SUPERNOVA 燃える魔王討伐課 課長・カマボコ
セニョール生活環境事務組合 庁舎内 魔王討伐課
勇者・セイジが死んで、その上司の課長・カマボコは、また少し太り、髪をピンクに染めて、色白の顔がますますカマボコみたいになっていた。カマボコは、魔王討伐課の精鋭・100人を会議室に集めた。100人の精鋭達をパイプ椅子に座らせ、教卓でカマボコは話し始めた。
課長・カマボコ「今日、みんなに集まってもらったのは、このセニョール市の隣にある、昔からの悩みの種、デビルタウンについてだ。アンデッド村のアンデッド退治が一段落したので、アンデッド村対策は少し置いといて、今日からデビルタウン対策に臨む。今回の対策で、私はデビルタウンを崩壊させるつもりだ。」
精鋭達「おお!!」
会議室から感銘の声が上がった。
課長・カマボコ「デビルタウンに住んでいる捜査官の情報によると、現在、魔王・ワインの体調がかなり悪く、また、近々、デビルタウンの魔王の騎士達の半数が、天竺へ月の輪熊の像を取りに向かうらしい。そこで、その時機を見計らって、デビルタウンに攻め込もうと思う。」
精鋭達「おお!!ついに攻め込むのか!!」
「でも、デビルタウンは月へ行ける船だからなあ。月人病患者にとっては、タダで月に行ける希望の船なんだよなあ。」
「捜査官の話だと、デビルタウンは家賃が他の街に比べて安く、税金も安くて住みやすいとか。」
「そうそう。満喫やカラオケ、それに風俗街が繁栄してて、遊ぶ場所がいっぱいあるんだよなあ。夜は外灯蛍が飛び回って、昼より明るいぐらいだからなあ。」
課長・カマボコ「そう。みんなも知ってのとおり、デビルタウンは素晴らしい街だ。最近の調査では、デビルタウンは月どころか、宇宙旅行ができるという調査報告が出ている。そこで、私はデビルタウンの魔王制度を崩壊し、デビルタウンをセニョール市に吸収合併させようと思う。今はもう、デビルタウンは魔物の街ではない。多くの人間が普通に住んでいるのだから。」
精鋭1「なら、闘わなくて同盟でいいのでは?」
課長・カマボコ「魔王相手に同盟を結ぶのか?俺達は、魔王討伐課だぞ。それに、多くの仲間が、デビルタウンの歴代の魔王達に殺られている。」
課長・カマボコ「話は以上。各自、いつでも闘える準備をしておいてくれ。近々、個人の緑の小さなおじさんに連絡する。」
一番後ろの席で、腕組みをして座って話を聞いている、ジャイアント・パンダ人間の小林の姿もあった。
小林「・・・・・・・・。」
一 デビルタウン 一
数日後、未来草原から帰って来た魔王・ワインは、体調が悪いながらもケンイチを連れて、デビルタウンの噴水広場に来ていた。そして、中央にあるマンホールをケンイチに開けさせ、ケンイチと共にマンホールの中へ入って行った。
魔王・ワイン「なにこれ?本当にマンホールの中なの?」
マンホールの中は明るく、白い壁に、床には赤い絨毯が敷かれ、演歌が流れていた。
召喚獣・ケンイチ「地下のわりには綺麗だな。埃1つない。誰かが毎日、掃除をしてるみたいだな。」
魔王・ワインとケンイチは道なりに真っ直ぐ進むと、100畳ほどの広い部屋に出た。その部屋の側壁と床は白色で、側壁と天井一面に、1ミリ間隔で直径2㎝ほどの紫色の丸い魔王石が埋め込まれて輝いていた。
魔王・ワイン「うわああ!!魔王石がいっぱい!!」
召喚獣・ケンイチ「デビルタウンの地下に、こんな部屋があるなんて知らなかった。」
突然、部屋の中央に向かって、側壁と天井に埋め込まれて輝いている全ての魔王石から、レーザーのような光が放たれて集まり、5mほどの紫色の人の顔が結成された。
その人の顔は、髭面で頭部が禿げた、ザビエルのようなオッサンだった。巨大なオッサンの顔が話しかけてきた。
オッサン「チース!!初めまして。魔王ワインとゴリラ。私がシボラだ。」




