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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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STARGAZER  スペクター登場!!(勇者サイド)

キャバクラ・チョチョリーナ・セニョール店から家に帰ってきたシンは、部屋の片隅に置いてあるアンドロイドの後頭部に真空電池を入れて、起動させた。(170部参照)


シン「明菜に会うためのキャバクラ代を稼ぐため、スペクター、お前にも働いてもらうぞ。」


少しして、マネキン人形のアンドロイド・スペクターは目を覚ました。


シン「スペクター、目を覚ましたか。これから、お前には、俺のキャバクラ代を稼ぐために、俺と一緒に働いてもらう。」


スペクター「・・・・・・・・。」


シン「明日、早速、デビル商事の清掃員の面接を、一緒に受けに行くぞ。ここは時給が安すぎるから、応募する奴はそうそういないだろ。生活費のいらない俺達には、もってこいだ。」




次の日の午前中、シンとスペクターは、デビル建設のデビルタウン支所に面接を受けに行った。


「デーモン山下社長には、異世界から来たマネキン人形ということにして、こちらから上手く言っておきます。」


頭が鹿で、体が人間の紺のスーツを来た鹿人間の面接官はそう言って、2人を採用した。急募だったが、応募者が全くいないのと、アンドロイドなので、不眠不休でも大丈夫というところを買われた。


鹿人間の面接官「では、明日から早速、時計台と噴水広場の清掃を二人に担当してもらいます。」





        一 1ヶ月後 一



シン「時給720円じゃ、たかが知れてるな。まるで、どこかの国の昭和初期の給料だな。」


スペクター「シン、実は俺、アプリ・"人間のように"をインストールしたんだ。」


シン「まじか!!仕事をたまにミスしたり、寿命が設定される代わりに、酒が飲めたり、恋をしたりできるっていう、あのアプリか?」


スペクター「ああ。あと、怪我をしたりすると、そこに静電気が流れて痛みを感じたりするそうだ。」


シン「まあ、しばらく使ってみて、嫌だと思ったらアンインストールすればいいさ。」


スペクター「あと、モニカっていうアプリもインストールしてみた。」


シン「モニカ?なんだ、それ?そんなアプリ、見たことも聞いたこともないぞ。」


スペクターは、右足の太股から下を外した。その中から、緑色のキュウリのような異物のライフルが現れた。


シン「おお!!お前の右足がライフルになってる!!」


スペクターは見せ終わると、太股から下の右足を再びはめた。


スペクター「アプリ・人間のようにをインストールしたら、モニカってアプリがついて来て、ついでに、モニカもインストールしてみたら、右足がこうなった。どうやら、俺の時間と引き換えに、何でも破壊するらしい。」


シン「お前の時間ってそれ、寿命じゃないのか?!そんなアプリ、さっさとアンインストールしろ。それから、お前の給料をよこせ。明日から時計台に乗って、俺達も魔王の騎士達とともに、未来草原に行くことになったから、今日、俺は明菜に会いに行くんだ。ほら、さっさと金をよこせ。お前が持ってたって、使い道がないだろ。」


スペクター「俺も2万ぐらい欲しい。酒を飲んでみたい。」


スペクターは、6万円をシンに渡した。


シン「分かったよ。」


シンは、スペクターから6万円をもぎ取ると、自分の財布にしまった。


シン「お前も一緒に来い!!」


シンとスペクターは、デビルタウンの噴水広場から魔法使いタクシーを拾って、明菜の勤めるキャバクラ・チョチョリーナ・セニョール店へと向かった。




  一 キャバクラ・チョチョリーナ・セニョール店 一



シンとスペクターは、チョチョリーナ・セニョール店が開店すると同時に入店した。キャバ嬢はまだ、明菜とヒトミしか出勤しておらず、ちょうどヒトミが、たこ焼きを4個、食べ終わったところだった。


シン「というわけで明菜、俺達は明日から未来草原へ行くんだ。で、お前に今日、会っておかないといけないと思って来たんだ。」


明菜「うれしい!!」


明菜ことルシファー(どうやら、デビルタウンの奴らは、地下にいる三蔵法師を倒せなかったようだな。確かにアイツは厄介だ!!このダッチワイフの体の俺でも無理だな。)


赤色のソファーに、シンの隣に明菜、その2人に向かい合うように、スペクターと隣にヒトミが座った。スペクターは、ヒトミに話しかけた。


スペクター「人は、死んだら星になるのかな?」


ヒトミ「ハハハッどうしたの?急に。」


スペクター「夜空を見上げると、たくさんの星があるだろ。あれは全部、死んだ人間の魂かなと思ったりするんだ。」


ヒトミ「う~ん。それじゃあ、星の数に対して、人の数が足りなくない?」


シンが2人の会話に割って入った。


シン「まあ、これだけは言える。お前が死んでも星にはなれない。お前は、スクラップになり、不燃物ゴミとなる。」


明菜「ちょっとシンさん。酷くない?そんなこと言わないの。」


ヒトミ「そうよ、シンさん。素敵な発想じゃない、死んだら星になるとか。」


スペクター「いや、ただそう思うと、夜になると空から誰かが見てくれて、応援してくれたり、心配してくれてたりするのかなあって。要するに、俺は人間になりたいんだ。」


そして、スペクターはヒトミを抱き寄せた。


ヒトミ「ちょっちょっちょっと!!」


シン「バ、バカ!!何やってるんだ!!恋愛の設定を落とせ!!」


スペクターは、アプリ・人間のようにの恋愛設定をMAXから少し落とした。


シン「明菜、アプリ・人間のようにを知ってる?コイツ、インストールしてるんだ。」


明菜「ああ。あの問題になってるアプリね。」


ヒトミ(この中で人間て私だけじゃん!!なんか嫌だわ。ロボ相手に接客って、おかしくない?)


スペクターが、突然、恋愛について語り始めた。


スペクター「ヒトミさん、恋人どうしってのは、お互いの肛門のしわの数を知っている、それぐらい親密な関係じゃないといけない思うんだ。」


シン「ちょっと待て待て待て待て!!設定を最低の1まで落とせ!!」


スペクターは、アプリ・人間のようにの恋愛設定を、最低の1まで落とした。


スペクター「ヒトミさん、デビルタウンの貴重な収入源となっている、外灯蛍がいとうほたるの養殖方法を知ってる?実は、デビルタウンの山の向こう側に、魔王ダムがあって・・・・・・・・。」


スペクターが、眠たくなるような外灯蛍の話を始めた。


シン「まあ、これぐらいがいっか。」


明菜「そう言えば、今回のデビルタウンの魔王は、あの世界的に有名な"愛ザップ"の元社長らしいじゃん。闘ったりできるの?強いの?」


シン「さあな。ただ、金をいっぱい持ってるから、召喚獣をいっぱい召喚できるんじゃないかって噂だ。だから、かなり強いんじゃないか?」


明菜「ふうん。」


明菜ことルシファー(てことは、あのイエティも召喚すると考えていいな。やはり、デビルタウンが月に行けるようになるまでは動かず、キャバ嬢でもやってた方が良さそうだな。)


スペクター「酒を飲んでみたいな。何かない?」


明菜「あ、そうか。アプリをインストールしてるから飲めるんだ。ちょっと待っててね。」


明菜がカウンターに行き、細長いコップにV・S・O・Pを水割りして持って来た。


明菜「はい。スペクターさん、どうぞ。」


スペクターは、一気に水割りを飲み干すと、またまたヒトミを抱き寄せて、服の上から、右手でヒトミの右乳をもみ始めた。


ヒトミ「ちょちょちょ、ちょっと!!」


シン「バ、バカ!!酔っ払いやがって!!酒に対する強さの設定を上げろ!!MAXにしろ!!」


ヒトミ(マネキンに胸を触られた人間って、私だけじゃない?人類初じゃない?)


明菜「シンさん、やけにアプリに詳しいわね。ひょっとして、インストールしてるんじゃないの?」


シン「バ、バカ!!そんなこと、するわけないだろ!!」


明菜「・・・・・・・・怪しいわね。」





こうして、シンとスペクターも未来草原へと旅立ったのであった。

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