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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 訓練?(魔王・勇者・地獄サイド)

キャバクラ・ガンダーラの店内は、75畳程の和室で、幾つものチャブ台があり、そのチャブ台を囲んで、花柄の作務衣を着た、坊主頭のアンドロイドや人間のホステスと、人間の客達が、座禅をして話をしていた。


シーラ「ユリさんをお願いします。」


店員「ユリさんですね。では、あちらの滝で少しの間、体を清めていて下さい。店の奥のトイレの隣が、更衣室になっております。そこで、白装束に着替えたら、あちらの滝に打たれながらお待ち下さい。」


店のカウンターの隣に、ひと一人分ほどの小さな滝が勢いよく流れていた。


シーラ「あの・・・・滝はちょっと・・・・濡れたくないんで・・・・。」


店員1「・・・・お客様、お帰りです!!」


店員一同「ご来店、ありがとうございました!!」


シーラが滝に打たれるのを拒んだ瞬間、3人の坊主頭で、アンドロイドの女店員達が、シーラの腕を掴んで、店からつまみ出そうとした。


シーラ「分かった分かった。ぜひ、あの滝に打たれたいなあ。この薄汚れた心を、あの滝で洗い流したいなあ。」


その言葉を聞いた瞬間、店員達の動きが止まった。


店員1「お客様、1名入店です!!間もなく、滝、入ります!!」


店員一同「寒いよ!!寒いよ!!でもファイト!!」


客達「寒いよ!!寒いよ!!でもファイト!!」


そして、シーラに対して拍手が沸き起こった。


シーラ「な、なんだ?・・・・このキャバクラは・・・・これが、修行キャバクラってやつか!!」





       一 悪魔学園 道中 一



ヌエ人間達は、ケンイチの気合い注入ゴリラパンチで気絶して倒れ、リーダー・セオだけとなった。セオは、倒れている部下達を見て、気がついた。


セオ(そうか。そういうことだったのか!!こいつは、誰かに倒された、または自分で倒した俺達の同志のハチマキを巻いているんだ!!だから、こいつは俺達の仲間じゃない!!)


しかし、気づくのが遅かった。


召喚獣・ケンイチ「いよいよ、お前だけとなった。お前には特別に、超特大の気合いを注入してやろう!!いくぞ!!気合いだ!!ゴリラパンチ100連発!!」


セオ「ヒィィィィィィィィ!!」


ケンイチは、セオの顔面に100発ゴリラパンチをぶち込み、セオの顔面は陥没した。そして、セオは倒れた。


召喚獣・ケンイチ「さてと・・・・だいぶ暗くなって来たな。」


ワイン社長「そうね。さあ、ミナさんの後を追いかけましょう。あっちの方へ飛んでったわ。」


ケンイチとワイン社長は、ラブホ通りに向かって歩き始めた。





     一 デビルタウン ラブホ通り 一



ファージの足元に、ハッコツが現れた。


ハッコツ「ファージ、魔王様がこちらへ飛んで向かっているぞ!!そろそろ着くはずだ。」


ファージ「うおっその足元に現れるのやめろ!!そのうち踏まれるぞ!!ありがとな、ハッコツ。」


ファージ「消防団のみんな!!あと少しで魔王様が来てくれるぞ!!だから、それまで頑張ってくれ!!」


ナガヤマ「お前ら、気合い入れろ!!ぐおおおお!!痛風が!!もろきた!!ドスでブスッと腹を刺されたような痛みが、もろきた!!」


ナガヤマは放水をやめて、右足を地面に触れないように座り込んだ。


デビルタウン消防団達「ふざけやがって!!何が気合い入れろだ!!」


「ったく、あれでよく団長か務まるぜ!!」


「お前が気合いを入れろってんだ!!」


チーフ・タケトは、少し立ち止まった。


タケト「魔王様だと!!あの女、天竺に行ったんじゃなかったのか!!まあいい。変身したこのゴリラなら、この熱気であのガマガエルは近づけないはずだ!!だが念のため、あの女を真っ先に抹殺してやる!!」


上空では、チーフ・タケトの応援に遅れて駆けつけた、顔がコウモリで体が人間のコウモリ人間達が、圧倒的な数でホワイトナイト達に襲いかかっていた。


シルビア「クッかなり空が暗くなってきた。空中での戦いは不利だ!!みんな!!街灯が近くにある、建物の屋根の上に降りて戦うよ!!」


ホワイトナイト達は、ラブホや街中の家の屋根の上に降り始めた。


コウモリ人間達「あいつら、屋根の上に!!クソッ俺は今まで歩いたことがねえ!!」


「お前ら!!汚いぞ!!空中戦で勝負しろ!!」


「そうだそうだ!!お前ら!!空の男だろ!!」


シルビア「私は女だしー。そこのお前、私にジャンケンで勝ったら、空で戦ってやるよ。」


シルビアは、一人のコウモリ人間を指差して言った。


コウモリ人間1「人を指差すな!!よし、じゃあ、ジャンケンしようぜ!!ちょっと、屋根の上に降りるからな。」


コウモリ人間1は、ゆっくりそっと、屋根の斜面に降りたが、立っているのがやっとだった。


コウモリ人間「いくぞ!!最初はグー!!ジャンケン、うおおおお!!バランスが、バランスがとれねえ!!」


コウモリ人間1は屋根から滑り堕ちたが、すぐ飛んで上がって来た。


シルビア「なにやってんのよ!!」


コウモリ人間1「勝負はお預けだ!!」


そう言って、コウモリ人間1は、空中のコウモリ人間達の群れの中へ戻った。


コウモリ人間達「俺には無理だ!!あんな斜面の屋根の上に立つなんて。」


「恐ろしい。あの斜面の屋根は魔物だ!!甲子園には魔物がいると言うが、たぶん、それと似たような感じの魔物だ。」


「クソッまるでスクイズで、1点リードされた気分だな。」


コウモリ人間・リーダー・ショー「お前ら、何も屋根の上に降りて戦う必要はない!!上空から襲って、蹴り落とせばいい!!」


コウモリ人間達は、リーダー・ショーを筆頭に、屋根の上にいるホワイトナイト達に休む暇を与えまいと、上空から急降下しての蹴り技で、攻撃を仕掛けた。


シルビア「フフッ掛かったわね。羽根アリ!!ライト点灯!!」


羽根アリバイクの両目が点灯して、周りを少し照らした。シルビア率いるホワイトナイト達は、羽根アリバイクから降りて、金属バットを持って構えた。




      一 デビルタウン ラブホ通り 一



魔王・ミナ「ファージ、お待たせ!!」


魔王・ミナが上空から声をかけ、ファージの近くに降り立った。


ファージ「おお!!魔王様!!あのゴリラが、ここを突破して街に入ろうとしてます!!あのゴリラは、物凄い熱気のシールドを張っていて、近づくことができません!!さらに、あのゴリラの後方には、多くの魔物軍団が控えています!!」


ミナは、タケトの周囲に、陽炎がたちこもっているのを見て納得した。


魔王・ミナ「分かったわ!!あのゴリラに太刀打ちできるのは・・・・出でよ!!キング・オブ ワイルド!!」






悪魔学園からラブホ通りに向かって歩いているケンイチが、突然ぼやけ始めた。


召喚獣・ケンイチ「あっミナが召喚している!!」


ワイン社長「ちょっと待って!!ったく、あなたは忙しい人ね。人じゃなかった、忙しいゴリラね。」


召喚獣・ケンイチ(俺は、本当は人間なんだけどなあ。ハッ俺は最近、自分がゴリラだと思い始めている!!好きなものはリンゴ、バナナ、サツマイモ!!いや、違う違う!!俺が好きなものはカレー!!カレーライスだ!!しっかりしろ!!ケンイチ!!)





ケンイチとワイン社長が、ミナの近くに現れた。ワイン社長は相変わらず、ケンイチの右腕を思いっきり両手で掴んで、腕を絡ませていた。


ワイン社長「久しぶりに、山道を歩いたわ。もう、足がクタクタ。」


魔王・ミナ「ワイン社長、こちらへ。キング・オブ・ワイルド!!あのゴリラを倒して!!あいつは、熱気のシールドを張ってるみたいなの!!あなたとは、正反対のスキルよ!!」


ミナは、ワイン社長の手をとって、ファージの後ろへ。


ケンイチ「また、あいつか。一筋縄ではいかないが、今日こそ決着けりを着けてやる!!俺に任せろ!!お前らは、後ろに下がってろ!!」


ファージ「ナガヤマさん!!魔王様が来られた!!放水止めだ!!」


ファージの声を聞いて、ナガヤマは、座り込んだまま号令をかけた。


ナガヤマ「放水止め!!」


デビルタウン消防団は放水をやめたが、いつでも水魔法・ウォーター・ガンを放てるように構えていた。


ナガヤマ「ゴリラは鎮火した。これにて、水魔法基本操法訓練を終了する。尚、デビルタウン南地区集会所で、食事の用意が出来ておりますので、団の皆さんは集まって下さい。では、解散!!」


魔王・ミナ「え?これって訓練だったの?」

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