season 3 奪還(地獄サイド)
魔王・ケンイチ「地獄にピラミッドがあるのか・・・・。」
与作「そうだ。歴代の鬼王様達の遺体を、人形として保存するための目的だったのだが、今は廃止され、鬼王様は墓に埋められるようになった。そして今、ダッチワイフ作りとして、ピラミッドは使用されている。そんなことより、早く再戦を撤回してくれ!!お前がこの勝負を拒否できないように、俺もこの勝負を拒否することはできない!!」
与作の右足は、再び温泉に入ろうとしていた。
魔王・ケンイチ「とりあえず、再戦撤回。じゃあ、そのピラミッドまでお前が案内しろ、それから青鬼達をおとなしくさせろ!!」
与作「分かった。」
地獄のオーラは消え、与作は負けを認めた。
与作「俺達の負けだ!!青鬼達は、工事現場に戻って仕事の続きをしろ!!」
魔王・ケンイチ「みんな、これから女達のいるピラミッドに行くぞ!!誰か、ムカデバスを連れて来てくれ。」
青鬼達は工事現場に戻り、魔王・ケンイチと魔物・人間の男達は、与作をムカデバスの頭に乗せ、続いて乗った。地獄に植物はなく、地面は赤色で暑くもなく寒くもない、秋のような気温だった。
魔王・ケンイチ「まだか?」
ファージ「おい、現場監督さんよ。嘘だったらお前、ここにいるみんなで、豆をぶつけまくるからな。」
与作「・・・・あれだ。」
与作は、ファージの言葉を無視して指差した。ピラミッドは、台形の黒い岩でできた洞窟のような感じで、中から僅かな光が出ていた。魔王・ケンイチと与作が戦った所から、約5キロほどムカデバスで進んで辿り着いた。ピラミッドの中に入ると、通路を挟んで、両端に無数の棺桶が並んであった。
魔王・ケンイチ「この棺桶の中か?」
与作「・・・・そうだ。」
ファージは、無数の棺桶から適当に選んで蓋を開けた。
ファージ「誰か分からないが、デビルタウンの女には違いないな。」
魔物・人間の男達「その女は、ヴァンパイアヘルスNo.1のマユミだ!!常連の俺には分かる。」
「おいおい、俺だってマユミの常連だぜ、あれはマユミじゃないだろ。」
「どれどれ、俺もマユミの常連だ、マユミは確か、右の乳首の横にホクロがあったはず。ちょっと服を脱がして確認しよう。」
ミナ「ちょっと皆さん、何やってるんですか!!さっさと棺桶から出してあげましょう!!」
魔物・人間達「おお!!そうだった。よし、みんな、さっさと助け出して、デビルタウンに帰ろう!!」
魔物・人間達は、一斉に棺桶の蓋を開けて女達をピラミッドから運び出し、ムカデバスに乗せた。
魔物・人間達「やったあ!!こいつはサキュパス48のサオリだ!!当たりが出たぜ!!」
「まじか?おお!!本当だ、サキュパス48のサオリだ!!」
「よし、俺はセンターのユカリちゃん狙いだ!!来い!!ちくしょう、外れだ。無名の一般人の女だ。」
「ユカリちゃん、来い!!ちくしょう!!」
「ユカリちゃん、カモン!!ちくしょう!!」
いつの間にか、魔物達は、サキュパス48のセンター、ユカリ狙いで棺桶を開けるようになった。残念ながらユカリは、デビル建設の地下に避難していたため、ここの棺桶の中にはいなかった。
与作「クソッ俺のダッチワイフ達がことごとく・・・・。」
魔王・ケンイチ「よし、女達を全員乗せたようだな。」
ファージ「はい。綺麗な女達ばかりで・・・・これで、少子化対策は解決ですな。」
ムカデバスの背中に眠っている女達を乗せ、魔王ケンイチと魔物・人間の男達は歩いて帰ることに。
ファージ「ん?青鬼がいないぞ!!どこに行ったんだ!!」
ミナ「きっと逃げて、仲間を呼びにいったんだわ!!」
魔王・ケンイチ「仲間を呼びに行ったと考えて、できるだけデビルタウンに近づいておこう。みんな、豆かヒイラギの葉の用意を!!無いものは、タンバリンを叩きまくって音を出せ!!」
しかし、青鬼達が襲って来る気配はなく、魔王・ケンイチ達は順調に進んだ。ムカデバスで寝ていた女達も、目が覚めつつあった。魔王・ケンイチと与作が戦った所を過ぎ、工事現場まで来ると、地獄の労働者と青鬼達が真面目に働いていた。地獄の労働者と青鬼達は、魔王・ケンイチ達をチラ見しただけだった。上りの細い崖の一本道の入口の、少し広くなった所まで来たので、そこで少し休憩をすることにした。
ファージ「後は、この崖道を上るだけですね。このまま、何事も無ければいいのですが・・・・。」
魔王・ケンイチ「そうだなあ・・・・残念ながら、お客さんだ。」
魔王・ケンイチ達に向かって、青鬼の与作と、白いかなり巨大な犬のような生物が、ゆっくりと歩いて来た。




