SUPERNOVA 急げ!!噴水広場へ
一 天竺・地上 一
天竺の人々やアンドロイド嬢達は、池の上空に停滞する時計台を見上げていた。
アンドロイド嬢達「あの時計台は、確かデビルタウンのよね。」
「魔王の騎士達が降りて行ったみたいだけど、もしかして、三蔵法師様、やられちゃったの?」
「みたいね。街が無くなっちゃったんだもん。」
人々(男達)「この世の楽園が無くなってしまった。」
「もう、いい女をただで抱くことはできないのか・・・・。」
「デビルタウンの奴ら、余計なことをしやがって。」
アンドロイド嬢達「私、戦闘用のアプリ、ダウンロードしてないの。」
「私もよ。たぶん、ガンダーラに勤めているアンドロイド以外は、誰も戦闘用のアプリなんかダウンロードしてないわ。」
「そうそう、戦闘が強くても客を呼び込めないもの。私達プラチナガールは、指名されてなんぼよ。それに元々戦闘タイプじゃないし。」
「さっきから、空を飛べるようになるアプリ、ネバーランドへGO!!GO !!をダウンロードしようとしてるんだけど、電波が圏外で通信がつながらないの。」
「もしかしたら、あの時計台から妨害電波が出ているのかも知れないわ。」
超高層寺のあった付近の小さな水溜まりから、シーラと秀さんを先頭に、続々と魔王の騎士達が這い出て来た。
シーラ「ふう。着いた着いた、ほんとに何もないなあ。」
ファージ「これが、天竺の本当の姿か・・・・おーい、サファリス!!こっちだ!!」
魔王の騎士達「おーい!!おーい!!」
魔王の騎士達は、時計台に向かって叫び、手を振った。
サファリスは、時計台の操縦席から、その状況を見て、舵をきった。
サファリス「あいつら、発煙筒を上げろと言ったのに。」
サファリスは、そう言いながらも笑顔で、時計台をファージ達の上空へ移動させ、時計台の下についてある半球水晶から青白い光線を出して、次々と魔王の騎士達を吸い上げ始めた。
一 デビルタウン 魔王病院まで後300m地点 一
地面に座り込んでいるワインに、魔王討伐課の若き青年・トウフが迫っていた。
トウフ「おばさん魔王、とうやらバテたようだな。死ね、この次期課長候補のこの俺が、お前の首を串刺しにしてやる!!さらばだ!!魔王・ワイン!!」
トウフが竹槍で、ワインの顔を突き刺そうとしたとき、青いゴリラ・ケンイチの姿が、うっすらと見えて立ち塞がった。
トウフ「な、なんだ!!この青いゴリラは!!」
ワイン「キング・オブ・ワイルド!!」
トウフ「か、体が思うように動かない・・・・お、重い!!体が重すぎる・・・・。」
ケンイチ「ゴリラ・サイクロン!!」
ケンイチは、ミョンミルの回転技で、トウフの首から上をぶっ飛ばし、トウフの頭は、闘っているコバヤシと魔王討伐課・課長・カマボコの方へ飛んでいった。
トウフの首から上がない体が、ドタッと路上に倒れた。
召還獣・ケンイチ「ワイン、大丈夫か?」
ワイン「ありがとう、キング・オブ・ワイルド・・・・私、魔王を辞めたの。」
召還獣・ケンイチ「体調が悪いんだろ、仕方がないさ・・・・それに、これ以上、あんたに無理をさせたら、コバヤシに怒られる。ジェシカさんのこともあるし。」
ワイン「うちの旦那が、あっちで闘っているの!!」
召還獣・ケンイチ「なに!!よし、助けに行こう!!」
ワイン「ごめんなさい、私はこれ以上、歩けないわ。」
召還獣・ケンイチ「よし、俺がおぶってやる。背中に乗れ!!」
ケンイチは、ワインをおぶって右手で月の輪熊の像を持ち、コバヤシが闘っている噴水広場へ走って行った。




