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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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SUPERNOVA ファージの狙い

ファージは、アンドロイド嬢達の放ったアトミックレーザーで左脇腹辺りを撃たれ、血を流しながら仰向けに倒れていた。


召喚獣・ケンイチ「ファージ、しっかりしろ!!」


ケンイチは、月の輪熊の像を右手で拾って、ファージの元で右膝を折り膝して座った。


ファージは、小声で途切れ途切れになりながら喋った。


ファージ「ケ、ケンイチさん・・・・月の輪熊の像を・・・・持って・・・・デビルタウンへ・・・・ハッコツ・・・・。」


ファージは、小さな骸骨のおじさん・ハッコツを呼び出した。身長10㎝程のハッコツが、ケンイチの右肩の上に現れた。


ファージ「ハッ・・ハッコツ・・・・デビルタウンに・・・・いる・・・・魔王様に・・・・ケンイチさんを召喚する・・・・ように・・・・伝えて・・・・くれ・・・・。」


ハッコツ「分かったと言いたいが、ファージさん。ワインさんは先ほど魔王を辞任して、コジローって男が魔王になった。だから、ワインさんにケンイチさんを召喚するように伝えよう。」


召喚獣・ケンイチ「コジロー・・・・もしかして、そのコジローって、剣の達人か?」


ハッコツ「みたいだな。魔王の騎士達に指導をしている人で、恐ろしく強い男だ。」


ファージ「そうか・・・・とにかく・・・・伝えてくれ・・。」


ハッコツ「分かった。」


そう言うと、ハッコツはケンイチの肩から消えた。




   一 デビルタウン 魔王病院まで後300m地点 一



ワイン「ハアッハアッハアッハアッもう・・・・走れない・・・・。」


ワインは、道沿いに座りこんだ。すると、ワインの右肩に小さな骸骨のおじさん・ハッコツが現れた。


ハッコツ「ワインさん、ケンイチさんが月の輪熊の像を手に入れました。さあ、早くケンイチさんの召喚を。」


ワイン「ナイスタイミングだわ。どっちにしても、トウフって奴に追いつかれたら、キング・オブ・ワイルドを召喚するつもりだったけど。よし、出でよ!!キング・オブ・ワイルド!!」



        一 天竺 地下 一



ケンイチの体がボヤけ始めた。


召喚獣・ケンイチ「すまない。ファージ、みんな。お前達の狙いは、これだったのか・・・・。」


ファージ「ケンイチさん・・・・先に帰って・・・・月に行く・・・・準備を・・・・してて・・・・下さい・・・・俺達も必ず・・・・帰り・・・・ます・・・・から・・・・。」


召喚獣・ケンイチ「・・・・分かった・・・・じゃあ、先に帰って待ってるからな。」


ファージ「はい。」


ファージが返事をすると同時に、ケンイチの体が消えた。


吸血木・ジョリー「三蔵法師なんて、ただの巨木で邪魔なだけね。粉々に朽ち砕いて、オガクズにしてやるわ!!そして、シメジの菌床栽培でもしてみようかしら!!」


吸血木・ジョリーの無数の木の枝が、横たわるただの巨木となった三蔵法師の幹を突き刺して生気を吸いとり、みるみるうちに細い枯木となった。そして腐ってオガクズになり、沼地に染み込んで跡形も無くなった。


アンドロイド嬢達「三蔵法師様!!」


「三蔵法師様が、跡形も無くなった!!」


小松「この木が、私達の新しい主になると言うの!!」


魔王の騎士達「なんてことだ!!これじゃあ、三蔵法師がまた復活したようなもんだ!!」


「しかも、元仲間だしなあ。」


吸血木・ジョリー「あら、そこに横たわっているのは、魔王の騎士隊長さんね。その節は、お世話になりました!!」


ファージ「グワアアアア!!」


吸血木・ジョリーの枝がファージの胴体に何本も突き刺さり、そのまま持ち上げて、沼地に足から突き刺し、ファージは、沼地から顔だけ出ている状態となった。


吸血木・ジョリー「魔王の騎士・人面第一号の出来上がり!!」


その状況を見た魔王の騎士達は、大激怒し、斬撃をジョリーに向かって撃ち始めた。


魔王の騎士達「このクソアマ!!ぶち殺してやる!!」


「そ、そんな!!イモコ・シールドの効果が無くなったのか?」


「とにかく、撃って撃って撃ちまくれ!!」

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