MOON'S QUEEN 厄介な月人病(つきびとびょう)
モニカ「だいたいこの辺りね、黄金都市・シボラ着陸!!」
ゴゴゴゴゴ!!ズシーン!!
月の表面上に、ちょうどデビルタウンの街の形をした穴ボコに、パズルのピースのようにぴったりとおさまって、着陸した。
モニカ「さあ、着いたわよ。」
魔王・コジロー「え?着いたって早すぎだろ。ほんとは地球じゃないのか?ここは。」
モニカ「地上を見てみれば分かるわ。」
卑弥呼のホログラフィーが消えて、デビルタウンの地上を映した画面が現れた。画面は暗い空の下、デビルタウンの住居区で、多くの歓喜をあげている人々が映し出された。
住居区の人々「暗いなあ。突然、夜になったぞ。」
「人間に戻った!!まだ、満月じゃないのに。」
「おい、あれって地球?あの青いの。」
「半分しか見えてないが、あれは地球だな。」
「てことは、ここは本当に月なんだな!!」
魔王・コジロー「ほんとかよ。余りにも一瞬すぎて、信用できねえよ。」
画面から、モニカの声が聞こえてきた。
モニカ「コジロー、ここは月の裏側の西方面。東方面からアンドロイド達が攻めてくるわよ。」
魔王・コジロー「はあ?月に着陸しただけでいきなりかよ。じゃあ、月人病だった人も治ったみたいだし、出発するか。シボラの弟がいる所へ。」
モニカ「残念だけど、月人病は月から出ると、また発症するの
。」
魔王・コジロー「な、そうなのか。じゃあ、ずっと月にいないといけないのか!!」
モニカ「月にはスーパーコンピューターがあって、そのスーパーコンピューターに一瞬だけ吸収されることによって、月人病を治すことができるわ。」
魔王・コジロー「吸収って、まるで喰われるみたいだな。」
画面上に、巨大なクリオネのような建物が映された。
モニカ「このクリオネみたいな透明の建物が、月を管理しているスーパーコンピューター。ここから5キロ程の所にあるの。さらに5キロ程進むと、アンドロイドの街があるわ。このアンドロイドの街は、人間を滅ぼそうとする側のアンドロイドの街。で、デビルタウンの近くにあるこの街が、人間を守る側のアンドロイドの街。」
人間を守る側のアンドロイドの街は、アイスクリンのような形をしたビル街で、人間を滅ぼそうとする側のアンドロイドの街は、ソフトクリームのような形をしたビル街だった。
魔王・コジロー「なんだよそれ、月って天国じゃないじゃないか、最悪だな。人間達はどこにいるんだ?地球の金持ち達は、この世の楽園と信じて月に行き、住んでると聞いたが。」
モニカ「人間を守る側のアンドロイドの街の、地下街に住んでいるわ。デビルタウンの地下街と繋げれるから、扉を開けて繋げておくわね。」
ゴゴゴゴゴ!!ガシーン!!ガシーン!!
モニカがそう言うと、デビルタウンの地下街のどこからか、巨大な扉が上にスライドして、開く音が聞こえてきた。
モニカ「これで、デビルタウンから人間達の地下街を通って、直接スーパーコンピューターの所へ行けるわ。」
魔王・コジロー「なるほど。地下から行くのか。ところで、ここは月だから酸素がないだろ。どこかで酸素を作っているのか?」
画面上に、巨大な丸坊主頭の人間の顔が映し出された。モアイ像の人間バージョンで、胸から下が地面に埋まっていた。
モニカ「この巨大なアンドロイド達が、スーパーコンピューターの命令で、真空エネルギーを利用して、月面上に、人間に適正な濃度の酸素を発生させ、地球より少し軽い重力に設定しているの。」
魔王・コジロー「てことは、月面でも息ができるってことだな。スーパーコンピューターの命令?スーパーコンピューターは人間の味方なのか?」
モニカ「そうよ。スーパーコンピューターを作ったのは月人。あなた達によく似た人間が作ったの。」
魔王・コジロー「エイリアンて奴か。よし、分かった。さっさと月人病の奴らをその、スーパーコンピューターの所へ連れてって、月人病を治して出発しよう。こんな、アンドロイド同士が戦っている所に、いつまでもいられるかってんだ。」




