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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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SUPERNOVA ミチル

コジローは、マンホールから出て来たワインとコバヤシを見て言った。


魔王・コジロー「あ、ワイン。それから、えっと・・・・パンダ?もしかして、新しい召還獣か?」


ワイン「あっコジローさん。それから、えっと・・・・モグラ?もしかして、コジローさんの弟子達?」


魔王・コジロー「いやいやいやいや、そんなことはどうでもいいんだ。それより怪我はないか?それから、俺に魔王をやれってか。シボラにさっき聞いたぞ。このネックレスは、魔王の証なんだってな。」


コジローは、自分の首にかけてある、ハート形の赤いルビーのネックレスを見せた。


ワイン「そう。もう、あなたが魔王よ。私はまた、愛ザップの社長に戻るわ。魔王には向いてなかったみたい。それから、地下にいるシボラに、月の輪熊の像を預けといたわ。」


魔王・コジロー「そうか。俺は別に月になんか行きたくないんだが、行かないとダメか?」


ワイン「月には絶対行って!!このデビルタウンには、月に行きたい人が大勢集まっているわ。この街がよくなったのは、その人達の税金のおかげでもあるのよ。それから、シボラは、弟がいるカミノケ座銀河まで行くつもりよ。ここから3億光年離れたところよ。」


魔王・コジロー「ま、まじか。そんな遠い所まで行けるのか!!デビルタウンは!!」


ワイン「みたいね。」


コジローとワインの会話が少し途切れたところで、ジャイアントパンダ人間のコバヤシが、ペコリとコジローに頭をさげた。


コバヤシ「短い間でしたが、妻がお世話になりました。」


コジロー「・・・・・・・・はあ?」




         一 天竺 一



何もなくなった天竺の大通りで、アンドロイド嬢達と人々は、薄暗くなった空に浮かぶ時計台と、それに吸い上げられている魔王の騎士達を、茫然と見上げていた。時計台は、魔王の騎士達を全員吸い上げると、徐々にデビルタウンの方角の方へ加速して飛び、そして消えて見えなくなった。


アンドロイド嬢達「これからどうする?とりあえず、池の中を見に行ってみる?」


「あの池、汚くない?人間を捨ててたとこでしょ。私は無理。」


「あの時計台がいなくなったから、圏外じゃなくなったわ。通信できるわよ。」


「私、泳げないし。行くなら、アプリ・何も言えねぇをダウンロードしようと思うんだけど。」


「あのアプリは、平泳ぎ限定よ。どうせダウンロードするなら、いろいろ泳げるのにすれば?」


人々「俺達は、悪い夢を見ていたのかもしれないな。俺は、故郷に帰るよ。」


「俺は南下して、シャンバラという街を目指してみるよ。」


「シャンバラって、あのシャカとかいう神がいるところか?」


「ああ。噂じゃ、そこから月に行けるみたいだしな、金はかかるらしいが。」


アンドロイド嬢達「ミチル、本当に池の中を見に行くの?」


「私達は、アプリ・人間のようにのおかげで、見た目も人間と変わらなくなったから、これからは人間と共に生きることにするわ。」


「あの池の中はヤバイッて。ミチル、やめときなよ。」


何人かのアンドロイド嬢達が、身長165ぐらいで、セミロングの髪に、白黒のカジュアルドレスワンピを着たミチルに話しかけていた。


アンドロイド嬢・ミチル「先に行ってて。私は、とりあえず池の中を見に行きたいの。」


そう言ってミチルは、天竺に唯一残された地下へと続く池に向かって、走って行った。そして、池に飛び込み、水流の流れに乗って地下の部屋の泥沼に落ちた。上を見上げると、ミチルが落ちてきた天井の穴が徐々に閉まり、水がジョジョジョッと垂れていた。そして、穴が完全に塞がって、水も落ちなくなった。


アンドロイド嬢・ミチル「うわっドロドロ。まさか、こんな地下の部屋が、池の下にあるとわね・・・・え?」


ミチルの目前には、魔王の騎士達の死体や、腕や足、頭がのいてボロボロになったアンドロイド嬢達が、無数に転がっていた。


アンドロイド嬢・ミチル「そ、そんな・・・・。あ、あれは・・・・。」


ミチルは、転がっている小松の顔を見つけ、そこに駆け寄って拾い、抱きしめた。


アンドロイド嬢・ミチル「小松ママ!!小松ママ!!イヤアアアアアアアア!!」


泣き叫ぶとともに、ミチルの体が、七色に輝き始めた。

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