不倫あり(キャバクラサイド)
セドリック「衛兵はあてにならないぜ、連絡する前に、衛兵達の様子を見てみな。」
セドリックは呪文を唱えると、掌から光りが出て、壁に大きな画面を写し出した。待機している駐在所の衛兵1の顔が画面に写り、奥の部屋にいる衛兵2、衛兵3の話し声が聞こえた。
衛兵1「また小さなおじさんが出たよ、青色のが。魔王が、キャバクラの前で暴れてるからなんとかしろって。」
衛兵2「魔王なんかを相手にしたら、殺されるってえの。もう少し待機して、おさまった頃に行こうぜ。」
衛兵3「ふつう、魔王がキャバクラに来るか?誰が魔王に夜遊びを教えたんだ?」
画面を見たキャバクラの人達は、金色の小さなおじさんって、あんな事ができるんだ。衛兵の奴ら、やる気ないなあ。まあ、気持ちは分かるけど。みたいなことを話していた。
リーム「なんて頼りない衛兵だ、こうなったら、俺の軍隊アリを呼ぼう。セドリック、軍隊アリ隊長、フリン・アリに連絡だ。」
セドリックは、掌から光りを出し、軍隊アリ隊長、フリン・アリの顔を壁に写し出した。フリン・アリは、黒髪の長い、頭にアリの触覚がある以外は人間と同じ顔で、美人な女だった。セドリックの分身が、フリン・アリの部屋に現れ、その分身は、リームの顔を壁に写し出していた。
フリン・アリ「あら、リームさん。こんな時間に私と不倫でもしたいの?」
リーム「なに言ってるんだ、さっさと軍隊アリを引き連れて、キャバクラ・チョチョリーナに来い、魔王の肉を削ぎとって、骨にしろ。」
フリン・アリ「いいいけど、魔王って不倫するの?私が不倫する男にしか興味ないのは知ってるでしょ。魔王ってなんかケンカばかりしてて、そっち方面の噂は聞いたことないもの。」
リーム「魔王に不倫はつきものだろ、おとぎ話とか伝説では、魔王は必ず女に囲まれて、堕落した生活をしてるだろ、現実もそんなもんだと思うぜ。」
フリン・アリ「そうかしら?まあ、いいわ。会って確かめてみるわ。」
リーム「すぐ来いよ。」
フリン・アリ「分かったわ。」
フリン・アリっていい女だなあ。それより、金色の小さなおじさんいいなあ。俺、緑の小さなおじさんから金色の小さなおじさんに、のり変えようかなあ、でも、金色の小さなおじさんって、伝言料金高いんだよなあ。
キャバクラの客達は、金色の小さなおじさんと、軍隊アリ隊長フリン・アリの話でもちきりだった。
セナ「魔王様、そろそろ帰りましょう。」
魔王「そうだな、もういい時間だしな、シリウス、頼む。」
シリウス「分かりました。」
シリウスが、デビルタウンへ帰る魔法を唱えようとしたとき、もの凄い行進の音が近づいて来た。
魔王「なんだ?」
セナ「昆虫人みたいですね。」
シリウス「あれは、軍隊アリですよ。」
そして、軍隊アリの集団は、魔王達の2メートルぐらい手前で止まった。
軍隊アリ隊長フリン・アリ「魔王って誰?」
魔王「俺だが。」
軍隊アリ隊長フリン・アリ「ゴリラかよ、まあ、いいわ。あなたに質問、恋愛に不倫はアリ?ナシ?どっち?」
軍隊アリ隊長フリン・アリは、突然魔王にややこしい質問を投げかけた。




