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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 魔王と勇者とキャバクラと・・・・(オール・サイド)

ケンイチとタケトは、お互いの冷気と蒸気が消えて、元のノーマル状態のゴリラに戻った。


チーフ・タケト「お互いスタミナ切れのようだな。だが、俺には自動回復がある。こうやって、お前の攻撃を凌いで、体力が全快したら、一撃でお前をぶちのめしてやる!!」


タケトは、破れかけているトランクスとTシャツを脱いで、顔面部分を両手でガードし、ゴリラガードでガードを固めた。


召喚獣・ケンイチ「お前、完全に野生に戻ったな。今のお前は、ただの野生のゴリラだ!!いくぞ!!ゴリラパンチ!!」


チーフ・タケト「今のうちだけだ、そんな余裕を言ってられるのは。グアッな、なに!!」


ケンイチの重いパンチの連打が、タケトのガードの上から襲った。


召喚獣・ケンイチ「そんな微々たる自動回復じゃ、間に合わないぜ!!」


チーフ・タケト「クッこいつ、以前よりパンチが重くなってやがる!!基礎体力が上がってやがる!!」


タケトは少し後退りをした。


チーフ・タケト「このままじゃ、殺られてしまう!!俺の考えが甘かったぜ!!打ち合うしかない!!」


タケトも反撃をし、再びケンイチとタケトは殴り合いを始めた。




        一 時計台 内部 一



魔王の騎士達「おお!!相変わらずワンパターンな殴り合いだが、面白い!!」


「元魔王どうしだからな。」


「副隊長!!この闘いを見届けましょう!!」


副隊長・シーラ「そうだな。この勢いだと、5分ぐらいでどっちかが倒れるだろ。」



    一 再び デビルタウン ラブホ通り 一



チーフ・タケト「あの忌々しい時計台め!!この闘いが終わるまで、ずっとあそこから動かず見ている気か!!」


突然、ケンイチは殴り合うのをやめ、手を止めた。


チーフ・タケト「ん?どうした?降参か?」


召喚獣・ケンイチ「お前にお客さんだ。後ろを見てみろ!!」


タケトが振り返ると、そこには、あの巨大なチョンマゲをしたガマガエルがいた。


チーフ・タケト「な、なに!!なぜお前が!!うわああああ!!」


ガマガエルは、長い大きな赤い舌でタケトを巻いて捕まえ、そして大口を開けて呑み込んだ。ゴクッと呑み込む音がして、大きなゲップをし、ゴーゴーと鳴いて消えた。


ケンイチが夜空を見上げると、時計台の近くにミナの残像のようなものが見え、そして、その残像はニコッと笑いながら霧のように消えた。


小高い岩の上にいたマトリョーシカ人形のモニカも、いつの間にかいなくなっていた。


召喚獣・ケンイチ「ミナ・・・・・・・・ありがとう。」


ケンイチは、少し歩いてジョニーの双剣の片割れを手に取り、呟いた。


召喚獣・ケンイチ「お前のハプニングは凄い、凄すぎるなあ。」



     一 再び 時計台 内部 一



アスナ「あのガマが現れたってことは、姉ちゃん、姉ちゃんは生きてるんだ!!」


アスナは喜んで叫んだ。


サファリス「姉ちゃん?お前、何言ってるんだ?」


アスナ「あっ姉ちゃんじゃなかった。魔王様は生きてるんだ!!」



副隊長・シーラ「・・・・・・・・さあ、闘いは終わったみたいだから帰ろう。サファリス!!」


サファリスは、魔王石の前に立ち、時計台を噴水広場の方へ動かした。



    一 再々 デビルタウン ラブホ通り 一



魔物達「チーフがガマガエルに呑み込まれてしまった!!」


「完全にゴクッて、消化してたな。あのガマガエル。」


「ま、負けた。チーフが負けた!!」


フリーター・ニート達「勝った?勝ったのか?」


ジョニー「勝った!!俺達の勝利だ!!」


フリーター・ニート達「うおおおお!!一時はどうなるかと思ったが、あの化物は死んだみたいだ!!」


「俺達の勝ちだ!!」


「キング・オブ・ワイルド!!よく頑張った!!」


「お?また人間に戻ったみたいだな。忙しいな、お前。」


魔物達はうなだれ、フリーター・ニート達は、キング・オブ・ワイルドことケンイチの所に集まり始めた。


魔物達「帰ろう。」


「そうだな。」


ジム「俺は、今から仕事するよ。」


魔物達「じゃあ、俺も夜のバイトに行くか。」


魔物達は、帰り出す者と、いつも通り夜のバイトに出かける者とに別れ、そして、ひっそりとラブホ通りから姿を消した。


時計台がいなくなると同時に、上空にワインの空飛ぶ会社こと空母が現れ、ケンイチ達の真上で停止した。空母の底から、青い半水晶の社長石が現れ、そこから青白い光線が出て、ケンイチとフリーター・ニート達を拾い上げた。社内に入ると、ちょうど魔王・ワインと黒執事・ディーンが出迎えた。


魔王・ワイン「キング・オブ・ワイルド!!お疲れさま!!皆もありがとう!!さあ、甲板で食事の準備が出来てるわ!!」


フリーター・ニート達「おお!!じゃあ、ビールでも飲むか!!」


「動いたから、少し腹が減ったな。」


「甘い物が欲しいなあ。」



タケトが作り出したアース・ドラゴンは、形状が崩れてただの土となり、夜風に吹かれて、綺麗な満月とともに夜空を漂っていた。




        一 妖精の森付近 一



ドラゴン人間のナカジマは、馬車を買い、サブリーダーのキジマとデビル市役所で拐った女を連れて、骸骨達がさ迷う"アンデッド村"に来ていた。数多くの骸骨人間や獣のゾンビ達が、ナカジマ達の馬車を襲った。


キジマ「この村を越えれば、妖精の森です。市長、頑張って下さい!!」


ナカジマは馬車を降り、ゾンビ達に立ち向かった。


市長・ナカジマ「クソッ数が多すぎる!!」


ナカジマがゾンビ達と闘っている隙に、他のゾンビ達が馬車に襲いかかり、キジマがなんとか対応した。キジマが、馬車の中から叫んだ。


キジマ「市長!!女が殺されました!!あなたの家族が失われました!!」


市長・ナカジマ「な、なに!!家族を持つって大変なんだな。俺が魔法を使えれば!!アンデッド対応の魔法"第3者の目"が使えれば、こんな奴ら、楽勝なのに!!」


キジマ「市長!!辞職しますか?」


市長・ナカジマ「何を言う!!キジマ!!俺はまだ、市長になったばかりだぞ!!」


そんな強がるナカジマの前に、体長5メートル程の巨大なドラゴン・ゾンビが3体向かって来た。


市長・ナカジマ「うわああああ!!あれは、アンデッド最強のドラゴン・ゾンビ!!しかも3体も!!む、無理だ!!殺される!!キジマ!!俺は市長をを辞職する!!ギャアアアア!!」


キジマ「ギャアアアア!!」


ナカジマは、ドラゴン・ゾンビの頭の角で体を突き刺されて、そのまま持ち上げられ、頭と両足を両手で持たれ、体を真っ二つに折られて、上半身と下半身が離れて死んだ。キジマは、馬車ごと踏み潰され、何度もその場でスタンピングをされて、踏み殺された。


    

    一 キャバクラ・チョチョリーナ 一



シン「明菜、俺、そろそろ帰るわ。」


明菜「そう。ちゃんとお金払ってよ!!」


シン「分かってるよ。それにしても、客、入って来ないなあ。俺だけじゃないか。」


明菜「なに言ってるの!!これからよ!!まだ開店したばっかりだから!!」


ヒトミは、たこ焼きを食べながら言った。


ヒトミ「そうよ。だいたい、私がたこ焼きを食べ終わったぐらいから、お客さんが来だすのよ。あと4個残ってるから、あと少ししたら、誰か来るはず。」


シン「へえ。今度、明菜を指命したついでに、ヒトミさんも指命してやるよ。暇そうだから。」


ヒトミ「つ、ついで?あ、ありがとう。楽しみにしてるわ。」


ヒトミ(この無職ロボが!!腹立つわ!!無職のくせに上から目線かよ!!)


ヒトミは腹が立ったが、なんとか笑顔でごまかした。


明菜ことルシファー(なんかキャバ嬢って楽しいなあ。嫌な奴もいるけど、いい人もいる。意外と俺の天職かもしれないな。いかんいかん、天下の堕天使ルシファー様がキャバ嬢なんて、笑い話にもならん!!)


ヒトミ「明菜ちゃん。あなた、この仕事向いてるわね。そうね、まるで、レイコと仕事してるみたいだわ。」


明菜は、店の窓から満月を見ながら呟いた。


明菜「・・・・レイコさんか・・・・。」




        一 season 4  完 一

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