SUPERNOVA 突風
黄色の安全ヘルメットを被り、黄土色の作業着を着て、サングラスを半分掛けかけた、顔がモグラで、体が人間のモグラ人間達が、シボラの部屋に集まった。
魔王・コジロウ「こ、コイツらが地下街の戦士達なのか!!」
シボラが、ワインを映した画面の形体のまま言った。
シボラ「そうだ。ワンダ、頼んだぞ。」
シボラは、モグラ人間のリーダーで、少しでかいモグラ人間の男に言った。
ワンダ「任せとけ、あんたが魔王・コジロウだな。」
ワンダは、画面を見ながら言った。
ワンダ「この噴水広場の中央にあるマンホールに、ワインを引っ張り込む。そして、このセニョールの奴らを地下街に誘い込み、ここで奴らを一掃する。」
魔王・コジロウ「しかし、マンホールからワインまでの距離が10
メートルはあるぞ、簡単には引っ張り込めなくないか?」
ワンダ「多少の犠牲は覚悟の上だ!!とにかく、このマンホールから地上に出て、ワインの元へ行くぞ。急げ!!時間がない!!」
コジロウとモグラ人間達は、シボラの部屋を出て直進し、突き当たった所にある梯子を登り始めた。
一 デビルタウン 噴水広場 一
カマボコ「時間だ。さらばだ、魔王・ワイン。一般市民として、大人しくサプリメントの社長をしていればいいものを。人生、誤ったな。」
カマボコは、白いズボンの右ポケットから、長さ5㎝ほどの竹を出した。
カマボコ「竹槍、伸びろ!!」
カマボコがそう言うと、竹はグングン伸びて3メートル程の竹槍になった。魔王討伐課の職員達も、ポケットから小さな竹を出してカマボコと同じように伸ばし、竹槍を手に持った。
ワインは、膝まづいたまま、その光景をただ見ていた。
ワイン(魔王の死に方って、いつの時代も悲惨なものね。もう、私は魔王じゃないけど。さよなら、あなた。最後の最後に会えないなんて・・・・。)
カマボコは、竹槍をワインの顔面めがけて突き刺そうと構えた。
カマボコ「死ね!!魔王・ワイン!!デアアアア!!」
ワインの頭の中に、懐かしい声が聞こえた。
『お母さん!!』
ワイン(そ、その声は、ジェシカ!!)
ワインは、声がした空の方を見上げると、ジェシカの笑顔が一瞬
見えた気がした。次の瞬間、物凄い突風が吹き、銀色で端の方が錆びたトタンが何枚か噴水広場に飛んできた。そして、その内の1枚が、カマボコの頭に当たり、カマボコは倒れた。
カマボコ「グワアアアア!!痛っ。な、なんだ?どこかに魔法使いでもいるのか!!」
トウフ「課長!!マンホールから、モグラみたいな人間が!!」
カマボコ「この野郎!!味な真似を!!」
ワインのいる近くのマンホールから、何人かのモグラ人間達が出て来たので、カマボコは、ワインを連れ去ろうとしているモグラ人間の一人を、竹槍で突き刺した。
ズキューン!!ズキューン!!ズキューン!!ズキューン!!
ワインが召喚している、デビルタウンの人々に紛れ込んでいたナイスミドルのおっさん達が、魔王討伐課の職員達に向かって発砲し始めた。
トウフ「課長、囲まれています!!」
カマボコは、叫んだ。
カマボコ「適当に2班に分かれろ!!モグラ人間を突く者と、射撃してくるガードマンを突く者に!!ガードマンを突く者は、俺に続け!!デビルタウンの住民を、巻き添えにして殺しても構わん!!例え人間だろうと、デビルタウンに今、ここにいる奴が悪い!!喰らえ!!大車輪!!」
カマボコは、竹槍を右手で回しながら空を飛び、集まっているデビルタウンの群衆の中に飛び込んだ。そして、誰彼構わず切り裂き始めた。それに続き、50人の魔王討伐課の職員達も、竹槍の技・大車輪でデビルタウンの群衆の中に飛び込み、人々を切り裂き始めた。
デビルタウンの人々「ギャアアアア!!殺される!!」
「助けて!!お前ら地方公務員だろ!!公務員が人殺しをしていいのか!!」
ナイスミドルのおっさん達「グワアアアア!!まさか、一般人ごと殺しに来るとは!!グフッ。」
「コイツらは、もはや公務員じゃない!!ただの殺人鬼だ!!」




