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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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MOON'S QUEEN  デビルタウンの文化

ケンイチとシャカが倒れている路地に、ミチル達の列ができつつあった。


ミチル「どいてどいて!!」


本物のミチルが、ミチル達を押し退けて、ケンイチの元へやって来た。


ミチル「いいわよ、ゴリラさん。一緒に月へ行きましょう。」


ミチルがそう言った瞬間、天竺の街並みは消えて、元の草だけ生えた空地に戻った。近くには、ケンイチに殴られて、仰向けに倒れているシャカの姿があった。


戦人・ケンイチ「この大陸の最北端に、金庫の錠のようなダイヤルがあるらしい。まずは、そこへ行かないと行けない。」


ミチル「いいわよ。じゃあ、私のオニヤンマーバイクで行きましょう。」


ミチルが指笛を吹くと、体長3メートルほどの巨大なオニヤンマーがやって来た。ミチルはそれに股がり、ケンイチに自分の後ろに乗るように指差した。


ミチル「ゴリラさん、乗って。」



      一 月 ピリューエル 一



コジローが雑貨屋から出て来て、シボラに言った。


魔王・コジロー「カッパは10個しかなかったから、とりあえず10個買っておいた。で、レイコ玉ってやつを、お釣り代わりに1個貰った。」


シボラ「ほう。そんなのも売っていたのか。レイコ玉1個あれば、なんとかなるだろ。」


魔王・コジロー「このカッパ、邪魔だな。シボラは、レイコの雨を喰らっても大丈夫だよな?」


シボラ「私はホログラフィーだからな。その代わり、何もできないが。」


コジローは、明菜、葵、空、ルイにカッパを渡し、残りの6個を魔王の騎士達に渡した。そして、デビルタウン一行は、再び歩き始めた。一行は歩いてばかりで、少し腹が減ったので、途中、先程薬を配っていた、空を飛んでいるアンドロイドの1人に声をかけ、水と昼食代わりの錠剤を貰って飲んだ。そして、少し休んで再び40分ほど歩いて、地上へ上がる階段が現れた。


シボラ「これを上ったら到着だ。」


デビルタウン一行は、シボラの後について階段を上り、地上へ出た。月の地上は真っ暗で、遠目にレイコのいる街サギンスと、向かい合ってピリューエルの地上の街の明かりが灯っていた。正面には、虹色の輝く透明の、巨大なクリオネの姿があり、それを見てデビルタウン一行は驚いた。


デビルタウン一行「うおっなんだ!!この化け物は!!」


「おいおい、魔物がいるじゃないか!!」


「喰われる!!逃げろ!!」


副隊長・明菜「魔王の騎士達、前へ!!希望のライフルを構えろ!!」


副隊長・明菜率いる魔王の騎士達が、月人病の人達の前へ出て来て、希望のライフル・レプリカを構えた。


魔王・コジロー「待て!!これがスーパーコンピューター・イザナミだ!!」


副隊長・明菜「魔王様、なぜそうだと?」


魔王・コジロー「さっき、シボラに画面で見せてもらった。」


シボラ「そうだ。これがスーパーコンピューター・イザナミだ。」


月人病の人々「これが?全然コンピューターっぽくないじゃないか!!」


「もろクリオネじゃないか。」


「そのナリで、イザナミとか名乗るなよ。おばQぐらいにしとけや。」


デビルタウン一行が、イザナミの見た目をいろいろ批判していると、イザナミが怒鳴った。


スーパーコンピューター・イザナミ「じゃかましい!!このクソガキ共が!!普通、本人の目の前で悪口を言うか?そういうことは、陰で言うもんだろ?普通。」


月人病の人々「分かってないなあ。本人の目の前で悪口を言うのが、デビルタウンの文化だ!!」


「おうよ!!デビルタウンに腹黒な奴はいねえ。本音を言うから、毎日殴り合いの喧嘩が絶えないけどな。」


「確かに。俺達もそろそろ、陰口を文化に取り入れないとな。」


スーパーコンピューター・イザナミ「お前らの文化の話なんかどうでもええわ!!それより、何しに来たんだ?私に何か用か?」

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