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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 アスナの秘密(魔王・キャバクラサイド)

 

 一 キャバクラ・チョチョリーナ セニョール店 一


明菜「シンさん、時間だけど、まだ延長するの?これで4回目だけど。」


シン「もちろん。」


明菜「今日は、たまたま私が鍵当番だったから、夕方から店開けれたけど、本当は20時。今ぐらいの時間から始まるんだからね。今日みたいに、夕方4時に来たって、普段は店、開いてないからね。」


シン「分かってるって。それより曲入れたから歌おうぜ!!」


シンは、マイクを持って歌い始めた。


シン「デビルタウンには~自殺する魔物が多い~♪」


明菜「ちょっと、そんな歌、歌わないでよ。」


2人で騒いでいると、黒髪のショートカットにジージャンを羽織り、白のミニスカートを履いたヒトミが常番して来た。


ヒトミ「あらっ明菜ちゃん早いわね。しかも、もう接客してるの?」


明菜「おはようございます、ヒトミさん。そうなんですよ。夕方4時からなんです。しかも、私もシンさんも飲めないから、ひたすらカラオケをするだけなんです。」


ヒトミ「いいじゃない。それより、またデビルタウン、大変なことになってるらしいわよ。例のゴリラどうしが、またケンカしてるって。だから、デビルタウンには近づかないでね。」


明菜「はい。デビルタウン店は大丈夫なんですか?」


ヒトミ「ラブホ通りで闘ってるみたいだから、今のところは大丈夫みたいよ。」


明菜「良かった。」


シン「明菜、明日から俺、真面目に働くから、今日の代金は売掛にしてくれないか?」


明菜「絶対イヤ!!てか、いつの間に、そんなキャバ用語覚えたの?」




           一 天竺 一



シーラは、息をとめて赤い鳥の羽根にしがみつき、暗い肉質な壁の水の中を少し進んだ。そして、外灯が差し込み、ほんのりと明るくなった所に来た。上を見上げると、出口らしき水面が見えた。シーラが水面を指差すと、赤い鳥の羽根は、垂直になって急上昇した。シーラは、必死に赤い鳥の羽根にしがみつき、水面を突き破って地上へ出た。出た場所は、キャバクラ・ガンダーラの超高層ビルの東側だった。


女・アンドロイド達「出て来たわよ!!少し遅かったわ!!」


シーラ「プハッハアッハアッ。」


シーラが呼吸をしようとする間もなく、周り一面から、ケバい格好をした若い女型のアンドロイド達が迫って来た。


シーラ「うわああああ!!マジか!!赤い鳥の羽根!!南側に向かって飛んでくれ!!目指すは時計台だ!!」


シーラは、またまた赤い鳥の羽根の上に1万円札を置き、赤い鳥の羽根は張り切ってさらに上空に飛んで、とんぼ返りをしてアンドロイド達を振り切り、時計台を目指して一直線に飛んだ。


女・アンドロイド達「なにあれ!?あんなのアリ?めちゃくちゃ速いわ!!追いつけない!!」


「私達は風俗タイプだから、あんなに速く飛べない!!」


「戦闘タイプだって、たぶん追いつけないわ。」


「今どき、戦闘タイプっているの?」


「さあ?ひょっとしたら、ユリママがそうかも。」




      

       一 超高層ビル・裏の池 一



坊主頭で女型のアンドロイドの店員が、池の側に立ち、人間の男や女達をお姫様抱っこしたアンドロイド達を一例に並ばせた。


店員「はい、では、貴方が一番ね。放り投げて下さい。」


人間・男「え?おい、一体俺をどうするんだ?え?おいおい!!うわああああ!!」


先頭の女型・アンドロイドが、人間の男を池に放り投げた。


店員「はい、お疲れ様。これ、準新型の真空電池です。次の方、どうぞ。人間は20人までです。」


女・アンドロイド達「わあ!!真空電池。ちょうど欲しかったんだ、ラッキー!!」


「今回は真空電池が貰えるんだ、前回は服だったよね、確か。」


「私は、メンテナンス無料券が良かったんだけどなあ。」


「私も。年々高くなるんだよね。まあ、体が古くなるから仕方ないんだけど。」


お姫様抱っこされた人間達は騒ぎ始めた。


人間達「うわああ!!離してくれ!!俺は泳げないんだ!!」


「助けてくれ!!まだ死にたくない!!」


「俺が何をしたって言うんだ!!助けてくれ!!」


店員のアンドロイドは、人間の男をお姫様抱っこした、20人目の女型・アンドロイドの側に近寄った。


店員「ちょうど、貴方で20人目となります。ここから後の方は、これから配る睡眠薬を人間に飲ませて、また元通り店に連れて帰って下さい。それから、参加賞として、タンサンDです。これをお持ち帰り下さい。」


店員のアンドロイドは、20人目から後の、人間をお姫様抱っこしたアンドロイド達に、作務衣の両ポケットから青色の、記憶を一部を忘去させる睡眠薬の錠剤と、アンドロイド達がアプリをダウンロードする速度を一時的に少し上げる、同じく錠剤ほどの大きさのボタン電池のような物"タンサンD"を配り始めた。お姫様抱っこをしたアンドロイド達の人数は、全部で50人ほどだった。それらを配り終えると、また店員のアンドロイドは、キャバクラ・ガンダーラへと戻って行った。



   

      一 天竺 ヘルス・ウルフ 一




アスナは、ヘルス・ウルフに入り、受付で、首から上だけの写真で、10人ぐらいいるアンドロイド・ヘルス嬢の中から、顔が美人の横綱・マイを指名して、部屋に案内された。部屋の中には土俵があった。


アスナ「なんだ、この店は!!どんなプレイをする店なんだ!!」


少しして、顔が美人で、長い黒髪を茶色のシュシュでくくり、体が大きくて体重150キロ・身長2メートル程の筋肉質の女のアンドロイド・舞が、白のカッターシャツ1枚だけ着て入って来た。


舞「こんにちわ。お兄さんは初めて?私は横綱の舞。よろしくね。」


アスナ「ああ。こちらこそ、よろしく。」


舞「じゃあ、服脱いで。」


アスナは、魔王の騎士のトレードマーク、紺のジーンズと白のTシャツを脱いで全裸になり、舞も白のカッターシャツを脱いで、全裸になった。舞は、腹筋がバキバキに割れて、ペチャパイだった。


舞「じゃあ、土俵にあがって。いくわよ!!ハッケヨイ!!ノコッタ!!」


アスナが土俵に上がると、身構えるまでもなく、舞のぶちかましがアスナを吹き飛ばした。


アスナ「うわあっ痛っええ!!」


アスナは、土俵から床に転がり落ちた。


舞「私の特技、不意討ちよ。さあ、2回戦始めましょ!!」


アスナ「ちょっと待て待て!!ここは相撲部屋かよ!!ヘルスなんだろ?ヘルスらしいことはしないのかよ!!」


舞「お兄さんは、スタンダードコースの60分だから、最初の30分は相撲、残りの30分がヘルスだよ。」


アスナ「30分も、お前と相撲とってたら死んでしまうわ!!」


小さな骸骨のおじさん・ハッコツが、アスナの脱いだジーパンの上に現れた。


ハッコツ「アスナ!!ヘルスで遊んでる場合じゃないぞ!!魔王様!!お前の姉さんが死んだぞ!!」


アスナ「はあ?何言ってるんだ?シノビの姉ちゃんが死ぬわけないだろ。」


ハッコツ「お前達が天竺に行っている間に、魔物達がデビルタウンに攻めて来たんだ!!それで、お前の姉さんは、元2代目のゴリラの魔王に殺された!!」


アスナ「なんだって!!」


ハッコツ「とにかく、今すぐ店を出て時計台へ行け!!お前だけだぞ、ヘルスで遊んでいるのは!!他の魔王の騎士達は、みんな時計台で待機しているぞ!!」


アスナ「わ、分かった。横綱、代金ここに置いとくな。またな!!」


アスナは、土俵の円が少し窪んだ所にお金を置いた。


舞「え?もう帰るの?私の特技、猫だましを見ていかない?」


アスナ「横綱は、そんなセコい技使わねえよ!!」


アスナは、服を着て慌てて店を出て、時計台へと向かって走った。


アスナ「俺が、デビルタウンの街の金で、風俗遊びなんかするから罰が当たったんだ!!姉ちゃん、ごめん!!ごめんよ!!」

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