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デビルタウン物語  作者: 明日こそはシンデレラ
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season 3  地獄で金儲け(地獄サイド)

地獄の空は赤く、幾つもの針山と青い泡だった池があり、多くの赤鬼と青鬼達が、人間や魔物達を殴りつけていた。殴られている人間や魔物達は、グレーの作業着に黄色のヘルメットを被り、道路を空中に、天に向かって作らされていた。


赤鬼達「なんだなんだ?街が地獄にやって来たぞ。」


「死んでもないのに地獄にやって来るとは、物好きな奴等だな。」


「どれ、労働者確保に行くとするか。」


「よし、駆けるぞ。速足の術!!」


地獄の赤鬼達は赤、青鬼達は青のボクシンググローブをはめて、金や銀のボクシングパンツを履いており、赤鬼は、赤い肌にスキンヘッドの頭から2本の角、青鬼は、青い肌にリーゼントの頭から2本の角が生えていた。赤鬼も青鬼も、だいたい2メートル程の身長で、その中の20人ほどの赤鬼達は、5人ずつの4組のチームに分かれて、針山の近くに到着したデビルタウンへと、競歩で向かった。




魔王・ケンイチ「ん?腕が毛むくらじゃに。ぶかぶかの服が、ぴったりになった・・・・俺は、ゴリラに戻ったのか!!ファージ、俺は今、ゴリラか?」


ファージ「あっ・・・・はい、見事なゴリラです。」


魔王・ケンイチ「・・・・そうか。」


魔王・ケンイチが空を見上げると、そこに満月は無かった。


魔王・ケンイチ「空が赤いな、ここはどこなんだ?」


ファージ「さあ、全く分かりません。それより魔王様、このロボ共を何とかしましょう!!」


魔王・ケンイチ「そうしたいのは山々だが、コイツらはなかなか手強い!!ファージ、慌てるな!!」


ファージ「はい!!」




ルシファー「うぅ・・・・満月が・・・・意識が薄れていく・・・・三蔵法師の意識が起きてきた・・・・クソッ。」


三蔵法師「こ、ここはいったい・・・・なに?この入り込んだ小道は。とにかく、ここから出ないと。」


ルシファーの意識は弱まり、いつもの三蔵法師に戻りつつあった。


赤鬼達はデビルタウンに着いた。街の門をくぐり、競歩で街を歩き続けた。


赤鬼達「静まりかえってるな、この街。」


「キャバクラにファッションヘルスに漫画喫茶、あれはラブホか?なんか毒キノコみたいだな。」


「荒れてるなあ、この街。あの辺りの建物、壊れまくってるなあ。」


「さすが地獄に来るだけのことはある。この街は、なかなかゲットワイルドだ。なんか、とんでもない奴等がいそうな気がする。」


「うおっ見ろよ。お前の言うとおり、剣を持ったでかいゴリラが、ロボと闘っているぞ!!」


「とりあえず、まずはロボからだ。ロボは疲れたり、怪我して血が出たりしないから、労働者にもってこいだ。ここは、俺らチームAに任せてもらおう、いくぞ!!」


「チームKとチームBとチーム48は先に進め!!」


チームAの赤鬼達5人は、スピーカーのアンドロイド2体に襲いかかり、得意のボクシングでボコボコに殴った。スピーカーのアンドロイド2体の胴体は、少し割れ目が入って凹み、首から上がのいて倒れ、動かなくなった。胴体の割れ目からは、綺麗な虹色の、ビー玉ぐらいの丸い玉が転げ出て、その場に10個散らばっていた。


ファージ「なんだ、コイツらは!!あれほど強かったロボ共がこうもあっさりと・・・・。」


魔王・ケンイチ「また変なのが、街に入って来た。」


赤鬼1「ついでにお前らもだ!!」


ファージ「なに!!エアーケー!!グワッ。」


チームAの赤鬼達は、魔王・ケンイチとファージにも襲いかかって来た。ファージは、ジャンプしながら剣を振り、斬撃を飛ばして当てたが、赤鬼達には全く効かず、逆に、赤鬼の一人に殴られて倒れた。魔王・ケンイチは、赤鬼達のパンチをスウェイでかわして、3人の赤鬼達を片手の掌低で吹っ飛ばした。


ファージ「イテテテッ」


魔王・ケンイチ「ファージ、大丈夫か!!」


赤鬼達「なんだ、このゴリラは!!地獄では、鬼以外は不死身になる代わりに、攻撃力・防御力ともに1になるはずなのに。」


「希に関係なく闘える奴がいるが、それにしてはコイツ、強すぎる!!」


「コイツはヤバい!!」


「みんな、有り金を全て出せ!!こういうときは何事も、全て金で解決だ!!」


赤鬼達は、ボクシングパンツのポケットから財布を取り出して、それぞれ5万ほど魔王・ケンイチに渡した。


赤鬼達「ゴリラの兄さん、お願いだ。どうかこれで、今すぐ地獄から立ち去ってくれ!!」


「すまねえな、今の俺達は、これだけしか持ってないんだ!!」


「頼む、これで勘弁してくれ!!」


魔王・ケンイチは、30万ぐらい受け取った。


入り組んだ細い路地から、三蔵法師が出て来た。


三蔵法師「やっと出れた。」


赤鬼達「なんか、派手な髪の色の女が出て来たぞ。」


「いい女だな、俺のタイプだ。」


赤鬼の一人が三蔵法師に近づき、話しかけた。


赤鬼2「あんた、名前は?」


三蔵法師「三蔵法師です。」


魔王・ケンイチ「な、コイツが三蔵法師だと?」


赤鬼2「三蔵法師っていうのか、あんた、今日から俺のダッチワイフな、よろしく。」


三蔵法師「な、ダッチワイフって、そんなの無理です。それに、私はアンドロイドですよ。」


赤鬼2「ロボなのか・・・・ふうん。」


突然、赤鬼2は、三蔵法師の顔を思いきりぶん殴った。三蔵法師の首から上がのいて倒れ、三蔵法師は動かなくなった。


赤鬼2「ロボは全て労働者だ!!」


赤鬼3「よし、チームAのみんな、とりあえず3体のロボを連れて帰ろう。じゃあな、ゴリラの兄さん。」


赤鬼3は、ポケットから無限に物が入る透明の四次元ゴミ袋を出し、3体のアンドロイドと、そのとれた頭を入れて、地獄へと帰って行った。


ファージ「なんか、あっけない最期でしたね、三蔵法師。」


魔王・ケンイチ「そうだな、まあ、良かったじゃないか。金も貰ったし・・・・この虹色の玉も拾っとくか。」


魔王・ケンイチは、10個の玉を拾うと、巨大サソリにファージと二人乗りをして、時計台の方へと向かった。

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