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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 ゴリラの降る街(魔王・地獄サイド)

空中で、ミナとマムシ男爵は向かい合い、ミナは、微笑みながら挨拶をした。


魔王・ミナ「こんにちわ。」


マムシ男爵「ん?誰だ、お前は?・・・・女か・・・・もしかして、噂の青空デリヘルってやつか?俺はデリヘルなんか呼んでないし、お前は俺のタイプじゃない。人違いだ!!」


魔王・ミナ(なにコイツ!!顔が蛇じゃん。気持ち悪い!!青空デリヘルって何?そんなのがあるの?ってか、蛇にタイプじゃないとか言われたんだけど・・・・。)


魔王・ミナ「いや、その・・・・あなたの手伝いに来たの。」


マムシ男爵「チーフに言われて来たのか・・・・せっかくだが、お前に手伝ってもらうことはない。危ないから、少し下がってそこで見てろ。」


魔王・ミナ「はい。」


ミナは、さりげなく、マムシ男爵の後ろに回りこんだ。


魔王・ミナ「イナズマ・クナイ!!」


マムシ男爵「グワアアア!!クッ貴様!!何をするんだ!!」


ミナの電撃を帯びたクナイが、マムシ男爵の背中に刺さり、マムシ男爵は、全身痺れながらも魔法の壺を持ったまま、ミナの方を振り向いた。すかさずミナは、クナイを投げて、魔法の壺を割った。


マムシ男爵「ギャアアアア!!」


割れた魔法の壺から、何匹かのマムシが出てきて、マムシ男爵の太股や脹ら脛を咬み、魔法の絨毯の上を這いずり回った。


マムシ男爵「ウオオオオ!!」


マムシ男爵は、魔法の絨毯にいる全てのマムシを蹴落とした。


マムシ男爵「お前は何者だ!!」


魔王・ミナ「私は魔王。このデビルタウンの魔王・ミナよ!!」


マムシ男爵「なんだと!!お前みたいな小娘が、このデビルタウンの魔王なのか!!しかし、さすが魔王だ。チーフのセフレを装って、背後から攻撃するとは・・・・おかしいとは思ってたんだ。あのゴリラに、こんな知的そうな女ができるわけがないと・・・・さすがの俺も、これだけのマムシに咬まれると、そう長くは生きられまい。かくなる上は、お前を道連れにしてやる!!」


魔王・ミナ「セフレを装ったつもりはないんだけど・・・・。」


マムシ男爵は、ミナに向かって薄い青色の毒霧を吹きかけたが、とどかなかった。


魔王・ミナ「キャアアア!!危なかった。うわっこっちに向かって来てる!!」


マムシ男爵は、魔法の絨毯に乗ってミナに迫り、毒霧を吐き続けたが、ミナは、のらりくらりとかわし、マムシ男爵が死ぬのを待った。しかし、なかなかマムシ男爵は死ななかった。


魔王・ミナ「クナイが背中に刺さって、しかも、あれだけのマムシに咬まれたのに、まだ死なないの?もしかして、マムシの毒は効かないとか。でも、さっき、俺はもう長くはないとか言ってたし・・・・。」


ミナのワーム・ウイングの魔法の効果が、徐々にきれかけ、スピードが少し遅くなっていた。


マムシ男爵「ハアッハアッいける!!あいつのスピードは、さっきより遅くなっている。あの綺麗な顔に、俺のこの毒霧をぶっかけて、ぶち殺してやる!!ハアッハアッ。」


魔王・ミナ「そろそろ魔法もきれそうだし、クナイはもったいないから、投げたくないし・・・・ガマを呼んで呑み込んでもらおうかしら。でも、相手は蛇だから、ガマは嫌がるだろうなあ・・・・こうなったら、一か八かキング・オブ・ワイルドを。ケンイチさんなら、きっとなんとかしてくれるはずだわ。出でよ!!キング・オブ・ワイルド!!」






ケンイチとワイン社長は、店の中からぼんやりと空を眺めていた。


ワイン社長「蛇の雨が止んだみたいね。」


召喚獣・ケンイチ「そうだな。と言っても、まだ外は蛇だらけ。もう少しここに居よう・・・・なっ体がぼやけている・・・・まさか、また召喚されるのか・・・・。」


ワイン社長「ええ?今、私が召喚してるのに!!召喚の召喚ってこと?」


召喚獣・ケンイチ「どうやら、召喚されるみたいだ。とりあえず、あんたはここに居てくれ。あんたの任務はまだ達成していないから、用件が済めば、俺はまた、ここに戻ってくるはずだ。」


ケンイチはそう言うと、その場から消えた。


ワイン社長「どうしよう・・・・恐いわ。またあの大蛇がやって来たら、今度こそ呑み込まれてしまう。呼び戻そう!!出でよ!!キング・オブ・ワイルド!!出でよ!!キング・ワイルド!!」


ワイン社長は何度も叫んだが、ケンイチは現れなかった。


ワイン社長「出でよ!!ゴリラ!!」


ワイン社長「ゴリラ消え 蛇這う街路と 曇り空」









ケンイチは、マムシ男爵の数メートル頭上に召喚されていた。下を見ると、ミナが飛んでいて、マムシ男爵の毒霧をかわしていた。


召喚獣・ケンイチ「なっここは空?うおっ落ちる!!うわああああ!!」


マムシ男爵「クソッこの小娘め!!ちょこまかちょこまかと・・・・ん?なんか叫び声が聞こえるな。」


マムシ男爵が、キョロキョロと辺りを見回していると、だんだんと叫び声が大きく聞こえ始めた。


マムシ男爵「う、上か!!な、なんだ?なぜ、土木作業員が!!ギャアアアア!!」


ケンイチの背中が、マムシ男爵の頭に当たり、マムシ男爵は魔法の絨毯から落ちて、ケンイチとともに、何百万匹、いや、何千万匹はマムシが這いずり回っていると思われる、噴水広場の方へ堕ちていった。


魔王・ミナ「狙いどおりだわ・・・・ケンイチさん、あなたのことは忘れない。さよなら、キング・オブ・ワイルド・・・・。」


召喚獣・ケンイチ「なんだ、あれは?なんか動いているぞ。」


マムシ男爵「あれはマムシだ。お前は俺と一緒に、あのマムシの海に堕ちるんだよ!!先に地獄で待ってるぜ!!ゴートューヘル!!ギャハハハハ!!」


召喚獣・ケンイチ「ミナの奴、なんてとこに召喚するんだ!!ったく。コイツは、間違いなく地獄行きだな。おい、蛇のおっさん!!地獄建設の仕事は大変だぞ!!」


マムシ男爵「はあ?地獄建設?何を言ってるのか分からんが、俺は地獄に着いたらまず、思いっきり走るんだ。どこまでもとこまても、地平線の彼方まで、俺は走り続けるんだ!!俺は、地獄のランナーになるんだああああ!!」


マムシ男爵は、マムシの海の中に消えた。ケンイチの目の前にも、マムシの海が迫っていた。


召喚獣・ケンイチ「ゴリラモー・・・・」


ケンイチは、イエティになろうとした瞬間、その場から消えた。


ミナは、ケンイチとマムシ男爵が、マムシの海に堕ちる様子を見ていた。


魔王・ミナ「・・・・なんてね。返還!!キング・オブ・ワイルド!!フフフッケンイチさんにも、このマムシの海を見てもらいたくて。ケンイチさん、怒ってるかな。」







召喚獣・ケンイチ「イテッ」


ワイン社長の目の前の床の上に、ケンイチは落ちた。


ワイン社長「あらっもう帰って来たの?良かった。私は不安で不安で。見て、警備員の人達がマムシを捕獲しているわ。」


ケンイチが外を見ると、デビルセキュリティの魔物や人間の警備員達が、Yの字の木の枝と、ゴミ袋にマムシを1~2匹入れて歩いていた。




狼男の警備員「隊長、マムシをデビル市役所に生きたまま持っていくと、3000円貰えるって本当ですか?」


警備隊長・ヒロム「本当だ!!確か、お前は契約社員だったな。ボーナスがないお前らにとっては、いい臨時収入になるかもしれないが、だからと言って、無理して何匹も捕ろうとするなよ。10匹捕ったところで3万だからな。決して、マムシを100匹捕って、30万の臨時収入を得ようなんて考えるなよ。そういう考えは、マムシに咬まれる元だからな。」


狼男の警備員「はい。マムシに咬まれると、死ぬんですか?」


警備隊長・ヒロム「最悪死ぬ。たぶん、魔王病院も、このマムシで咬まれた奴等でいっぱいで、マムシの血清は、もうないんじゃないのか?なんでも最近、新しく来たコウモンミチコっていう女の医者が、失敗しまくりらしいぞ。」


警備員「マジですか!!なるべく病院に行かないように、日頃から体の健康管理に気をつけるようにしないといけませんね。」


警備隊長・ヒロム「そうだな。」


警備隊長・ヒロム(俺は何よりも、この警備員の仕事をやめたい。あ~あ、宝くじでも当たらないかな。2億ぐらい。)






           一 天竺 一


魔王の騎士副隊長・シーラ「なに!!そんなバカな!!俺達が回るのか!!」


魔王の騎士・アスナ「みたいですね。しかも、かなり速いですよ!!」


テーブルの上に置いてある寿司は動かず、客の座っている椅子が、テーブルに沿って動いていた。


シーラ「クッ俺はサーモンを食べたいが、選んでいたら取り損なってしまう!!この際、目の前にある寿司皿を取っていくしかない!!」


アスナ「クソッさっきからプリンとカッパ巻きばっかりだ!!なんか、動く椅子に座ってると、気分が悪くなってきた・・・・さすが、店の名前がゴリンジュウだ!!」

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