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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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新たなる旅立ち(勇者サイド)

昼飯を食べ、勇者ケンイチとセイジは、宿屋を出て、雇った魔法使いとの待ち合わせ場所、街の中央にある「ひだまり広場」へと向かった。宿屋から歩いて15分ぐらいで着いた。白のパーカーに、紺のデニム調レギンス、グレーのムートンブーツを履き、ラメ入りのピンクの杖を持った、小柄の若い女の魔法使いがいた。勇者ケンイチは、大きなゴリラなので、魔法使いの女はすぐに分かったらしく、歩み寄って来た。

魔法使いの女「こんにちわ、魔法使い派遣会社、ザ・マジックから来た、ミカといいます、よろしく。」

ミカはそう言うと、セイジにウインクした。セイジは少し照れ、顔が赤くなった。ケンイチは、なに照れてんだコイツ、昨日デリヘル呼んだくせに。このデリヘル野郎!!と、心の中で呟いた。


ケンイチ「よろしく。じゃあ、早速だけど、アスパラ山に連れてってくれ。」


ミカ「了解です、じゃあ、2人とも、もう少し私に近寄って。行きますよ、アスパラ山に、レッツラゴー!!」


ミカがそう言うと、3人は薄緑色の光に包まれ、アスパラ山に着いた。武者修行のイメージのはずのアスパラ山は、温泉街になっていた。


ケンイチ「おい、間違えたんじゃないのか?ここは本当にアスパラ山なのか?」


ミカ「間違えてないわ、ここはアスパラ山よ。噂じゃあ、魔王の提案で、デビル建設が温泉を掘り、温泉街を作ったらしいわ。」


セイジ「魔王って奴は、強いだけじゃないんだなあ。あの武者修行のアスパラ山を、温泉街にしてしまうとは。実業家としての才覚もあるみたいだなあ。」


ケンイチは、コイツ、昨日デリヘル呼んだくせに、まともなことを言いやがる。と、少しセイジに腹が立った。


セイジ「今日はとりあえず、宿を決めて、温泉巡りでもして、明日からの修行に備えよう、ケンイチもまだ全快じゃないだろう?」


ケンイチは、お前のせいで寝不足なんだよ、このデリヘル野郎!!と、思ったが、


「そうだな。」


と、答えた。


ケンイチは、予定通り宿屋に入り、夕飯を食べ、それから温泉巡りをして、今日こそはぐっすり眠ろうと、少し早めに床についた。すると、隣のセイジの部屋から、女の声が聞こえた。


女「こんにちわ、ミサキです、よろしくお願いします。」 


セイジ「こちらこそ、おいで。」


ケンイチ「おいおい、またデリヘルかよ、勘弁してくれよ。」


セイジ「隣の部屋にゴリラがいるから、あんまり大きな声ださないでね。」


ミサキ「了解です。」


セイジ「うおおお、ミカちゃん、最高だぜ!!」


ミカ「それは昼間だけ。今はミサキよ、お兄さんイケメンだから、今日も張りきっちゃう。」


ケンイチ「お前の声が一番でかいんだよ、ていうか、ミカってミサキかよ!!」


今日も、あまり眠れそうにないケンイチであった。

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