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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 地獄を甘くみるな!!(地獄サイド)

ケンイチはポチを背負い、与作はポチの足を持って地獄を歩いていた。


ケンイチ「おい、青鬼。どこまで歩くんだ?」


与作「あと少しだ。ほら、見えてきた。あそこだ!!」


ポチと闘った所から20分程歩いて、ケンイチと与作は地獄の観光地に着いた。地獄の観光地は、青い綺麗で大きな池を囲むようにレストランや食堂、地獄ホテルや地獄旅館が何軒かあり、観光客で賑わっていた。


ケンイチ「なんだ、ここは!!あれは高校生?じゃないか!!」


与作「あれは、たぶん修学旅行だ。」


ケンイチ「地獄に修学旅行で来るのか?」


与作「生前に犯罪を犯すと、死んでからこういう目にあうぞという教訓を兼ねての修学旅行だ。高校生だけでなく、おっさんやおばさん達も、そういう意味で観光旅行に来ている奴もいる。」


ケンイチ「なんで、あいつらは拐わないんだ?ダッチワイフにするんじゃないのか?」


与作「そりゃお前、金を貰っているからだ。地獄の沙汰も金次第とは、まさにこのことよ。」


ケンイチ「なるほど・・・・。」


与作「さあ、ポチさんをあの池の中へ放り込もう。回復してすぐ元気になるはずだ。」


青い綺麗な池では、何人かの観光客が泳いだり、池沿いでバーベキューをしたりして楽しんでいた。ケンイチと与作は、ポチを池に放り投げた。少しして、ポチは池から上がり、体をブルブルと振るわせて、水を落とした。


ポチ「クソッケンイチに負けるとは。しかも、デビルタウンまで逃してしまって、門番失格だな。」


与作「ポチさん、こいつ、明日から地獄で働くそうです。三途の川の交通料を稼ぐために。」


ポチ「・・・・ケンイチ、地獄の時給は安いぞ。公務員みたいに甘くないぞ!!」


ケンイチ「分かってる。」


ポチ「お前なら、交通料を払わずに三途の川に行けると俺は思う・・・・じゃあな、ケンイチ。次は負けないぞ!!」


ポチは、空に浮かぶ地獄の門の下にある、守衛室の方へと歩いて行った。


与作「よし、じゃあ、あそこのドン底食堂に行こう。」


ケンイチと与作は、オレンジ色の屋根にドン底食堂と書かれた、2階建ての古びた建物の中に入った。


与作「考えるのめんどくさいから、日替りにしよう。おばちゃん、日替り2つ。」


厨房から、40代後半ぐらいの小綺麗な黒髪で、ショートカットのおばちゃんが出てきて、水を持って来た。


おばちゃん「はい、日替りね。」


おばちゃんは、注文をメモして厨房へ戻った。


与作「あのおばちゃんはな、生前に旦那を5人殺して、保険金で儲け、天寿を全うしたんだ。で、死んでからこうして、地獄で毎日飯を作っているというわけだ。」


ケンイチ「セイジは勇者だったのに、なんでアイツは地獄にいるんだ?」


与作「ああ、アイツはデリヘルの呼びすぎだ。勇者だから、割引も結構してもらってたみたいだしな。」


ケンイチ「そんな理由で地獄行きになるのかよ。」


与作「そうだ、地獄を甘くみるな!!」


おばちゃん「はい、日替りね。」


おばちゃんが、ご飯と味噌汁、鳥の唐揚げにサラダの日替り定食を持って来た。


与作「おいおい、おばちゃん。俺を殺す気か?鬼相手に豆ご飯を出して来るとは、さすが5人の旦那を殺すだけのことはある。」


おばちゃん「今日の日替りは豆ご飯だよ、嫌なら食べるのをやめな。」


与作「クッお前にやるよ、豆ご飯。」


ケンイチ「豆ご飯が食べれないとは。鬼も不憫だな。」


おばちゃん「あんた、鬼だからっていい気になってんじゃないよ!!地獄を甘くみてるんじゃないよ!!」

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