MOON'S QUEEN 僕だけがいる街
サファリスのデビルタウン放送を聞いて、100人程度の月人病の人々が、噴水広場に集まった。それらの人々を守るため、50人の魔王の騎士達が集められ、その中には、コジローの弟子である葵、空、瑠偉と、副隊長・明菜がいた。
サファリスは、コジローの弟子3人に向かって叫んだ。
サファリス「お前ら、なんだ!!その青い道着は!!」
大柄で20代の男・葵が答えた。
葵「これは、コジロー先生から頂いた道着です。」
青い道着の背中には、"疾風"と太い黒字で書かれていた。
サファリス「ったく、魔王様は街の税金でこんなもの作りやがって!!卑弥呼って女のうどん屋まで建ててやったようだが。」
小柄な10代の女子・瑠偉「卑弥呼さんのうどんは美味しいです。おそらく、世界一いや、宇宙一美味しいです。」
サファリス「ったく、宇宙一だかなんだか知らないが、どんだけ私用で税金を使うつもりだ!!こうなったら、俺も魔王になって、世界中のパンティーを買い集めてやる!!」
普通の20代の男・空「サファリスさん、おそらく、あなたは宇宙一の変態です。」
サファリス「お前なあ、初対面の人に向かって、普通、宇宙一の変態とか言うか?一番、魔王様の弟子の中で普通なお前から、まさかそんな言葉を聞くとは。」
空「もう一度言います。サファリスさん、あなたは宇宙一の変態です。」
サファリスは少しキレ、月人病の人達に向かって叫んだ。
サファリス「やかましい!!黙れ!!オラッお前ら!!一列に並んで、さっさとここのマンホールの中に入って、下に降りろ!!行くぞ!!」
サファリスを先頭に、噴水広場に集まった人々は、次々とデビルタウンの地下街へ降りて行った。
一 賽の河原 一
ケンイチと鬼王は、空から降って落ちたダイガクイモを拾って三途の川で洗っていた。鬼王は、ケンイチがダイガクイモを洗っているのをチラ見した。
鬼王「クククッこいつは今、ダイガクイモを洗うのに夢中だ。今ならやれる!!今こそ、俺の汚点を抹消するときだ。」
鬼王は、そっとその場を離れて金棒の置いてある所まで行き、それを拾って、こっそりとケンイチの背後へ忍びよった。そして、金棒を振りかぶって、ケンイチの頭めがけて振り下ろそうとした。
鬼王「な、なに!!腕を振り下ろせない!!体が思うように動かない!!こ、こいつ!!いつの間にか青いゴリラになってやがる!!」
ケンイチは、金棒を振り下ろそうとしている鬼王を見て、深いため息をついた。
大悪党・ケンイチ「バレバレなんだよ、お前の考えてることは。ゴリラパンチ!!」
鬼王「グワアアアア!!」
鬼王は、ケンイチのゴリラパンチを顔面にモロくらい、2mほど吹っ飛んだ。しかし、鬼王は金棒を地面に立てて、体中をブルブル震わせながら、なんとか立ち上がった。
鬼王「お前がどんなスキルを使っているのか分からないが、どうやら、お前に直接触れることはできないみたいだな。ならば、触れずに倒すまでだ。喰らえ、僕だけがいる街!!」
鬼王とケンイチの周囲の河原の地面から、無数の金棒を持った鬼王が現れた。
大悪党・ケンイチ「クッウォーリーを探せみたいな技を使いやがって。」
無数の鬼王達は、一斉にケンイチに向かって金棒を振り回して来た。
鬼王達「死ね!!青ゴリラ!!」
「こいつはアオダイショウならぬ青ゴリラだ!!アオダイショウは同じ蛇を食べるから、コイツも同じゴリラを食べるに違いない!!」
「なに!!共食いをするなんて信じられないぜ!!そんな奴は死刑だ!!」
「人間が人間を食べるようなもの。コイツはモラルのないゴリラだ!!」
大悪党・ケンイチ「ゴリラにモラルはないだろ!!逆に、モラルがあるゴリラがいるなら、そいつを連れて来い!!」




