season 3 逆襲(地獄サイド)
ミナを乗せたガマガエルは、体育館から出るとスタミナ切れで、すぐ消えた。
ミナ「相変わらず、ガマは燃費が悪いわね。ワームウイング!!」
ミナは、最近学校で習った魔法を唱えた。
ミナは、背中に羽根アリの羽を生やし、空を翔んだ。ゴリラの魔王を担いで、サイクロプスのヤスユキとゴーレムのジムが、街中を走っているのが見えた。
ミナ「それにしても、空が赤いわね。何あれ?針の山に、気持ち悪い青い池?みないなのがいっぱいある。ん?あれは!!」
ミナの目にとまったのは、崖道を這う巨大なムカデの背中に乗った魔物と、人間の男達だった。
魔王ケンイチとファージは、先頭であるムカデの頭に乗っていた。
ファージ「さすが魔王様。地獄の鬼達のいるところまで歩いて行くとなると、それだけで疲れてしまいます。ムカデバスを利用するとは、恐れ入りました。」
魔王・ケンイチ「それにしても、地獄は針山と、気持ち悪い青い池ばかりだな。道もムカデバスがギリギリ通る、細い崖道しかないし。」
ミナ「魔王様!!」
魔王・ケンイチ「ん?ミナ!!なぜ、ここに?」
ミナ「実は今、デビルタウンの悪魔学園に通ってるんです。」
魔王・ケンイチ「へえ、ミナは勉強家だな。」
ミナ「魔王様、ここはいったいどこなんですか?アンドロイド達はどこに?」
魔王・ケンイチ「ここは地獄だ。アンドロイド達は、後から攻めて来た地獄の鬼達にやられた。俺達は、その地獄の鬼達に拐われた、街の女達を助けに行くところだ。」
ファージ「ついでに鬼退治だ。おい女、お前はかわいいから帰れ!!今、デビルタウンはブスな女だらけで、かわいい女が非常に少ない。かわいいお前は、貴重な存在だ!!」
ミナ「魔王様、私も行きます。」
ファージ「無視かよ!!」
魔王・ケンイチ「・・・・・・・・よし、分かった。そのかわり、危なくなったらさっさと逃げろよ。」
ミナ「分かりました。」
ファージ「魔王様!!たぶん、あの女を守る余裕なんてありませんよ!!」
魔王・ケンイチ「・・・・そうだな。でもファージ、ミナはシノビだし、回復魔法も少し使える。それに空も翔べるみたいだし、俺達が守らなくても大丈夫だろ。」
細い崖道を下へ下へとムカデバスは下りて行き、荒野についた。その荒野を少し進むと、多くの鬼と労働者達が集まり、道路工事をしていた。労働者の中には、セイジ、シリウス、セナの姿があり、3人とも土嚢を両手で持って、空中に浮かぶ道路を歩いていた。魔王・ケンイチ率いる魔物と人間の男達は、ムカデバスの背中から降りた。
魔王・ケンイチ「みんな、いくぞ!!」
魔物・人間の男達「おお!!」
魔王・ケンイチを先頭に、魔物・人間の男達は、鬼達に向かって走り出した。
赤鬼・青鬼達「なんだ?あいつらは!!」
赤鬼・青鬼達「ここは地獄だぞ、分かってるのか?あいつら!!」
赤鬼・青鬼達「返り討ちにしてやる!!」
魔物・人間の男達は、リュックの中から節分用の豆とヒイラギの葉を取り出し、鬼達にぶつけた。
赤鬼・青鬼達「ぎゃああああ!!なぜ、地獄に豆が!!」
「体が・・・・裂ける・・・・ぐわあ。」
豆が当たった鬼達は、体に穴が開き、その穴がじわじわと広がって体が裂け、肉片となってバラバラに散らばった。
ヒイラギの葉を投げると、葉は鬼達を自動追尾して体を貫通し、貫通した穴がじわじわと広がって、豆に当たったのと同じように体が裂け、肉片となって、バラバラに散らばった。
魔物・人間の男達「やっほー、楽勝だぜ!!」
「鬼は外!!福は内!!」
鬼達の人数はかなり減り、赤鬼達は全員逃げ始めた。
地獄の労働者達は、その様子を空中に浮かぶ道路から見下ろしていた。
セナ「あれは魔王様、もしかして、三蔵法師に殺られて地獄に来たのでは?」
シリウス「いや、頭に天使の輪がないから、まだ死んではいないようだ。いったい、どうやって地獄に来たんだろう。」
セイジ「・・・・。」
青鬼達「オラッお前ら、ぼうっとしてないで、さっさとその土嚢を運べ!!」
セナ「ゲフッ」
セナは、青鬼に腹を蹴られた。
騒ぎを聞きつけ、空中に浮かぶ道路から、青鬼の現場監督・与作と、何人かの青鬼達が下りてきた。与作は、小柄で痩せた青鬼だったが、必殺技を持っていた。青鬼達が、豆やヒイラギに当たり倒れる中、与作は仁王立ちで、立ちはだかった。
魔物・人間の男達「な、なんだ、コイツは!!コイツに豆を投げると、豆がコイツの体に当たる前に消えてしまう!!」
「ヒイラギの葉もそうだ、コイツの体に当たる前に消えてしまう!!」
「コイツはいったい、何者なんだ!!」
青鬼達「フフフフッ与作さんは現場監督なだけあって、俺達とは違う!!それに、人一倍、ダッチワイフにうるさい鬼だ!!」
「与作さん、コイツらをやっちゃって下さい!!」
「与作さん、輝いてます!!」
与作「赤鬼の奴らは逃げ出したか。ったく、人生は常に挑戦者じゃないといけない・・・・この青鬼の肌のように、常に人生というリングでは、コーナーは、青サイドじゃないといけない。」




