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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 3 立ちはだかる者、魔王ポチ(地獄サイド)

魔物達「おい、あの白いのはポチじゃないのか?」


「おお!!そうだ。ポチだ!!」


「ポチ、久しぶりだな。元気か?どうしたんだ?前は黒かったのに急に白くなって。なんか格好いいというか、知性を感じる。」


その白い大きくて犬のような生物は、頭が3つある白いケルベロス・ポチだった。ポチは、以前よりさらにひとまわり大きくなっていた。


魔王・ケンイチ「確かにポチだが、何か雰囲気が違う。みんな、気を抜くな!!警戒しろ!!」


魔王・ケンイチの注意で、魔物達は黙りこんだ。


与作とポチは、休憩している魔王・ケンイチと魔物・人間達の前まで来ると、立ち止まった。


ポチ「お前達は、地獄をむちゃくちゃにした。地獄の門番のバイトとして、お前達をこのまま帰すわけにはいかない。お前達は、地獄で一生、奴隷として働いてもらう。」


魔物達「ポチが言葉を喋ってるぞ!!」


「ポチ、バイトだろ?そんなに仕事に一生懸命になるなよ。」


「時給だろ?守衛だから850円ぐらいか?」



「おいおい、ポチ、そりゃないぜ。俺達仲間だろ、そんなこと言うなよ。」


「そうだよポチ、昔のよしみで見逃してくれよ。」


魔王・ケンイチ「ポチ、地獄をめちゃめちゃにするように言ったのは俺だ。コイツらは、俺の指示に従っただけだ。あと、女達は鬼に拐われて地獄に連れて来られた被害者だ。」


与作「黙れ!!元はといえば、死んでもないのに地獄に来たお前らが悪い!!ポチさん、コイツらを痛めつけてやって下さい!!」


ポチ「ケンイチ、連帯責任だ!!幸い、地獄の法則により、まともに戦える者以外は不死身だ!!だから、少し痛い目にあってもらう。そして、それから奴隷として一生ここで働いてもらう。」


与作「ポチさん、地獄の門が開いています!!確か次に門が開くのは、来週の金曜日だったはず!!」


ポチ「最近は、悪いことをして死ぬ奴が多くてなあ。1日1回、地獄の門を開けるようにしている。」


空を見上げると、学校の校門のようなショボい灰色の門が、全開していた。


魔王・ケンイチは叫んだ。


魔王・ケンイチ「ムカデバス!!女達を乗せたまま、デビルタウンまて全速力で走れ!!デビルタウンの野郎共、お前達もデビルタウンまで全速力で走れ!!デビルタウンに着いたら、地獄の門をくぐって、元の世界に帰るんだ!!早くしろ!!」


魔王・ケンイチは振り返り、ミナを見た。


魔王・ケンイチ「ミナ、探し物は見つかったか?」


ミナ「いえ、まだ・・・・。」


魔王・ケンイチ「これを持って、月を目指せ。月に行くことを目指せば、あらゆる問題が解決すると俺は信じている。」


魔王・ケンイチは、ジーパンの右ポケットから、直径10センチ程の多きさで、ハート型の金縁に赤いルビーのような魔王石のネックレスを出して、ミナに渡した。


ミナ「魔王様、こんな高そうな物、受け取れません。」


ファージ「魔王様、まさか・・・・。」


魔王ケンイチは黙って頷いた。


魔王・ケンイチ「ファージ、お前にはこれを。何かの役に立つかもしれん。」


ファージには、スピーカーのアンドロイド達が倒れたときに拾った、虹色の玉10個と、鬼達から貰った30万を渡した。


ファージ「ありがとうございます。」


魔王・ケンイチ「ファージ、みんなを連れてデビルタウンへ帰れ!!ミナとみんなを頼んだぞ!!いくぞ、ポチ!!デビルタウンの奴らには、俺が指一本触れさせない!!」


そう言うと、魔王・ケンイチは、ポチに向かって走って行った。


ポチ「ケンイチ、望むところだ!!まずはお前を秒殺して、それからデビルタウンの奴らを地獄に招待してやる!!」


ミナ「魔王様、私も一緒に戦います!!」


ファージ「ダメです。私は、あなたをデビルタウンに連れて帰るようにと命令を受けました。」


ミナ「放して。出でよ、ガマ!!」


巨大なガマガエルが現れ、ガマガエルもまた、ポチに向かって走って行った。


ポチ「ダイヤモンド・ギャラクシーシャワー!!」


空が煌めき、ダイヤモンドの雨が、ケンイチとガマの周りに降り始めた。


ケンイチは、背中の三日月刀を抜いた。


「心眼剣!!」


ケンイチは目をつぶり、降り注ぐダイヤモンドの雨を、頭の上で剣を振り回し、全て弾き落とした。


ガマは、ダイヤモンドの雨が当たる前に、走り疲れて消えてしまった。


ミナ「ガマ、何やってるのよ!!」


ファージ「みんな、走れ!!」


ファージは、ミナの手をとって、魔物・人間達はファージとミナの後を追うように、デビルタウンへと続く昇りの崖道を走り始めた。


ケンイチは、三日月刀を足元に置いた。


ケンイチ「確か、こいつには武器が効かなかったんだよな。いくぞオラッゴリラパンチ!!」


ポチの噛みつき攻撃や後ろ蹴りを交わし、ケンイチのゴリラパンチが何発もポチのボディにヒットしたが、体力が無尽蔵のポチは、倒れなかった。ケンイチは、殴り疲れた。


ケンイチ「ハアッハアッこの野郎、まだまだこれからだ!!」


ポチ「ケンイチ、俺は魔王の森で、魔王になる契約をして魔王になった。以前よりも数段強くなった。もう、地獄の番犬のポチじゃない、俺は、魔王ポチだ!!」


ポチは、素早い動きで、ケンイチの右太ももを噛みついた。


ケンイチ「ぐわああああ、痛ってええ!!」


ケンイチは、思いきり噛みついているポチの真ん中の頭を何発か殴り、なんとかポチの頭を外したが、その場に倒れた。


ポチ「ダイヤモンド・ギャラクシーシャワー!!」


ケンイチは、転がり回ってダイヤモンドの雨をかわしたが、腕と足に何個か当たってめり込んだ。


ケンイチ「痛ってええ!!ハアッハアッ」


ポチ「勝負あったな、ケンイチ。」


息切れしているケンイチに対して、ポチは全然息が乱れてなく、余裕の感じで、ケンイチを見下ろしていた。

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