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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 魔王の騎士隊長ファージ キャバクラへ(魔王・キャバクラサイド)

天竺出発3日前の朝、魔王の騎士隊長ファージは、時計台の2階、魔王石の近くにテーブルと椅子を何席か置き、魔王の騎士副隊長シーラと話をしていた。シーラは、20代後半の髪は金髪、若い男で、長袖のベージュのニットに、臼い紺のジーンズ、水色のスニーカーを履いていた。


ファージ「シーラ、私の代わりに魔王様と天竺へ行ってくれ。私は、例の件でここに残る。」


シーラ「あのダッチワイフのことですね。」


ファージ「そうだ。それにあと、デビルタウンの林の中にある洞窟に、魔物の勇者がいるという噂があってな。そいつらが何者か分からないが、攻めて来るかもしれないから、一応、警戒しとこうと思ってな。」


シーラ「魔物の勇者?」


ファージ「魔物達の間で、勇者と呼ばれているらしい。」


シーラ「訳が分かりませんね、近頃の魔物は。分かりました。では、魔王様と天竺へ行って来ます。」


ファージ「ああ。魔王様のことを頼む。ついでに、アホのサファリスのこともよろしくな。」


シーラ「分かりました。サファリスは、最近ブラジャーをしてるらしいです。ブラジャーをすると、魔力が上がるとか言ってるみたいで。」


ファージ「・・・・相変わらず、アホな男よ。」




その日の夜、ファージは、キャバクラ・チョチョリーナに来ていた。

ファージは、ダッチワイフの外見の情報から、アンドロイドで、三蔵法師ことルシファーではないかと疑っていたため、部下の騎士達に、ダッチワイフを捜すように命令していた。そして、部下達が、ダッチワイフがキャバクラ・チョチョリーナで働いていることをつきとめたため、今日、ここにやって来たのだった。


店の中に入ると、カマキリの昆虫人ホステス・カオルが出迎えた。


カオル「いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ。」


入口の手前のテーブル席に座り、キャバクラの中を見渡すと、そこそこ客が入っており、1席辺りに2・3人のホステス達が接客をしていた。ホステス達を1人1人見ていると、見覚えのある髪がピンクのホステスがいた。


ファージ(たぶん、あいつだ!!顔をよく確認しないとな。)


カオルが、おしぼりを持ってやって来た。


ファージ「ダッチワイフの人を指命したいんだが。」


カオル「ああ、明菜あきなさんね。あの人、人気があって・・・・もう少しだけ待ってもらえます?それまで、私で我慢してもらえないかな。はい、青汁割。これは、私からのサービスよ。」


青汁を焼酎で割った青汁割が出されると同時に、顔がトウモロコシで体が人間のポップ・マキと、顔がレモンで体が人間のレモナが、ファージの席にやって来た。


ポップ・マキ「お兄さん、この店、初めてね。ただいま、初入店の方にはサービスタイムが発生しております。」


ポップ・マキは、ファージの口の中に自分の顔を突っ込み、巨大なトウモロコシの粒を何粒か放り込んだ。ファージは、喉が詰まった。


ファージ「オウエッオウエッ」


ファージは激しく咳き込んだ。咳き込んでいるファージの目に、今度は、レモナがレモン汁を何滴か垂らした。


ファージ「グオオオオッ目が!!目がああああ!!」


ポップ・マキ「お兄さん大丈夫?はい、お水。」


ポップ・マキは、青汁割をファージに手渡した。


レモン汁投入で目が見えないファージは、青汁割をゴクゴクと飲んだ。


ファージ「オエッオエッ」


たまらずファージは、青汁割を吐き出した。


ポップマキ・レモナ「はあい、サービスタイム終了です!!この後も、ゆっくり楽しんでって下さいね。」


席が汚れたため、ファージは隣の席へ案内され、黒服達が掃除を始めた。カオルは、黒服達の1人に話しかけた。


カオル「明菜さん、お願いします。」


ファージ「ハアッハアッなんだ、あのサービスは。ハアッハアッ最近のキャバクラは、こんな感じなのか、ハアッハアッ。」


カオル「ごめんなさいね、お兄さん。うちの伝統芸になっちゃったの。最近は、野菜人間のお客さんも増えちゃって・・・・野菜人間の人は、ああいうのが好きなの。」


ファージ「私は、もう今回だけで充分だ。ハアッハアッ。」


ファージが落ち着いて少しすると、明菜がやって来た。


明菜「はじめまして。新人の明菜です、よろしくお願いします。」


明菜は、ファージに名刺を渡した。ファージは、名刺を見ながら明菜の顔を見た。


ファージ(こいつは間違いない!!あのときに前魔王様と見た三蔵法師・・・・ルシファーだ!!)


明菜の方は、全くファージのことを知る由もなく、世間話を始めた。


明菜「私、この仕事を始めて、まだ1ヶ月と少しなんです。」


カオル「そうそう。だけど、手際のよさとこの人気ぶり、キャバクラの間では、伝説のホステス・レイコの再来と言われてるんですよ。」


ファージ「やり手なんですね。」


明菜「あの~、お客さんは、どんな仕事をされてるんですか?」


ファージ「詳しくは言えないんだけど、公務員です。」


カオル「え~、公務員なんですか!!凄い!!」


ファージ(三蔵法師ことルシファー、店から出たら外で待ち伏せをして、叩き斬ってやる!!)


明菜(この不景気なご時世に公務員とは・・・・こいつは、いい金ヅルになるかもな。)

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