決め、そして魔法使いになった。」


魔王・サファリス「確か、あの時は、負けた方が勝った方の言うことを聞くとかだったっけ?」


サファリス「そうだ。それで、お前と同じチームだったコータ君は、好きな人の名前を言えとか言われて、コータ君は答え、次の日、小学校では瞬く間にその話が広がり、コータ君は逃げるように転校して行った・・・・思い出したか!!」


魔王・サファリス「うぅ・・・・コータ君には悪いことをした。俺が押し出しフォアボールをしたばっかりに・・・・で、お前は何だ?」


サファリス「俺は、プロ野球選手になったお前だ!!あの時、野球を辞めず、そして魔法使いにもならず、ひたすら野球に明け暮れ、そしてプロ野球選手になったお前自身だ!!太陽系を救いたかったら、俺からアウトを捕ってみろ!!」


甲冑を着たサファリスは、魔王・サファリスに向かって庭球を投げ、サファリスはそれを受け取った。


プロ野球選手・サファリス「魔法を使った球を投げてもいいぜ!!俺はプロだからな、どんな球でも打って見せる!!まあ、俺はプロだから、譲歩してやるよ。1点取ったら俺の勝ち、ワンアウトでお前の勝ちだ。」


魔王・サファリス「キャッチャーも守備もいない、子供ルールの野球か。」


プロ野球選手・サファリス「そうだ。お互いフェアでいこう。」


サファリスは、早速構えて魔法を唱え、庭球を投げた。


魔王・サファリス「ファイアーボール!!」


サファリスは、炎の纏った球をプロ野球選手のサファリスの膝元ぐらいに投げた。


プロ野球選手・サファリス「甘いぜ!!プロをなめるな!!」


打球は三遊間辺りを物凄いスピードで抜けていった。


プロ野球選手・サファリス「今のはヒットだな。1塁に透明ランナーだ。」


魔王・サファリス「クソッ今のは流石にサードゴロとは言えない痛烈な当たりだな。」


サファリスはセットポジションになり、構えて素早く投げた。


魔王・サファリス「ライトフラッシュボール!!」


サファリスは、目に見えないぐらい眩しく、輝くボールを投げた。


プロ野球選手・サファリス「甘いぜ!!プロをなめるな!!」


打球は一・二塁間辺りを物凄いスピードで抜けていった。


プロ野球選手・サファリス「今のもヒットだな、透明ランナー1・2塁だ。」


魔王・サファリス「クソッ流石に今のは、セカンドゴロとは言えない痛烈な当たりだ。いったい、どんな球を投げればいいんだ?何を投げても打たれるような気がする。」


魔王・サファリスは、少し悩んだ末、セットポジションから球を投げた。


魔王・サファリス「これならどうだ!!グラビティーボール!!」


サファリスは、どす黒い重そうな球を投げた。


プロ野球選手・サファリス「甘いぜ!!プロをなめるな!!むむ・・・・なんて重い球なんだ!!しかし、打てない球ではない!!」


打球はサファリスの図上を越えて、セカンドとセンターの間ぐらいに落ちた。


プロ野球選手・サファリス「今のは、センター前のポテンヒットだな。これで、透明ランナー満塁。」


魔王・サファリス「確かに今のはセンター前のポテンヒットだ。セカンドフライとは言えないな。しかし、勝機が見えた。こいつを打ち取るには、このグラビティーボールしかない!!」

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