中間地点(勇者サイド)
ケンイチ達は、中間地点に着いた。中間地点には、デビルロッジという旅館があり、デーモン達が接客をしていた。昼過ぎだったので、ここで昼食をとることにした。旅館の横には道場ができており、世界各国から強い魔物を求めてやって来た猛者達が、組手や技の練習をしていた。武者修行として、魔物達の無法地帯だったアスパラ山は、観光地になっていた。魔物達は、猛者達と闘って勝つか負けるか分からない、しかも痛い思いをして金を得るよりも、登山客を迎え入れて、接客をして金を得る方向に切り替えたのだった。しかし、そんなことを知らない猛者達は、いまだにアスパラ山に武者修行にやってくる。で、猛者達は猛者達同士でやってくれということで、魔物達は猛者達のために、ついでに道場も建てたのだった。ケンイチ達は、昼食を食べ、道場に行った。道場には、昆虫人の猛者達が多くいた。頭がミヤマクワガタの昆虫侍ミヤマが、セイジに話しかけてきた。
昆虫侍ミヤマ「おい、そこの若い兄ちゃん、お前剣士だろ、俺と竹刀で組手をしようぜ。」
セイジ「・・・・よし、やろう。」
ケンイチ「セイジ、大丈夫か?」
セイジ「大丈夫じゃないけど、強くなるために来たんだ、頑張るよ。」
ミカ「セイジさん、頑張って。」
昆虫侍ミヤマ「可愛い彼女の応援つきかよ、羨ましい奴だぜ。」
甘いな、その可愛い彼女はデリヘル嬢だ、彼氏じゃなくて客なんだよ。と、ケンイチは思った。
セイジと昆虫侍ミヤマは向かい合い、組手を始めた。竹刀と竹刀がぶつかり合い、なかなかいい勝負だ。セイジは、右足で昆虫侍ミヤマの腹に軽く蹴りをいれた。
昆虫侍ミヤマ「この野郎!!スクリューアタック!!」
昆虫侍ミヤマはムキになり、竹刀をセイジに投げつけると同時に、頭からタックルをしにいった。セイジは、飛んできた竹刀をガードしたが、ミヤマの頭が当り、2メートルほどふっ飛んだ。
竹刀いらないじゃん、なんて汚い組手だ、なんで侍なんだ?あのクワガタ。と、この組手を見ていた猛者達は思った。
昆虫侍ミヤマ「俺の勝ちだ、戦利品として、これは貰ってくぜ。」
昆虫侍ミヤマは、セイジの右ポケットから財布を抜き取った。
セイジ「イタッ」
セイジは意識はあるが、起き上がれそうにない。
ミカ「セイジさん、大丈夫?ウインターカムヒアー!!」
ミカが魔法を唱えると、かまくらが現れ、セイジはその中に引きずり込まれた。
この光景は、デリヘルから始まる恋物語なのか?セイジ、お前は凄い男だ、ただの一介の客から、彼氏候補にのし上がるとは。今日もデリヘル呼ぶんだろ?金を取り戻さないとな。と、ケンイチは思った。
ケンイチ「おい、今度は俺とやろうぜ。」
このゴリラはやばいだろ、と昆虫侍ミヤマは思い、
昆虫侍ミヤマ「断る、俺はこれから用事があるんだ。」
そう言って、昆虫侍ミヤマは、その場から立ち去ろうとした。




