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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 新人 ケンイチ!!(地獄サイド)

ケンイチと青鬼の与作は、日替り定食を食べ終えて、地獄食堂を出た。そして、蓋の開いた、かなり大きな丸い(から)の缶詰のような乗り物に乗った。


ケンイチ「なんだ、これは?」


与作「これはパドル・シップと言って、車みたいなもんだ。あ、そうか、お前の世界には車がなかったな。えっと、なんだ、馬車というか小舟みたいなもんだ。」


ケンイチ「ふ~ん。」


与作は、パドル・シップの運転手に地獄建設の寮まで行くように言うと、運転手は、地面につけないように、空中をプラスチックのパドルで濃き始めた。パドル・シップは、ぐんぐんと進み、約10分程で、ポチのいる守衛室の向かい側にある白い建物、地獄建設の寮に着いた。


与作「ここが、今日からお前が寝泊まりする寮だ。お前の部屋は204号室、2階の4人部屋だ。後で作業着を持って行く。」



ケンイチが204号室に入ると、10畳ほどの広さで、シリウス、セナ、そして顔が猪で体が人間の猪人間が、くつろいで話をしていた。


シリウス「ま、魔王様!!」


セナ「どうして、ここに!!」


ケンイチが、シリウスとセナに、今までの経過を簡単に話していると、与作が作業着と黄色のヘルメットを持って来た。


与作「ケンイチ、早速だが、倉庫の方へ行って、ヨシゾウさんの手伝いをしてくれ。それからシリウスとセナ、過去のことは水に流して、セイジさんと仲良くしろよ。あの人は元勇者で、俺は尊敬してるんだからな。」


与作はそう言うと、部屋から出て行った。


ケンイチ「俺も一応、元勇者なんだけどなあ。」


シリウス「魔王様、セイジは元勇者だから、尊敬されてるわけじゃないんです。」


セナ「そうです。あいつは、一晩に5体のダッチワイフを抱く男だからです。全く話したり動いたりしないただの人形を、あいつは懲りもせず、毎晩5体抱くのです。ダッチワイフ好きの鬼達の間では、あいつは英雄です。」


ケンイチ「相変わらず、凄い性欲だなあ、あいつは。」


猪人間の男が、ケンイチに話しかけてきた。


猪人間「はじめまして、魔王様。私はゲンゴロウと言います。デビルタウンで、フリーターをしてました。これからよろしくお願いします。」


ケンイチ「こちらこそ、よろしく。」



午後3時の休憩が終わり、ケンイチは作業着に着替えて、シリウス、セナ、ゲンゴロウと共にパドル・シップに乗り込んだ。パドル・シップには、100人ぐらい地獄建設の従業員達が乗っており、運転手は5人で、5人とも青鬼だった。工事現場に着くと、ケンイチは挨拶をするように与作に言われた。新人は、ケンイチを含めて3人いた。ケンイチ以外は、2人とも人間だった。


与作「おい、みんな、ちょっと集まれ!!新人3人を紹介する。おい、お前ら、前に出て挨拶をしろ!!」


新人1「今日から地獄で働くことになったサキヤマと言います。前世では、主にコンビニや小さい店で、万引きをしていました。なので、しょっちゅう警察にお世話になってました。地獄では、真面目に働こうと思うので、よろしくお願いします。」


地獄建設の作業員達「小物だな。」


「真面目に働くって無理だろ。」


「俺と似たようなもんだな。」


新人2「今日から地獄で働くことになったハマチと言います。前世では、泥棒をしてました。晩年は、泥棒を引退し、空き巣をしてました。こんな私ですが、真面目に働こうと思うので、よろしくお願いします。」


地獄建設の作業員達「小物だな。」


「泥棒と空き巣って違うのか?」


「俺と似たようなもんだな。」


新人・ケンイチ「今日から地獄で働くことになったケンイチと言います。前世・・・・じゃなくて、今現在、ご、ゴリラをしてます。よろしくお願いします。」


地獄建設の作業員達「ハハハッなんだよゴリラって。そのままじゃねえか。」


「いや、しかし、強そうだな。」


「おい、あいつじゃないのか!!元魔王で、鬼達を何人も殴り倒したっていうのは!!ポチも倒したらしいぞ!!」


「嘘だろ?そんな奴が、ここで働いたりするわけないだろ。ただのゴリラだよ。」


与作「なお、ケンイチには地獄の法則が適用されず、不死身じゃないので、鬼の皆さんは、ケンイチを針山に落として殺したりしないように。」


鬼達(針山に落として、殺さないようにということは、事故かなんかで落ちたのはしょうがないってことだよな。)


(与作さんも人が悪い。遠回しに、俺達にあのゴリラを殺せと言ってるぜ。)


(与作さんに言われなくてもそうするさ、地獄の法則が適用されない奴は、俺達にとって脅威だからな。)


与作「よし、全員持ち場につけ!!新人達は、俺について来い!!」


ケンイチ達3人は、工事現場から少し離れた、鉄筋コンクリートのようなものでできた、かなり大きい倉庫に案内された。


与作「ヨシゾウさん、新人を3人連れて来た。好きに使ってくれ!!」


大きい倉庫の入口に、小太りで中年の青鬼・ヨシゾウが立っていた。


ヨシゾウ「了解。さっそくだがお前ら、アンドロイド達を"サメ"の中に放り込んでくれ。こいつらは、アップデートをして、すぐ地獄に馴染みやがる。このままほっとくと、大変なことになる!!」

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