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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4  キング・オブ・ワイルド誕生(地獄サイド)

青鬼2は細い道を渡りきり、青鬼1とハイタッチをした。


青鬼1「グッジョブ。ナイスショルダー!!」


青鬼2「どうせ死んでも、あのゴリラは、すぐ地獄に来ることになるんだからいいだろ。」


青鬼1「んん?おい、雪が少し降って来たぞ!!」


青鬼2「おお!!地獄に雪か・・・・いい奴が死んだら雪が降ると言うが、あのゴリラは、根はいい奴だったのかもしれんな。」


青鬼1「いやいや、いい奴は、地獄になんか来ないだろう・・・・んん?おい、針山の上に人影が見えるぞ!!」


針山の上に、ケンイチがドラム缶を担いで立っていた。ケンイチは、冷気に覆われた白いゴリラ・イエティとなり、針山の上を歩いていた。


青鬼2「あれは人影じゃない!!ゴリラ影だ!!」


青鬼1「そんなこと言ってる場合か!!あのゴリラ、針山に堕ちたのになんて野郎だ!!」


ケンイチは、針山に串刺しになっている労働者達を拾いに来た巨大な骸骨の鳥・ヘルバードの脚を片手で掴み、空を飛んだ。そして、凝固剤をシリウスに置いとくようにと言われた場所辺りで飛び降り、ドラム缶を置くと、青鬼1と青鬼2を殴り飛ばした。


青鬼1「ギャア!!」


青鬼2「ホゲエ!!」


ケンイチ「人が一生懸命仕事をしているのに、それがお前らのやり方か!!」


青鬼2「ち、違うんだ!!あれはわざとじゃないんだ!!ちょっと小石につまづいたんだ!!」


ケンイチ「嘘つけ!!」


騒ぎを聞いて、他の赤鬼や青鬼達が何人かケンイチの回りに集まり、一斉にケンイチを抑えつけようとしがみついたが、冷気に覆われたケンイチは冷た過ぎて痛く、触れるとすぐ飛び退いた。ケンイチは、ことごとく鬼達を殴り飛ばした。


鬼達「なんだコイツは!!強い!!強すぎる!!おい、誰か、もっと鬼を呼んでこい!!」


「労働者のお前らも手伝え!!それから、与作さんを呼んでこい!!」


鬼・労働者達「グワッグエッ」


ケンイチ「お前ら全員、ぶっ殺してやる!!イエティ・パンチ!!」


ケンイチは、かかってくる鬼や労働者達を、殴ったり投げ飛ばし続けた。


少しして、現場監督の与作と何人かの鬼達がやって来た。


与作「やめろ、お前ら!!それ以上暴れると、今日のお前らの日当分は無しにするぞ!!」


日当は無しという与作の一喝で、騒動がおさまった。


青鬼2「このゴリラが、突然殴りかかって来たんです!!」


ケンイチ「お前が俺を、針山に突き落としたからだろうが!!」


与作「もういいからやめろ!!喧嘩両成敗!!さっさと仕事の続きをしろ!!」


全員がそれぞれ持ち場に戻り、ケンイチもその場を離れ、倉庫に戻ろうとしたとき、目の前にスーツを着たキツネ男・エッグが現れた。


エッグ「すいません、ケンイチさんですね。私、召喚獣の派遣をしているエッグと言います。はじめまして。」


ケンイチ「召喚獣の派遣?」


エッグ「はい。実は、あなたの強さを見込んで、召喚獣になって貰おうと思いまして。」


ケンイチ「いや、今、地獄で働いているから、召喚獣にはなれないな。」


エッグ「大丈夫です。先程、こちらの現場監督の与作さんに、話を通しておいたんで。」


ケンイチ「そうなのか?」


与作が、ケンイチの側にやって来た。


与作「ケンイチ、地獄で働きながら、副業で召喚獣をやってもいいぞ。その方が、三途の川の通行料を早く稼げるし。ちなみに、地獄の時給は、1年目は790円でかなり安い。」


エッグ「もし、ケンイチさんが召喚獣になるとすると、魔王・ミナさんと、それから大手会社の社長・ワインさんに召喚されることとなります。因みに、ケンイチさんが1回召喚されると、ケンイチさんの口座に1万円振り込まれます。」


与作「20回召喚されれば、三途の川の通行料が稼げる。地獄としても、地獄の法則が適用されず、ポチさんや鬼達より強いお前には、さっさと出て行ってほしいんだ。だから、召喚獣になれ。」


エッグ「はい。ぜひとも、私共の召喚獣に登録お願いします。」


ケンイチ「分かった。」


エッグは、バインダーに挟んだ1枚の契約書を渡し、ケンイチは目を通した。


ケンイチ「キング・オブ・ワイルドって、俺のことか?」


エッグ「はい。コードネームみたいなもんです、特に意味はありませんが、私が勝手につけました。」


ケンイチ「・・・・。」


ケンイチは、契約書にサインをした。


エッグ「では、あなたが召喚されると、体がぼやけてくるので、それが召喚の合図となります。任務が達成、もしくは失敗すると、召喚終了となり、体がぼやけて元の世界に戻ることとなります。失敗した場合は、半額の5千円が振り込まれます。更新は1ヶ月ごとになります。1週間に1度位は、ケンイチさんの様子を見にこようと思うんで、何か不都合があれば、その時に言って下さい。」


ケンイチ「失敗したら、5千円か。」


エッグ「はい。まあ、なるべく頑張って、任務を達成してもらうということで。では、私はこれで。」


エッグは、守衛室の方へと歩いて行った。


ケンイチ「ヨシゾウさんにも言っておかないとな。」


与作「ヨシゾウには、俺から言っておこう。ケンイチ、ちょっとしんどいかもしれないが、頑張れよ。」


与作は、工事現場へと歩いて行った。


与作(フフフッケンイチが1回召喚されるごとに、俺の口座には5万円入る手筈になっている。バカとハサミは使いようだぜ!!5万入ったら、まずは観光地のソープの梯子でもするか。)

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