さらば デビルタウン ログインボーナス
モニカ「そこを真っ直ぐ行って、えっと、あの緑の大きな星の
近くにワームホールがあるから、そこをくぐって・・・・で、どこだったかな・・・・。」
魔王・サファリス「おいおい、モニカ。しっかりしてくれ。この宇宙はお前が作ったんだろ?」
モニカ「部屋から見たら分かるんだけど、あなた達の次元に来て見てみると、広くて分からないわ。」
シボラ「以前、トノサマの星図をダウンロードしたから、それを見れば分かるのでは?」
シボラが、キビラの部屋の空間に星図を表示させた。
モニカ「う~んと、この星図だとこの辺り。ここを拡大させてと。」
モニカは目力で画面を動かして、拡大させた。
モニカ「ここに小さいブラックホールがあるんだけど、このブラックホールが心臓よ。」
魔王・サファリス「ブラックホールの中のブラックホールかよ。モニカ、ブラックホール作りすぎだろ。」
モニカ「一時期、ログインボーナスでブラックホールを毎日、1000万個配布されてたことがあったの。だから、この宇宙はブラックホールだらけなのよね。因みに、このブラックホールは星を吸い込むんじゃなくて、思考を吸い込むの。で、それに変身するという、超レアな星10000のブラックホールなの。」
魔王・サファリス「ログインボーナスって、俺達は、モニカのゲームの中の存在だったのか!!なんだよそれ。因みに俺は星幾つだ?」
モニカ「サファリスは・・・・分からない。鈴虫飼ってたら、自然に小蝿がいっぱい沸いてるでしょ。あんな感じかな。」
魔王・サファリス「まじかよ!!俺は、そんなちっぽけな存在だったのか!!じゃあ、シボラとキビラはどうなんだ?」
モニカ「そうね。彼らは虫籠が進化しまくって、カラオケボックスになったって感じかな。いずれにしても、あなた達は、星1にもとどかないわ。とりあえず、このまま進んで、そこのワームホールに入って。その間に私は、自分の部屋に戻って、心臓にあなた達を接近させるわ。」
シボラとキビラが合体した街は、少し陽炎じみた空間・ワームホールに突入し、そこから出ると、シボラが点滅をし始めた。
シボラ「どうやら、この辺りに心臓のブラックホールがあるみたいだ。」
キビラ「兄貴!!」
シボラ「キビラ、久しぶりに会えてよかった。もし生まれ変われるなら、次は、なんでもいいから生物がいいな。そんなに遠くに行けない、小さな生物が。」
キビラ「確かに、宇宙を自由自在に行き来できるばっかりに、俺達は会う機会が余りなかった。そうだな、以外と井の中の蛙がいいのかもしれん。宇宙を知ったところで、俺達は何も変えられないのだから。」
シボラ「じゃあな。キビラ、それからサファリス。モニカのゲームの中でも、お前達は生きている。お前らの気持ちまでは、モニカは変えられない。」
そう言うと、シボラは、テレビが突然停電で消えたようにいなくなった。
キビラ「そ、そんな!!あまりにもあっけなさすぎる!!」
魔王・サファリス「俺達は、星1にも満たない存在だから、最期もそんなもんなんだろうなあ。」
キビラとサファリスが落ち込んでいると、サファリスの肩に、マトリョーシカ人形のモニカが現れた。
モニカ「心臓をブラックホールにしたのは、心臓隠しのためよ。ブラックホールなら見えないでしょ。じゃあ、2人とも、あのリングになった黒い所を見て。」
キビラとサファリスは、黙って言われたまま、そのリングを見ていると、リングが巨大な要塞都市に変化した。丸い惑星のような都市の表面には、無数の砲台を据え、その要塞都市の大きさは、木星程だった。
モニカ「これは、キビラの頭の中に思い浮かんだ伝説の街・イスね。宇宙最強の攻撃特化の街で、砲台から発射される反陽子ビームは、ブラックホールをも、一撃で破壊する。あなた達、終わったわね。健闘を祈るわ。」
モニカはそう言うと、消えていなくなった。
魔王・サファリス「おいおい、キビラ。お前、なに想像してるんだよ!!こんな状況で、そんな恐ろしい街、想像してるんじゃねえよ!!」
キビラ「ついつい頭の中に、思い浮かんでしまった。宇宙のあらゆる物を破壊する街のことを。一目でいいから見てみたいと思っていたんだが・・・・サファリス!!今すぐ、時計台でこの街から脱出するんだ!!早く!!」
魔王・サファリス「なんだよ、それ。お前もそれなりに戦えるんじゃないのか?伝説の街・シボラとキビラのキビラだろ?」
キビラ「無理だ。兄貴や俺は、移動特化の街だ。魔王砲じゃ話にならない。さっきから、ワープをしようとしてるんたが、ここは空間に穴が空かないんだ!!」
魔王・サファリス「ブラックホールから脱出できるんだから、逃げれるだろ!!」
キビラ「兄貴と俺は、重力の影響を無効化できるだけ。イスは、目標を破壊するまで、どこまでも追いかけて来る!!脱出して俺がやられたら、イスを見て、お前が勝てそうな物を想像しろ!!ミジンコとかゾウリムシとか。さあ、早く!!時計台で脱出するんだ!!」
伝説の街・イスの無数の砲台から、反陽子ビームが発射され、キビラは何とかかわし続けた。サファリスはマンホールを上がって、時計台まで走り、なんとか中へ滑り込んだ。
キビラ「もうダメだ!!これ以上はもう、かわしきれない!!」
ドカーン!!ガガガガガ!!ドカーン!!
シボラとキビラが合体した街は、伝説の街・イスの反陽子ビームを1発くらい、大爆発をして一瞬で消滅した。サファリスの乗った時計台は、間一髪街から切り離され、イスの周りを漂っていた。




