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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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SUPERNOVA  ロマンチスト・ゴリラ

ケンイチ達は、山師の秀さんをムカデバスに乗せ、ケンイチもムカデバスの後方に乗った。それを見て、ジョリーが言った。


ジョリー「あれ?あなたは故郷に帰るんじゃないの?」


ゴリラ人間1「王様、俺達はゴリラの里の長老から、秀さんを護衛するように言われてるんで、秀さんについて行きます。」


ゴリラ人間2「秀さんは、ミラクル・アマゾンにいる吸血木を何本も切ってくれました。だから、俺達は秀さんに恩返しをしないといけないんです。だから、王様は、ゴリラの里にお帰り下さい。みんな、王様の帰りを待っています。」


ファージ「ケンイチさん、いやゴリラ王様、俺達に遠慮せず、ゴリラの里へお帰り下さい。」


ジュウベイ「達者でな、ゴリラ王よ。」


ケンイチはゴリラ王呼ばわりされ、優しいゴリラの里へ帰れコールが始まったので、叫んだ。


召喚獣・ケンイチ「俺はゴリラの里へ帰るために、ここに来たんじゃない!!俺は自分の夢を叶えるために、ここに来たんだ!!」


ムカデバスから感嘆の声があがった。


「おお!!夢を追いかけるって格好いい!!」


ジョリー「へえ。あなたの夢ってなんなの?ゴリラも夢を見るんだ。夢を見るのはいいけど、ちゃんと老後に備えて年金かけてる?」


召喚獣・ケンイチ「・・・・ゴリラが老後のことを考えて、生きていると思うか?風が止んだら風鈴が鳴らないように、ゴリラの人生は軽く浅はかなものだ。そんなもんだ、俺の人生は。」


ゴリラ人間1「おお!!さすがゴリラ王様だ!!その太く短い生き方に感銘しました。申し遅れました、俺はコウジと言います。」


ゴリラ人間2「俺はトモキと言います、よろしくお願いします。」


ジョリー「さすがゴリラ王ね。その安定を求めない生き方、私は否定しないけど、年金はかけた方が良いと思うなあ。」


魔王の騎士達は思った。


魔王の騎士達(結局、年金をかけろって、思いっきり否定してるじゃないか。)


(大人の女は安定を求めるんだよ。20歳~40歳の間の女は特にな。)


ケンイチ達は、ムカデバスでミラクル・アマゾンを抜け、夕方4時過ぎに、未来草原・前方に着地させてある時計台に着いた。


オーブのダウンロードが済み、体調不良ながらもみんなを出迎えた魔王・ワインは、ジュウベイにオーブを渡した。時計台で、ジュウベイとセプライン、それから魔王・ワインを看病したバッタ人間の看護師2人を、未来草原と城下町の境目まで送った。


ジョリー「私は、天竺の三蔵法師っていう吸血木を見たいから、ついて行くんでよろしく。」


秀さん「あんた、危ないからやめておき。死ぬかもしれんぞ。」


ジョリー「嫌よ!!私は絶対降りないから!!もし強引に降ろそうとしたら、舌噛んで死ぬからね!!」


魔王・ワイン「あなた、名前は?」


ジョリー「ジョリーよ。生物学者で、吸血木を研究しているの。」


魔王・ワイン「分かったわ。キング・オブ・ワイルド、ジョリーさんをお願いね。それから秀さん、ご協力ありがとうございます。月へ行くためには、どうしても、三蔵法師が持っている月の輪熊の像を手に入れないといけないんです。そのためには、吸血木である三蔵法師を切らないと。」


秀さん「分かった。吸血木は、全ての生き物の生命を奪う。この星にとって、害にしかならない。」


召喚獣・ケンイチ「え?俺がジョリーの面倒を?」


ジョリー「へえ。ゴリラ王の夢って、月に行くことだったんた。ゴリラのくせに、なかなかロマンチストね。」


召喚獣・ケンイチ(さっきから人のことをゴリラゴリラと連発しやがって。腹立つわ、このアマ。)


こうして、ケンイチ達を乗せた時計台は、未来草原を飛び立ち、デビルタウンへと帰って行った。

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