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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 4 タケト、始動(勇者サイド)

タケト「おい、下ろせ、お前ら。」


ジム「ハアッハアッこんだけ離れれば、もう大丈夫だろ。」


ヤスユキ「ゼエッゼエッそうだな。魔王様、せっかくデビルタウンに戻れたんだから、もう、あのガマガエルに関わるのはやめましょう。」


ジムとヤスユキは、ゴリラのタケトを下ろした。3人は、噴水広場まで来ていた。


タケト「街がシーンとしてるなあ。」


ジム「誰もいませんね。」


タケト「ここからなら、デビルヒルズが近いな。じゃあな、俺は帰って寝るわ。」


ヤスユキ「じゃあ、そこまで送ります。」


ジム「じゃあ、俺も送ります。」


3人は、デビル市役所とデビル建設を通り過ぎ、70段のダルマ落とし・デビルヒルズに着いた。タケトは、見上げてダルマに叫んだ。


タケト「おい、ダルマ!!帰ったぞ!!降りて来い!!」


ダルマ「お前はもう、魔王じゃない。ただのデカいゴリラだ。だから、ここにお前の部屋はない!!さっさと森に帰れ、野生のゴリラよ。」


タケト「なんだと!!いっぱしの口を聞きやがって!!」


タケトは、ダルマ落としを殴り始めた。


タケト「オラオラッ1段ずつ取っていってやる!!」


怒ったダルマが、タケト目掛けて空から飛び降りて来た。


タケト「うおっ」


タケトは間一髪で避けた。


ダルマ「もう、お前は魔王ではない。お前がいくら殴っても、魔王の部屋には入れない!!なぜなら、お前はただのゴリラになったのだから。」


タケト「このクソダルマ!!ぶち壊してやる!!」


ジム「魔王様、もうおやめください。」


ヤスユキ「魔王様、ストップストップ!!」


ジムは後ろから、ヤスユキは前から魔王に抱きついて取り押さえた。


タケト「放せ、お前ら!!あのダルマ、さっきからゴリラゴリラと!!腹が立つ!!」


ジム「魔王様、とりあえず温泉にでも行って、それから旨いものでも食べましょう。


ヤスユキ「そうですよ、魔王様。まずは疲れをとりましょう。」


タケト「温泉って、お前ら金持ってるのか?」


ジム「ないです。でも、俺の住んでいる洞窟に温泉があるんで、そこはタダです。」


タケト「おお!!そんなタダの温泉があるとは。早速行ってみよう。」


3人は、ジムを先頭に、街の外れにある温泉目指して歩いた。


タケト「ん?時計台がなくなってるぞ!!いったいどうなってるんだ、デビルタウンは!!」


ジム「空が異様に赤いし。」


ヤスユキ「なんか変ですね、デビル建設や市役所も閉まってるみたいだし。」


3人は、噴水広場を通りすぎ、入り組んだ住宅街の路地を抜け、ラブホ通りを越えて、林の中へ入って行った。


タケト「ジム、まだか?」


ジム「見えてきました、あそこです。」


洞窟というよりかは、大きなトンネルで、入口には大きな水色のトタンが、風避けがわりに置いてあった。トタンをのけて中に入ると明るく、床には畳が敷いてあり、多くの魔物達が温泉に浸かったり、畳の上に寝転がって話をしたり、トランプをして遊んだりしていた。


コボルト「おっお前はジム。久しぶりだな、生きてたみたいだな。大家さんが家賃を払えって言ってたぞ。」


野良犬の獣人・コボルトの一人がジムに話しかけてきた。


タケト「家賃?まさか、ここの?」


ジム「はい。」


タケト「洞窟なのに家賃がいるのかよ。」


ジム「はい。」


3人もさっそく温泉の中に入った。


魔物達「おい、そこのゴリラ。ちゃんと、そこの足拭きマットで足を拭けよ。」


「お前、今日から入居か。寝るときに、あんまり大きなイビキかくなよ。」


「ゴリラ、お前強そうだな。明日、俺達と一緒に冒険者をカツアゲしようぜ。」


タケト「ジム、俺もしばらくここで厄介になる。明日、大家さんに会わせてくれ。ヤスユキはどうする?」


ヤスユキ「俺はいったん街に帰って、加治屋をしようかと。」


タケト「お前はいいなあ。食いぶちがあって。俺も手に職をつけとくべきだったよ。」


ジム「じゃあ、俺と一緒に明日から、殴られ屋しますか?殴られ屋なら、1日ぐらい殴られたら、だいたい極められますよ。」


タケト「・・・・あれも職なのか?」


ジム「魔王様、殴られ屋をなめてもらっちゃ困ります。いかにお客様に納得いくように殴られるか、さらに急所を殴られないように、でも殴られているように見せなければいけません。」


タケト「・・・・そうか。」


殴られ屋を熱く語るジムに、何も言い返せない元魔王・タケトであった。

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