season 3 地獄でご飯(地獄サイド)
人間・魔物達「ステータス・オープンは、そいつの秘密まで分かってしまう、してはいけないことなんだなあ。」
「結局、攻撃力とか防御力は、その時々によって変わるから、分からないってことか?」
「鬼達が異様に強いのか、地獄の法則で俺達が弱くなっているのか分からないが、とにかく、鬼達には敵わないってことだ。このままだと、一生地獄で奴隷のように働かされてしまう!!」
人間と魔物達は、絶望でうなだれた。
魔王・ケンイチとファージは、入り込んだ細い路地を抜け、噴水広場まで戻って来ていた。
魔王・ケンイチ「アンドロイド達の残骸が酷いなあ。地獄の法則のせいで、赤鬼達にやられたみたいだ。」
ファージ「あの強靭なアンドロイド達が、こうも簡単に。赤鬼達とまともに闘えるのは、今のところ魔王様だけです。」
魔王・ケンイチ「地獄じゃなかったら、赤鬼達よりアンドロイド達の方が断然強い。」
魔王ケンイチとファージは、時計台に着き、中に入った。
人間・魔物達「みんな、魔王様が帰って来たぞ!!」
「おお!!魔王様。」
人間と魔物達は、絶望から一筋の光をみたが、ここが地獄だというを思い出し、不安に襲われた。
人間・魔物達「魔王様、可愛い女達が、赤鬼達に拐われました!!残っている女は、全員ブスばかりです!!」
「魔王様、このままだとデビルタウンは少子化になってしまいます!!ブスな女は抱けません!!」
「地獄の法則で、魔王様も攻撃力と防御力が1になるから、魔王様でも赤鬼達には勝てない!!」
「魔王様、地獄で奴隷として一生働くなんて嫌です、何とかして下さい!!」
「女子達も、鬼達のダッチワイフとして一生終わるなんて酷すぎる!!なんとかして下さい!!」
ファージは大声て叫んだ!!
「みんな、落ち着け!!魔王様に地獄の法則は通用しない!!ついさっき魔王様は、赤鬼達を3人程軽くぶっ飛ばしたところだ!!大丈夫だ、安心しろ!!」
人間・魔物達「本当ですか!!」
「おお!!さすが魔王様だ!!」
キミカは、魔王石で魔王・ケンイチのステータスを見た。
キミカ「魔王様のステータス・オープン!!」
名前 ケンイチ
職業 魔王
攻撃力:超いい感じ
防御力:まあまあいい感じ
特技 水泳
嫌いな物 NHK受信料徴収人
魔王石から一言:ブラボー!!
2階の人間と魔物達は、魔王石に見入った。
人間・魔物達「森山には、魔王石から一言がなかったな。」
「魔王様の特技は暴力だろ、魔王石は分かってないなあ。」
「攻撃力と防御力がいい感じか。まあ、とにかく魔王様は強いってことだな。さすがだ!!」
魔王・ケンイチ「みんな、まずは腹ごしらえだ!!サファリス、魔王石に緊急時の食糧を出すように呪文を唱えろ!!」
魔物・魔物達「魔王様、サファリスは気絶してます!!」
魔王・ケンイチ「なに!!じゃあ、誰か魔法が使える者、頼む!!」
キミカが、魔王石に呟いた。
「緊急時の食糧をお願い!!」
魔王石はキラリと輝くと、1階の物置室の扉が開き、白いエプロンをした50代ぐらいで、10人ぐらいのおばちゃん達が、食事の用意をし始めた。
おばちゃん1「はい、ご飯が出来たよ。さっさと並びな、そこのトカゲ人間みたいな人、割り込みはダメだよ。」
おばちゃん2「割り込みした人には食べさせないよ。」
おばちゃん3「おかわりあるよ、たくさん食べな!!」
人間と魔物達は1列に並び、ハッポースチロールのお椀にご飯と味噌汁、紙皿に若鶏の唐揚げや魚の煮物、野菜の天ぷらを貰うと、仲のいい者同士で輪になって座って食べた。人間と魔物達は腹いっぱいになり、マイナス思考からプラス思考になった。そして、至るところで笑い声がするようになった。
ファージ「さすが魔王様、みんな腹いっぱいになり、場の雰囲気が明るくなりました。」
魔王・ケンイチ「時計台の奴らはいいが、他の所で避難している連中や、拐われた女達が心配だ。さっさと食べて、地獄に助けに行かないとな。」
ファージ「魔王様、私もお供します。うわっと。」
ファージは椎茸の天ぷらを食べようとしてやめ、紙皿の片隅に置いた。
ファージ「実は、私は椎茸が嫌いでして。」
魔王・ケンイチ「へえ。魔王の騎士隊長が、椎茸が嫌いとはな・・・・ん?嫌いなもの・・・・。」
魔王・ケンイチは、階段を上って2階の魔王石の前に立った。
「誰か、魔法が使える者、魔王石に尋ねてみてくれ。鬼達の嫌いな物は何かを。」
キミカ「OK。鬼達の嫌いな物は何?魔王石、教えて。」
魔王石の表面に文字が現れた。
2階の何人かの人間と魔物達は、魔王石の周りに集まった。
人間・魔物達「え?これならいけるんじゃね?」
「以外と楽勝かも。」
「どうやら、地獄で働かなくてすみそうだ。」
魔王・ケンイチ「よし、飯を食ったら反撃だ!!」
人間・魔物達「おお!!」




