表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
153/271

season 4 タケト 苦戦!!(勇者サイド)

タケトは、洞窟の温泉に浸かりながら思った。


タケト(せっかく元の世界に戻ったのに、家なしで洞窟暮らしかよ。これじゃあ、召喚獣の世界と変わらないじゃないか。おまけに、この洞窟は家賃がいるときた。温泉付きでも、普通、洞窟はタダだろ。)


タケトは温泉から出ると、横になって寝転がった。サイクロプスのヤスユキは、デビルタウンに戻って行き、ゴーレムのジムは、魔物達とサイコロで賭事を始めた。


タケトはいつの間にか寝てしまっていた。なにやら周りが騒がしいので目が覚めてみると、長袖のピンクのポロシャツに、モンペを履いた小柄なゴブリンのおばちゃんが、3人の冒険者パーティーを連れて洞窟に入って来ていた。


ゴブリンのおばちゃん「ジム、久しぶりだね。さっそくだけど、滞納している家賃を今すぐ払いな!!」


ジム「おばちゃん、明日まで待ってくれ!!必ず、明日払うから!!」


ゴブリンのおばちゃん「駄目だね、今すぐだ!!払えないなら、ここにいる冒険者の皆さんに引き渡すまでだ!!」


冒険者の若い男の剣士が、ジムを連れていこうと前に出た。ジムは、先程のサイコロの賭けで負け、金は持ってなかった。今日の夜、デビルタウンて殴られ屋をして、家賃とタケトの敷金を稼ごうと思っていたのだ。


魔物達「ジム、家賃は払わないとダメだろ。」


「そうだぞ、ジム。魔物として、ルールは守らないと。」


「ジム、お別れだ。お前のことは忘れない、あばよ。」


ジム「誰だ!!俺を売った奴は!!ちくしょう!!」


タケトは、魔物達とジムのこの会話を聞いて、情けなく思った。


タケト(律儀に家賃なんか払いやがって。魔物なら家賃なんか踏み倒せよ、しかも、よりによってゴブリンのババアが大家かよ、ゴブリンごときに仕切られてんじゃねえよ、このババアもババアだ、取立てに冒険者を雇うなよ、魔物なら、取立てぐらい自分でしろってえの。)


タケト「おい、そこの剣士の兄ちゃん、ジムをどこに連れていくんだ?」


剣士「人食い山だ。」


タケト「人食い山?」


剣士「そうだ、世の中に不利益をこうむる人や魔物、動物を処分する山だ。」


ゴブリンのおばちゃん「おっと、あんたも今日からここに住むんだろ?話は聞いてるよ、あんたもさっさと敷金を払いな、今すぐだ!!」


タケト「払わないと言ったら?」


ゴブリンのおばちゃん「フフフッさあね、どうなるんだろうねえ。」


ゴブリンのおばちゃんは、スウッと冒険者達の後ろに退いた。タケトの前に、剣士の若い男の冒険者、弓を持った中年の男の冒険者、同じく眼鏡をかけた、中年の傘を持った男の冒険者が立ち塞がった。タケトは、首をひねり、ポキポキと鳴らした。

突然、弓を持った冒険者の男が矢を放った。しかし、魔のオーラに覆われているタケトには効かず、弓は弾かれて畳の上に落ちた。


弓の冒険者「ほう、魔のオーラか。ジュン、頼む。」


中年の眼鏡をかけた男・ジュンが、傘をかざして魔法を唱えた。


ジュン「プロテイン・マッチョマン・マンハッタン!!」


弓と剣士の冒険者二人は、プロレスラーのようなムキムキの体格になった。


剣士「いくぞ、ゴリラ!!」


弓と剣士の冒険者二人は、タケトに殴りかかって来た。


タケト「コイツら、戦い慣れてやがる!!」


タケトは、ゴリラガードで、なんとかムキムキになった二人の、パンチや蹴りの連打を防ぐのて精一杯だった。


剣士「俺達は、世界各国を旅して戦って来た冒険者だぜ、お前のように、魔のオーラに覆われている奴とも何回か戦ったことがある!!対策はバッチリだ!!」


タケトは、たまらず魔のオーラを解除し、体長が2倍の大きさのゴリラになった。


ジュン「今だ!!二人とも離れろ!!」


弓と剣士の冒険者二人は、サッとタケトから離れ、ジュンが魔法を唱えた。


ジュン「喰らえ!!サンダーソード!!」


ジュンの手から、イナズマのようなレーザーが放たれ、タケトの腹を貫いた。


タケト「グワッ」


タケトは吹っ飛んで、温泉の中に落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ