STARGAZER 戦う魂~散りゆく魔王の騎士達(魔王・勇者・アナザー)
一 未来草原 後方 一
召喚獣・ケンイチ「おい、大丈夫か。」
スペクター「あんたはゴリラリーダー、なぜここに?」
召喚獣「ゴリラリーダーって、初対面なのに、バイトリーダーみたいな言い方しやがって。お前のレーザーの破壊力が、この戦いに勝利をもたらすと確信してな。さあ、俺の後ろに乗れ。」
しかし、ケンイチとスペクターは、200人余りの水晶人間達に、いつの間にか囲まれてしまった。
ケンイチ「こいつら、倒しても倒しても。一緒に戦うぞ!!ゴリラ・サイクロン!!」
スペクター「モニカ、ホーミングレーザーだ!!」
モニカ「了解。スペクター、あなたの2000秒をもらうわ。」
ケンイチは、ミョンミルを振り回し、スペクターは仰向けに寝転がったまま、右足の"希望のライフル"を撃ちまくった。
一 未来草原 前方 一
先陣をきる魔王の騎士達10数名は、ザオランのいるジューサーに向かって、突っ走り続けた。魔王の騎士歴10数年のベテラン揃いで、ケンイチの闘いぶりから、平和ボケから目覚め、戦場では死を抱くことを思い出した。死への恐怖がなくなった魔王の騎士達は勇ましく、水晶人間達に殴打され、胴体を手刀で貫かれて死んでも、マンモスから転倒せず、ただひたすら突進し続けた。
その戦いぶりに、水晶人間達は怖じけずき、バッタ人間達は感動して力が沸いてきた。そして、10人の魔王の騎士達が、マンモスごと2つのジューサーに激突し続け、ついにジューサーを割って倒した。ジューサーの中の人間達の赤い血と、バッタ人間達の緑の血が、草原の中に染み込んでいった。
それを見届けるかのように、既に死んでいる魔王の騎士達は、マンモスからゆっくりと草原に落ちていった。
バッタ人間達「す、すげえ・・・・。」
「さすが、魔王の騎士達だ!!まさに魂で戦っている・・・・。」
水晶人間達「せっかくの人間の血が・・・・。」
「バッタ人間の血もなくなった・・・・。しかも、大勢のバッタ人間達に囲まれてるし。ザオラン様、退却しましょう。」
ザオラン「そうだな。数の差はあったが、あのゴリラ率いる騎士達の戦い方にやられた。死をも恐れぬあんな戦い方をされたら、こっちの指揮が下がってしまう。退却!!退却!!」
ドガーン!! ドガーン!!
ザオラン達水晶人間達が帰ろうとした緑の水晶山が、至るところで爆発し始めた。
ジュウベエ「ハンゾウ達シノビが仕掛けた、爆発草の草団子が、種を飛ばすために爆発し始めたようだ。やったな!!ハンゾウの奴。流石だ。」
ジュウベエが感心していると、緑の水晶山の方から、ハンゾウが走って来るのが見えた。そして、少し遅れてハンゾウの部下のシノビ達も走って来ていた。
ジューサー付近にいた、ザオラン達水晶人間の生き残り、200人余りは、前方から後方にかけて、生き残った魔王の騎士達5人、バッタ人間達1000人余り、ハンゾウ率いるバッタ人間のシノビ達数名に囲まれてしまった。
ザオラン「クッ水晶山も爆発してるし、もはやこれまで。エディプス様は無事だろうか・・・・こうなったら、俺は花と散る!!」
ザオランは叫んだ。
ザオラン「ゴリラはいるか!!最期に俺と勝負をしてくれ!!はるばる遠い宇宙から、この星にやって来たんだ!!最期に俺と、勝負をしてくれ!!」
バッタ人間達「ダメだダメだ!!見え見えの時間稼ぎしてんじゃねえ!!」
「そうだそうだ!!もうお前達の敗けだ!!潔く俺達に蹴られて死にやがれ!!」
「切腹ができない面倒くさい奴め。オラッそこに座れ!!俺の回し蹴りで、粉々に砕いてやる。」
生き残った中年の魔王の騎士・ハルデンが叫んだ。
ハルデン「分かった。呼んで来るから待ってろ!!」
バッタ人間達「おいおい、もういいって。」
「敵に花道を作ってやらなくても・・・・勝っても負けても、あいつは死ぬのに。」
ハルデン「敵の花道なんかじゃない!!俺たちの花道だ!!それにケンイチさんは、あんな奴に負けたりなんかしない!!」
バッタ人間達「おお!!」
「ハゲたおっさんだが格好いい!!」
「ブルース!!ブルース!!」
ハルデン「ブルースじゃない!!俺はハルデンだ!!」
ハルデンは、バッタ人間達に怒鳴りながら、未来草原の後方にいるケンイチの所へ向かった。




